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徽宗皇帝のブログ

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原油価格を巡る米ロのチキンレース
「イランラジオ」から転載。
古い記事だが、今回の原油価格急落と事情はほぼ同じだろう。つまり、

1)サウジアラビアは政治的には西側陣営に属している
2)そのサウジアラビアがOPECの意図に反して原油を増産した
3)それは米国の政治事情に関係している

ということが推測できる。
で、3)の米国の政治事情は、今回の場合は米国の対ロシア制裁である。ルーブル急落はすでに原油価格急落と連動して起こっている。
ところが、実はこの原油価格急落で苦しむのは米国が先なのである。
米国はシェールオイルに国内原油生産の比重を懸けているが、その採算点は1バレル90ドル程度だとか言う。それが今や1バレル50ドル台である。悲鳴を上げているのは米国の石油業者なのだ。
一方、ロシアは西側に石油が売れなければブリックス諸国相手に売ればいいだけだ。ルーブルの下落も、しばらく我慢すればいいだけのことで、ロシアは穀物生産国でありエネルギー生産国だから、為替相場に一喜一憂する必要などないのである。安値の時は売らずに待っていればいい。極端な場合、鎖国してでもやっていける国だ。
そこで、自縄自縛に陥った米国は対ロシア戦争に踏み切るという可能性もある。この前の下院決議はそれを予測させるものだ。ただのデモンストレーションではあるまい。(気の毒なのは経済界支配層・ユダ金のせいでくだらない戦争に追いやられる米国の国民だ。)

米国とロシアの原油価格を巡る我慢比べ(チキンレース)はそう長くは続かないだろう。その後は世界的戦争という大惨事が待っている。日本も無関係ではない。安倍は前々からその準備を迫られていたわけだ。



(以下引用)


2012/06/27(水曜) 21:35

原油価格の急落

アミーンザーデ解説員

ここ数日、原油価格が急落しています。その原因はどこにあるのでしょうか?原油市場のバランスに影響を及ぼす要素は何でしょうか? 需給のバランス、景気低迷、OPEC石油輸出機構の生産枠の違反、対イラン石油制裁による影響を小さく見せるための西側の干渉、それらが影響を及ぼしているのでしょうか? 

この1ヶ月、原油価格は、オーストリアのウィーンで行われたOPECの会合の直後から下落を続け、現在、1バレル90ドルまで下がっています。こうした中、イランのハティービーOPEC代表は臨時会議を開催する可能性を明らかにしました。ハティービー代表は、「原油価格が懸念すべき水準にまで下落すれば、臨時会議の開催が必要になる」と強調しました。世界経済の不透明な先行きに対する懸念、そして国際市場への原油の供給の増加が、原油価格下落の2つの要因になっているのは明らかです。これについて、サウジアラビアが、原油価格を下げるために、原油の生産と輸出を増加しようとしている事実があり、現在、OPECの一部加盟国が生産枠を守っていないことが、価格を下落させています。これはOPECの目的に反するものです。OPECが生産枠を拡大するか、縮小するかは、国際市場の状況に応じて決められます。しかし、北海ブレントの価格を90ドル以下に抑えようとするサウジアラビアの努力は、原油の国際市場の需要とは全く関係のないものです。専門家は、それを一極主義的な政策からくる動きであり、集団の利益を損なうものだとしています。OPEC以外の主要な産油国であるロシアは、サウジアラビアの増産と原油価格の下落に懸念を表明しています。OPECの加盟12カ国は、今月14日にウィーンで行われた総会で、生産枠を日量3000万バレルで据え置くことで合意しました。しかし同時に、この会議で、余剰生産がある国々は生産量を減らし、全ての国が取り決めを守ることが決定されました。OPECには、イラン、イラク、サウジアラビア、クウェート、ベネズエラ、カタール、リビア、アラブ首長国連邦、アルジェリア、ナイジェリア、アンゴラ、エクアドルが加盟しています。OPECの最新の公式統計によれば、OPEC全体で、現在、日量およそ3150万バレルの原油が生産されています。一部の評論家は、サウジアラビアにとって重要なのは、アメリカに同調することだとしています。アメリカで大統領選挙が近づいていること、対イラン石油制裁を理由に、欧米への批判が高まっていることから、サウジアラビアは実際、原油価格を下げることで、アメリカの政治家に有利になるように動いています。サウジアラビアは、OPEC内で、消費国の利益を守る国として知られています。原油価格が値上がりすれば、世界経済が脅かされます。そのため、西側の経済危機の代償を支払わされるのは、産油国なのです。このような状況の中、エネルギー問題の専門家は、「生産の将来が懸念されることから、原油価格の現在のレベルは、早急な生産量の削減を必要としている」と強調しています。




(追記)上の記事を書いた後で、あるサイトへのコメントで知った12月16日のロイター記事が私の推理を裏付けていたので、記事の一部を転載しておく。


サウジは今日、再び石油兵器を利用している。しかし今回行っているのは価格押し上げと供給削減ではなく、その反対だ。6月以来、国際石油価格が大幅下落したのを目の当たりにしながら、サウジは減産を拒んだ。相場を反転させようとするどころか、11月27日のOPEC総会では減産見送りの音頭を取った。



この政策は無視できない結果をもたらした。過去2年間、1バレル=105─110ドル前後で安定していた北海ブレント油は、6月の112ドルから60ドル近くまで下がった。ベネズエラのマドゥロ大統領は10月、「米国とその同盟諸国が石油価格の下落を望むのはなぜだろう」と問いかけた。答えは「ロシアを痛めつけるため」だろうか。



この答えは一部正しいが、サウジの策略はもっと複雑だ。同国が仕掛けた最新の「石油戦争」には標的が2つある。従来型石油と競合するには価格の高止まりを必要とする米シェールオイル生産者を市場から締め出すのが1つ。だがより大きな狙いは、シリアの内戦においてアサド政権を支えるロシアイランを罰することにある。内戦が勃発した2011年以来、中東諸国と世界の列強はシリアを舞台に代理戦争を繰り広げてきた。



サウジとカタールがシリアの反体制派に武器を提供しているのに対し、イランと、それより程度は落ちるがロシアは、アサド大統領が権力を維持できるよう武器や資金を供与してきた。



米国がイラクに侵攻した2003年以来、アラブ世界の伝統的な中核国であるエジプト、サウジアラビア、その他湾岸諸国はイランの影響力拡大に神経を尖らせてきた。核開発の野望、イラク政府に対する影響力の拡大、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとイスラム原理主義組織ハマスに対する支援、シリアとの同盟関係などだ。   続く...


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