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徽宗皇帝のブログ

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世界に先駆的な国民収奪モデルの国へ
「毎日JP」から転載。
こういう話があることは知っていたが、何かの冗談かと思って関連記事など読みもしなかった。しかし、「崖っぷち社長」が注意を促しているので読んでみたわけだ。
ま、崖っぷち社長が言うように、全体に新自由主義そのもの、つまり背後に国際(「こう臭い」と打ってしまった)金融資本の姿があるのは見え見えだ。
少し内容を検討してみる。

1「40歳定年を選べる」とは、誰が選べるのだ? 普通なら、被雇用者が選べると解釈するだろうが、「企業側が選べる」のかもしれんね。
2「働き盛りでひとまず定年を迎え、成長企業に転職することなどを想定」など、大笑いである。なぜ「成長企業」に転職できるなどと想定できるのだ?
3「高所得者への社会保障給付の削減」―べつに国民が有難がることではない。本物の高所得者は、はした金にしかすぎない社会保障給付など最初から問題にもしていない。せいぜいが本当は中程度の「高」所得者が困るだけだ。
4「多様な個人や組織が結びつきながら新たな価値を創出する「共創の国」を目指し」この手の提言によくある空疎なスローガン、キャッチコピーである。具体性など何も無い。
5「財政再建や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加の必要性も指摘した。」―これが一番言いたかったことだろう。言いたくて言いたくてうずうずしているのが匂い立つようだ。他の部分など、七面倒臭いなあ、と思いながら書いていたに違いない。
6「規制改革や環境変化に強い人材育成などが必要」―日本語として下手くそ。「AやBに強い○○が必要」では「AやB」に強い、の意味だと読んでしまう。読点を入れて「Aや、Bに強い○○が必要」とするか、もっといいのは「Bに強い○○や、Aが必要」と書くべきである。それとも分科会の意図は「規制改革に強い人材」を育成するべきだと言っているのか? 日本国民は「規制改革に弱い」から駄目なのだ、ということ? まあ、揚げ足取りはそれくらいにして、内容も問題だ。「環境変化に強い人材」とは、「お前たちは将来、いきなり職を失うことに、これから何度も直面する予定だから、そのつもりでいろよ」という、国民への有難い忠告だろう。もちろん、この分科会の提言が通れば、そういう事態に確実になるよ、という予言だ。つまり、本文中の「雇用流動化で経済を活性化」とはそういうことである。「雇用流動化で経済を活性化」どころか、雇用流動化で日本全体の貧困化が急速に進行したのは誰でも知っていることだ。
7「報告書は「ただちに政府の方針にならない」(古川元久国家戦略担当相)」―こだまの枝野の「ただちに健康に被害はない」の名言の記憶を呼び覚ます言葉だ。「ただちには」起こらないが、将来はほぼ確実にそうなる、ということか。
8「首相は「世界に先駆的な国家モデルを提示することが必要だ」と述べた。」―「世界に先駆的なモデル」と言っても、悪い面で先駆的かもしれないな。

ということで、まあ、「有識者会議」という奴は政府のアドバルーン機関、「世間の反応を見るために政府の意向をあらかじめ出してみる装置」であるから、この「提言」は政府提言である。つまり、政府は新自由主義まっしぐらの方向であるのは明白だ。

(以下引用)

フロンティア分科会:40歳定年制など提言 実現は不透明
毎日新聞 2012年07月06日 22時10分(最終更新 07月06日 22時40分)
 2050年の日本のあるべき姿を検討してきた有識者会議「フロンティア分科会」が6日、首相に提出した報告書は、雇用流動化で経済を活性化させるための「40歳定年制」の導入や、高所得者への社会保障給付の削減など大胆な政策を提言した。現状への危機感を踏まえたものだが、どこまで実現するかは見通せない。
 40歳定年を選べる多様な個人や組織が結びつきながら新たな価値を創出する「共創の国」を目指し、規制改革や環境変化に強い人材育成などが必要と説いた。
 そのための施策として、少子高齢化に対応して40歳定年を選べる一方、40歳定年を選べる制度作りも提案。働き盛りでひとまず定年を迎え、成長企業に転職することなどを想定している。財政再建や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加の必要性も指摘した。
 報告書は「ただちに政府の方針にならない」(古川元久国家戦略担当相)が、首相は「世界に先駆的な国家モデルを提示することが必要だ」と述べた。【久田宏】



(追加記入)

先ほど「阿修羅」を読んでいたら、このフロンティア何たらの提言の解説記事が転載されていたから孫引き引用する。出所は日経らしい。
「(日本は)50年後に坂を転げ落ちる」のではなく、豚カツ総理の消費税増税と原発再稼働によって今まさに坂を転げ落ちつつあるのだけどね。(「豚カツ総理」とは、野田の背後にいる「勝」が真の総理なので、私が命名したが、自分でも使わないので時々忘れる言葉だ)


(以下引用2)

■雇用流動化へ「40歳定年を」政府が長期ビジョン 【日経新聞7/7日】

国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)の分科会は6日、国の長期ビジョン「フロンティア構想」の報告書をまとめた。国家の衰退を防ぎ、個人や企業が能力を最大限生かして新たな価値を生む国家像を2050年に実現するための政策を提言。「40歳定年」で雇用を流動化するなど労働生産性を高める改革案を盛り込んだ。

 学識者や企業人らで構成するフロンティア分科会(座長・大西隆東大大学院教授)が野田首相に報告した。首相は「社会全体で国づくりの議論が喚起されることを期待する」と述べ、近くまとめる日本再生戦略にも反映する意向を示した。
 改革案の柱は雇用分野だ。60歳定年制では企業内に人材が固定化し、産業の新陳代謝を阻害していると指摘。労使が合意すれば、管理職に変わる人が増える40歳での定年制もできる柔軟な雇用ルールを求めた。早期定年を選んだ企業には退職者への定年後1~2年間の所得補償を義務付ける。社員の再教育の支援制度も作る。雇用契約は原則、有期とし、正社員と非正規の区分もなくす。

 もっとも定年制の前倒しには労働者の強い反発が必至だ。社内教育で従業員に先行投資する企業側の抵抗も予想される。改革の実現には転職市場や年功型の退職金制度、人材育成などと一体的な検討が必要だ。改革案は長期的な指針で、全て早期に実現を目指すという位置づけではない。

 報告書は現状のままでは日本は新興国との競争に敗れ、少子高齢化も進んで50年に「坂を転げ落ちる」と予測。将来の理想は付加価値の高い産業が立地する「共創の国」とした。時間や場所を選んで働けるようになれば仕事と育児を両立できる人が増え、出生率は改善すると見込んでいる。(引用終わり)



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