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徽宗皇帝のブログ

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大学人文系学部削減の問題
「泉の波立ち」から、読者コメント付きで転載。
記事やコメントに賛成というわけではなく、この問題を考える叩き台としてはいいかな、というだけである。
そもそも、人文系学科の削減が妥当かどうか、国民的論議も無しにいきなり文部科学省からの「事実上の命令」があったというのがおかしいと言えばおかしいのだが、私自身も現在のような「4年間を大学という遊園地で過ごす」ような人文系学部(これは私の偏見だが、それに近い生活を送っている人文系大学生も膨大にいることは確かだろう。)など、社会的に必要かどうか疑問には思っている。
その一方で、小学校から(は大げさにしても)高校まで、大学受験を頂点とした受験競争の中でもがき、足掻いてきた子供たちに「4年間の休暇」を与えることも、人生という長い時間の中ではいいことかもしれない、とも思っている。
もちろん、医学部などのように大学に入ってからのほうが膨大な勉強を要する学部もあるから不公平と言えば不公平だが、その代わり彼らには卒業後の高収入と高い社会的地位が与えられる。それに近いのが、文系学部では法学部か。実際、私が「大学生」として認めるのは医学部と法学部の学生だけなのだ。後は、大学という遊園地で遊ぶだけの「名ばかり大学生」だと思っている。もっと極端な人になると、東大以外は大学にあらず、と子供に言う猛烈な親もいるようだ。実際、日本社会の(特に官界の)ヒエラルキーを見ると、その言葉に一理はある。だが、その一方で東大主義が日本社会を今の惨状にしてきたのも確かである。
まあ、人文系学部の削減は確実だろうから、今の高校生は大変である。おそらく、理系の学問が苦手な人は専門学校に進路を変えるしかなくなるのではないか。
それとも「銀の匙」や「もやしもん」などの影響もあって農学部の受験生が激増するかもしれない。それこそ、「勉強が苦手だから農学部に行こう」などという甘い考えでは弾き飛ばされ、成績優秀者だけが農学部に行ける、となる可能性もある。
私は、日本の未来は「農業(第一次産業)立国」にある、と思っているから、優秀な生徒が農学部を目指すならば、それは日本にとっていいことだ。
もっとも、農業をやるのに「大学」まで行くことが必要だというわけではない。あくまで「研究者」や「農業指導者」を育てるために大学農学部はあるはずで、勉強が苦手な生徒は高卒どころか中卒で十分なのであり、社会もそれを当然視し、学歴差別をやめればいいだけのことである。



(以下引用)


2015年08月23日

◆ 人文系と職業大学

 大学で人文系学科の削減という話題があったが、職業大学の推進という話題もある。

 ──

 大学で人文系学科の削減という話題があった。この件は、前に述べた。(一部のエリート大学を除いて、たいていの人文系学科は縮小・廃止・改組すべきだ、という趣旨。)
  → 人文系学部を縮小するべきか?

 一方、次の話題もある。
 文部科学省が、専門技術を持った職業人を育てる新しい種類の大学をつくろうとしている。
( → 朝日新聞 2015年8月22日

 記事によると、次のような専門職が念頭にあるそうだ。
   介護リーダー、料理人、ウェブデザイン、ゲーム制作、電気工事。

 これらを扱う学校は、今のところないわけではなく、専門学校がやっている。ただしたいていは、2~3年制であり、卒業しても大学卒の資格は得られない。
 その点、職業大学ならば、一応、大学卒の資格が得られる。だから、それなりに、メリットはあるはずだ。

 ──

 ここで私が思ったのは、こうだ。
 「単に大卒という資格を得るだけのためにあるような F ランクの大学の人文系の学科は、さっさと廃止・改組した方がいい。かわりに、これらの職業大学が増えればいい」

 実は、大学には、広大な敷地が必要で、立派なキャンパスや教室も必要だ。一方、専門学校は、駅前のビルの狭い教室を使っていることが多い。
 ここで、駅前の狭い教室のまま、4年間の大学教育を終えるのは、かわいそうだ。だから、既存の F ランクの大学を改組して、職業大学に作り直す方が、無駄がないだろう。既存の敷地などを無駄なく利用できるからだ。

 ただ、実際には、既存の F ランクの大学を単に廃止してしまってもいい。その跡地を、職業大学が購入して、再利用すればいいだけだ。スクラップ・アンド・ビルド。

 いずれにせよ、こういう形で改組が進むことが望ましい、と言える。「4年間遊んでいるだけ」というような無駄な大学教育は、さっさと廃止になる方がいい。



 [ 付記 ]
 「職業大学」というのは、名称が良くない。別の名称にした方がいい。
 私が考えたのは、「実用大学」という名称。これでよさそう。
( ※ なお、医学部や歯学部も、職業訓練のための学部だが、これらは普通の大学の扱いですね。)



 【 関連サイト 】

 → 旧帝大と慶応以外は「職業訓練校化」すべき? 文科省の「有識者資料」に議論白熱
 → 専門職業人養成の大学創設へ…文科省有識者会議が提言
 → 実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議
 
posted by 管理人 at 13:00 | Comment(7) | 一般(雑学)3 このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
Fラン潰すのは同意だが、職業大学を認めちゃっていいのかねぇ。
まあ今の大学だって大学と呼べるか怪しいけど、
それでも対外的には一応大学の体をなしているけど
職業大学になったら流石にどうなんだろう。。
Posted by aaa at 2015年08月23日 20:08
 Fラン潰して、その学生をニートにするわけには行かないんだから、何らかの職業訓練をするのが妥当でしょう。今みたいに、遊ばせておいて、学歴だけ「大学卒」にしたって、ただの人材の無駄になるだけ。
 
 職業大学は、「職業を教える大学」じゃなくて、「大学とは別のジャンルに属するもの」と考えれば、新ジャンルのものができるだけだから、別に問題はない。
 大学と専門学校の中間に位置するもの、と考えるといい。
 
Posted by 管理人 at 2015年08月23日 20:23
 最後に  【 関連サイト 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2015年08月23日 20:23
大賛成。
日本の大半の大学が名ばかり大学であることは以前から言われていたことです。
というか、現状は大半が就職大学です。
Posted by tkhs at 2015年08月23日 20:32
高専(5年)をあと2年延長して7年制にするのが良いと思います。
Posted by senjyu at 2015年08月23日 22:41
普通科高校の中にも大学のFランに相当するのがたくさんありそうです。
普通科高校を減らして、職業高校(実業高校)を増やす方がよいように思います。卒業生の大半がFラン大学、専門学校、就職というような普通科高校はいらないでしょう。
ただし、中卒段階では、自分がどの分野に向いてるかわからんという生徒も多いと思うので、普通科高校を減らして実業科高校を増やす場合には、高1高2時点で転学しやすくする必要があると思います。
職業(実業)高校から同じ系統の職業(実用)大学に進学する場合、大学1年からではなく大学2年への編入もできるとかすれば、いいように思います。

Posted by ishi at 2015年08月24日 13:17
> 普通科高校の中にも大学のFランに相当するの

Fラン の高校って、読み書き算数ができないのが普通です。
せめて、日本語が読み書きできて、九九や掛け算・割り算ができて、基礎的英語力があるぐらいは、勉強し直した方がいいと思います。ろくに漢字も書けないまま、職業訓練をしても、教科書が読めないと思う。

 → http://matome.naver.jp/odai/2142691198452397401
 から引用すると:

> 超底辺高校の授業内容ってどうなっているんですか?

> "中学の復習をしています。
英語なら、アルファベットから教えます。"
現代文で、漢検4級並みの漢字テスト。
Posted by 管理人 at 2015年08月24日 19:33

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