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徽宗皇帝のブログ

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増田俊男による「地政学」解説
増田俊男の「時事直言」だが、政治と経済の初心者への簡潔明瞭な「基本的心得」解説なのではないか。たった1ページで、世界を見る目の初歩が確立できるのは大きな利益である。
私はカネ儲け主義者である増田俊男の人間性は嫌いだが、物事の核心を平明に、そして端的に表現する能力は高く評価している。
ただし、私は「地政学」という言葉は嫌いである、というのは前から書いている。これは「政治の見方」、ある姿勢であって、「学問」でも何でもないからだ。

(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。「地政学」的条件の中に(国家や民族の)アイデンティティを入れているところが卓抜である。これはまさしく、無形だが「固定した存在」だろう。ただし、それが「不変」だとは私は思わない。たとえば日本人のアイデンティティはこの二十年で大きく変わっていると思う。グローバリズム文化の侵略によって、もはや「日本人」的精神は消滅しかかっているのではないか。一番大きいのは理想や希望の喪失とニヒリズムやシニシズムの拡大だとネット文化を見ていて思う。




<時事直言>「力の意志」が国際政治を変える


国際経済は「資本の意志」が動かし、国際政治は「力の意志」が変える。
資本は経済が量的、質的に拡大する市場へ向かい、経済成長が加速される。
資本に国境がなく流動的であるのに反し、「力の意志」は地政学がベースで固定する。
地政学とは、地球上の国家の立ち位置、自然環境、資源、民族文化、アイデンティティなど固定した存在から生まれる戦争や平和のことである
インドとパキスタンは地政学上の国境問題で何時までも争い、イスラエルとイランは地理的に離れているがアイデンティティで不倶戴天の敵同士である。
隣接国家同士が常に敵対関係にあるのは歴史が証明するところである。
領土の支配、被支配が常に国家間紛争の原因になっている。
今日のウクライナとロシアはすでにロシアが併合したクリミア、さらに東部ドメスク、ルハンスクの領有をめぐって戦争が繰り広げられている。
人間は大なり小なり「縄張り争い」の宿命を背負っているようなものである。
資本は流動するが地形、気候と地域で生まれ育ってきた民族は変わらない。
変わらない領域の上で、「ここは俺の土地だ」と言って線を引く。
すると今度は別の人間に追い出されて土地を奪われる。
この繰り返しのため人類の歴史は戦争の歴史だと言われる。


「資本の意志」は見えざる意志であるが「力の意志」は目に見える意志である。
一国の地形と隣国の地形は変わらないが、国境線は侵略や併合で変わる。


ウクライナ戦争でプーチンは東部2州をロシアに併合しようとするが、プーチンを軍事行動に誘導したアメリカ(ユダヤ資本に隷属するCIA)はプーチンを自滅に追い込んでロシアの資源をコントロールしようとする。
「力の意志」に従ってプーチンは目に見える2州、ユダヤ資本は目に見えるロシアの資源を求めて戦争を続ける。


次世代のエネルギーは原子力である。
すでに安全な原子力発電技術は開発されているが、原油基軸で成り立っている世界のエネルギー体形をソフトランディングで解消するまでは現状維持の為、発表されない。
今日まで原油争奪戦で中東戦争、そしてウクライナ戦争が起きているが、やがて原油時代の終わりが見えてくると、世界最大の埋蔵量を持つ北朝鮮のウラン鉱をめぐって停戦ラインが破られ朝鮮戦争が再開される。


中東に原油があるから中東戦争が起き、朝鮮半島にウラニュームがあるから朝鮮戦争が起きるのである。


世界の政治指導者は地政学によって動かされているとも知らず民主主義の為だなどと正当化しながら戦争を繰り返す。
正に「愚かなる者、汝の名は政治家なり」である。


「資本の意志」も「力の意志」も私の造語である。
私は世界の政治経済を動かす見えざる意志と見える意志を世界で一番よく理解しているつもりである。


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