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徽宗皇帝のブログ

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ユダヤ人が世界で迫害されてきた理由
私は、なぜユダヤ人が世界中で差別され迫害されてきたのか、というのが不思議で、その理由が知りたかったのだが、岩上安身らによるルポルタージュ『ソ連と呼ばれた国に生きて』の中の、あるロシア人(帝政ロシア旧貴族の子弟で、ソ連時代には肩身の狭い思いをしてきたことからユダヤ人にシンパシーがあるらしい人物)の言葉で、やっとその理由が分かった気がする。
まあ、一言で言えば、「頭がいいから」ということらしい。クラスのほとんどがジャイアンやのび太みたいな連中である学級で、出来杉くんがどういう扱いをされるか想像したらいい。クラス担任も(ジャイアン+のび太)だとする。ただし、この出来杉くんは小ズルいところもあり、その点ではスネ夫的でもある。とすれば、この出木杉くんが嫌われるのもよく分かるだろう。
もちろん、「頭がいいから」だけが理由ではない。下の引用記事を読めば、世界中でユダヤ人が嫌われてきた理由が何となく理解できるだろう。だが、基本的にはユダヤ的合理主義と、その冷たさ(合理主義は温情主義と相克するのは、政府の政策や官僚の下級国民への態度を見れば分かるだろう。)が、他民族の中では常に「異物」であったから、と思われる。

(以下、同書より引用)

一般的にロシア人は、ユダヤ人を嫌悪しています。この感情はとても根強い。ロシア人の言い分というのは、だいたいこんなところです。ユダヤ人は頭がよすぎる。話が面白いし、反応が早い。お金儲けがうまく、いい職場をみつけて要領よく生きていく術に長けている。どんな土地にいっても、すぐ現地の生活条件に慣れてしまう。そういう点が、ロシア人の嫉妬心を買うんです。ユダヤ人に出し抜かれたりすると、ユダヤ人の特長がロシア人にとってことごとく気にくわないものに思われてくる。
いつもせっかちで落ちつかない。自己宣伝好きで、しかもうまい。ロシア人に対する尊敬の念をあらわさない。---大民族たるロシア人は、少なくともソ連圏では他民族に尊敬されるのがあたり前と思っているのです。
そしてユダヤ人は、目的のために手段を選ばないところがある。ロシア人の、特にインテリにとっては、ひとつの目的を達成するにあたって、いい手段かどうかはたいへん重要な問題ですが、ユダヤ人は比較的、手段にこだわらないところがある。それは彼らの柔軟性のあかしでもあるのですが、ロシア人の目には、ずるくて、信用できないと映るのです。それと、まあ、一般的にいってユダヤ人は、ちょっと意地の悪いところがありますね。
こういうことを理解するためには、もう少し彼らの考え方、世界観を比べてみる必要があります。
重要な違いは、お互いを比べてみると、ユダヤ人は将来についていつも長い目で見ていることです。そして、自分という存在を、自分の民族の意味ある一部として考えている。「ユダヤ人である私」を常に意識しているわけです。特に、ユダヤ民族の将来の運命を自分と結びつけて考えている。自分のことをユダヤ民族の運命のコンテクストの中で考えているのです。
それに対してロシア人は、せいぜい二日後ぐらいしか考えてない(笑)。しかも民族の運命のことなんてまったく考えてない、自分のことだけです。大民族の常で、民族の運命の行方に関心をもたなくても、安心して生きていけるからでしょう。緊張感がない。おおらかで、オープンであり、一般にロシア人は他人に対して温かみのある人が多いですが、同時にすぐ仲間と群れたがる。集団主義的です。(徽宗注:集団主義は、ソ連時代に培われた心性らしいことが、インタビューの他の部分にある。)その群れから排除されると、ロシア人はつらい思いをしなくてはならない、ということはすでに話しました。
その点、ユダヤ人はきわめて孤独に強い。彼らはもちろん、ユダヤ人同士、かたく結びあっていますが、ただだらしなく群れるという関係じゃないんです。それぞれは独立している。固有の利益をもっている。それを守るためにお互いに情報交換をするのです。ユダヤ人のサークルにまじっている時、その情報交換が一番面白かった。内容のレベルがとても高く、役に立ちました。
私は一般のロシア人と違って、多くのユダヤ人と深い交友関係を結んできたので、無知ゆえの偏見というのはありません。とはいえ、私自身は自分をやはりロシア人だと思うし、彼らとつきあうことに慣れたとはいうものの、彼らと同じにはやはりなれないと思います。
というのは、実は、私の最初の妻はユダヤ人だったんです。十年間一緒に暮らしました。愛してはいましたが、でも文化の違いによるあつれきに、お互いにくたびれて別れてしまいました。合わなかったところはいろいろあるんですが、まあ、そのうちのひとつは彼女がケチだったことですね(苦笑)。難しいですよ、一緒に暮らすとなると。友人くらいの距離のとり方が、一番いいのかもしれません。       (岩上)















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