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徽宗皇帝のブログ

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官僚と「支配階級」の区別

・支配階級は官僚制の非効率と失費(非生産的な富の支出)を時に不満としながら、結局はその存在を許容し保護する。煩瑣で時に危険な統治行為を自ら行うことを回避できるからでもあるが、より重要なことは、官僚に自分の支配行為を代行させることによって、その支配が赤裸々な形で現れるのを隠蔽することができるからである。
・官僚制は公然たる階級支配のクッションであり、カモフラージュでもある。

        (上島武「ソ連史概説」より)


単純な公務員批判が愚劣である、という意味で上記の引用をした。この「支配階級」はかつての王侯貴族であり、現在の巨大資本家であり、要するに「上級国民」である。官僚は彼らのただの道具でしかない。
ついでにもう一か所引用。多くの企業でも、巨大化すると官僚制的行動様式が生じるのはご存知のとおりだ。で、官僚制とは「組織の統治」の効率化が当初の目的であり、それが「宿命的に」非効率化し、腐敗する、ということが問題のポイントなのである。

「煩瑣な形式主義と繁文縟礼、上長への形式的な忠誠の表明が官僚の行動様式であり、同時に個々の官僚の資格条件となる。専門的能力の吸引、統治業務の効率化という官僚制本来の目的は、これによってその反対物に転化する。業務の渋滞、利権あさり、腐敗、これが官僚制の宿命的随伴物になる。」(同書より)

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