私自身は「ケインズ主義」の支持者で、これは「社会主義的政策を積極的に採る自由主義」という「社会主義と自由主義の結婚」だと私は簡単に定義している。ここ30年の中国がその好例だと思う。
(以下引用)
リバタリアニズムとは?
リバタリアニズムとは、個人の自由と経済の自由の両方を重視する政治思想・政治哲学です。
個人の自由とは、自らの「身体的権利」や「私的所有権」を侵されるべきではないという立場です。
例えば政府による「徴兵」や「強制的な労働」は身体的な権利を侵すものとして否定します。また、所有する土地や建物などの財産を政府が徴収することも否定します。
経済の自由とは、市場は自由に任せておけば良いという考え方です。
この考えの代表的な人物は「アダム・スミス」です。政府がマーケットに介入するのではなく、自由放任で競争に任せておけば全てうまくいくと考えました。詳しくは下記のリンクで解説しています。
5分でわかるアダム・スミスの国富論(諸国民の富)- わかりやすく要約
つまり「リバタリアニズム」は、究極的には、政府による市民への介入の全てを否定しています。無政府状態を理想状態として、国家や政府の存在を否定します。
しかし、暴力や収奪、詐欺など「私的財産」を侵害する行為については、強制力を利用しても構わないとしています。
自由主義(リベラリズム)との違いは?
リバタリアニズムと自由主義(リベラリズム)は、全く異なる政治思想です。詳しくは下記で解説しています。
10分でわかる自由主義 – 民主主義との違いもわかりやすく解説
自由主義(リベラリズム)は、歴史とともに定義を拡大してきたため、その本質を捉えにくいです。しかし、現代における自由主義の定義は下記の通りです。近代自由主義とも呼ばれています。
政府が適切に介入することによって、人々の自由を保障する政治思想
なぜ、自由主義が政府の介入を許すのか?と思われるでしょう。
もともと自由主義は、政府が介入すべきでないという考え方でした。しかし、マーケットに任せきりでは貧困や飢餓の問題が解決できませんでした。人々の自由を保障すべき「自由主義」なのに、食べ物にも困るほどの状況では、かえって自由を制限しているのではないか?という考え方が主流になりました。
そこで、経済学者のケインズを始めとして、適切に政府が介入することで、人々の自由を保障しようという考えに「自由主義」が拡張されました。ケインズについては下記のリンクで詳しく解説しています。
5分でわかるケインズの雇用・利子および貨幣の一般理論 | ケインズ経済学の基礎
新自由主義(ネオリベラリズム)との違いは?
リバタリアニズムとネオリベラリズム(新自由主義)は、密接に関わっています。
先ほども説明したようにリバタリアニズムは個人の自由と経済の自由の両方を重視する政治思想・政治哲学です。ネオリベラリズム(新自由主義)は、リバタリアニズムの経済の自由を保障する、経済学的な立場です。
フリードマンという人物によって提唱され、ノーベル経済学賞を受賞しています。ネオリベラリズム(新自由主義)は、簡単にいうと「政府が介入せずに市場に任せておくのが、経済にとって1番だ」という考え方です。
詳しくは下記のリンクで解説していますが、ネオリベラリズム(新自由主義)は、リバタリアニズムを支える経済学ということです。
5分でわかるフリードマンの「資本主義と自由」- 新自由主義をわかりやすく解説
リバタリアニズム・リベラリズム・ネオリベラリズムの違い
これまで説明した通りリバタリアニズム、リベラリズム(自由主義)、ネオリベラリズム(新自由主義)は明確な違いがあります。まとめると下記の通りです。
- リバタリアニズム
「個人の自由」と「経済の自由」を重視する政治思想・政治哲学 - リベラリズム(自由主義)
現代におけるリベラリズム(自由主義)は、近代自由主義とも呼ばれ、政府が適切に介入することによって、人々の自由を拡大することを肯定する政治思想・政治哲学。ケインズという経済学者によって推し進められた。 - ネオリベラリズム(新自由主義)
マーケット(市場)には、政府は極力介入せずに、自由放任に任せておけば、全てうまくいくという経済学・経済思想。フリードマンによって提唱されノーベル経済学賞を受賞している。リバタリアニズムを支える経済学。
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