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徽宗皇帝のブログ

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地震対策は可能か
日本の自然災害の中でも地震はもっとも対策の立てにくいものだろう。津波もそうである。竜巻などは、対策は立てにくいが、規模はそれほど大きくはならないことが多いようだ。大雨や台風は対策が立てやすいと思うが、立てていない。コースは多少違っても、毎年のように大雨や台風に見舞われる地域、大雨被害や台風被害の起こりやすい地域はあるのに、対策をしていないように私には見える。対策をしていても、大被害が出るのなら、それは本当の意味での対策になっていない、ということではないか。

さて、本格的な大雨や台風の季節はまだ先だろうから、ここでは地震と津波の話だけをしておく。特に地震である。津波は地震ほど頻度は高くないし、東日本大津波のような大規模津波も稀であるから。(とはいえ、百年に1度でも起こる可能性があるなら、浸水可能圏内に住宅地を作るのは無謀である。建設業者や不動産業者は、そこに住む人にはリスクをきちんと伝え、住居費用もリスク分は安価にするべきだろう。)
日本の大半は活火山帯とか何とかいう地脈の上にあるはずである。とすれば、日本の全土にわたって、地震から完全に安全という場所はほとんど無いのではないか。過去2000年くらいは地震が起こっていない、という土地はあるかもしれないが、そう多くはないだろう。そういう土地でも完全に地震は無いとは言えないはずだ。それは火山帯の上にある日本列島の宿命だ。
そういうところで原発を作るという蛮行の話は、ひとまず措いておく。それは別の話としておく。
さて、日本では地震は宿命だ、という前提で考察を続ける。
となれば、取り得る対策は二つに分かれる。

1)すべての建築物を、たいていの地震なら耐えられるものにする。
2)1)は不可能だから、建築物を段階的に耐震能力の高いものに変えていく。地震被害の補償や対策は別途考える。

まあ、1)が不可能なことは言うまでもないだろう。日本の住居が何千万戸あるか分からないが、それを国民全員が高価な耐震建築に買い換えることなどできるわけがない。せいぜい、膨大な税金を使って公的機関だけを耐震建築にするのがせいぜいだろう。

さて、2)を実行する場合、実はこれは「地震が来たらあきらめる」という方針なのである。何しろ、地震予知は不可能、地震から逃れることも不可能なのだから。
こういうことを言うと、(書くと)現に今地震被害に遭っている人やその親類縁者知人を含め、外野席も全部含め、非難の嵐を受けることは覚悟の上だ。
だが、それなら、地震を予知したり、地震から逃れることが可能である、ということを示してもらいたい。
それ(地震避難)ができるかどうかは偶然性の問題だろう。運のいい人が逃げられただけのことだ。戦争のように、避けよう(起こさないでおこう)と思えば避けられる災害とは別なのだ。その意味では自然は人間の力を超えている。

ということで、我々が本当にやるべきことは、「地震災害が生じたとき、どう被災者を助け、その生活の補償をするか」だ、ということである。それをボランティアなどに任せておくべきではないのは当然だ。政府が存在する意味は、こういう場合の補償のためなのである。ここで「自己責任」だとか言い出すのは人間の皮をかぶった悪魔であることは言うまでもない。






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