In Deepさんのサイトより
https://indeep.jp/will-we-be-able-to-live-in-japan-in-2025/
<転載開始>


この世界、この日本

人口削減計画というような表現がよくなされていたことがありますが、「計画」という言葉を排除すれば、主要国の人口は現実として着実に減っているわけで、そして、もはやこの減少は不可逆的です。


その中でも、日本は人口動態に関して、特に危機的な状況です。


そんな中で、以下の記事を書いたときにはじめて知りましたけれど、厚生労働省は昨年、「人工中絶薬」を承認していました。


「日本初の中絶薬の承認が日本の人口減少をさらに加速させる」という米サイトの意見記事。そして日本にも数多くの中絶推進団体があることを知る
 地球の記録 2024年5月1日


ここで翻訳した記事は、アメリカのカトリック系サイトで、もともと強く中絶に反対しているメディアではあるのですが、


「日本の人口減少がこれでさらに加速してしまうのではないか」


というようなことを記していました。


出生数が著しく減っているのは、日本に限った話ではないですが、それでも日本はまた激しいです。


(中略)


出生数の減少に関しては、2021年以降に加わった理由を考慮すれば、もはや「世代が完全に変わる」くらいしか、回復の見込みはないと思いますが、ともかく、いったん全部リセットされなければ変わらないとは思われます。


また、日本が「大量外国人移民の時代に入った」という海外のメディアの記事をご紹介させていただいたこともありますが、その記事には、以下のようにあります。


 


> 日本は、2040年までに 1,100万人の労働者不足を補うために少なくとも年間 64万7,000人の労働年齢移民が必要だ。


 


あと、10年もすると、人口の 10%ほどが外国人になるということを、政府は目指しているようです。


私自身は、外国人に特に偏見も何もないですが、しかし、どこまでいっても、「彼らが最も愛している国が日本」ということにはならないでしょう。


それぞれの人々が、自分の生まれた国を一番愛し続けるはずです。


 


もちろん、かつてのアメリカのように、「大量の移民が国を発展させた例」はあります(その利益の多くは「頭脳」と「スキル」でした)。そして、今度は「それが流出していった時」に、国家の決定的な衰退が起きるのが普通です。


以下は、2014年10月26日のディーガルの文章からです(最近見るとディーガルではなく、ディーゲル / deagel なんですよ。私が最初から勘違いしていたのですかね…。不思議です。)


ディーガルの2014年10月26日の文章より


米国が今後入るプロセスを理解するための重要な要素は移民だ。過去、特に 20世紀において、米国が巨大な地位に浮上することを可能にした主な要因は、信用拡大を支える人口動態の拡大と米国に利益をもたらす世界の他の地域からの頭脳流出という恩恵を伴う移民だった。


西側の金融システムの崩壊は国民の生活水準を一掃すると同時に、証券取引所や年金基金などのポンジスキームを終わらせるだろう。


国民はあらゆる種類のバブルとポンジスキームによってひどく打撃を受け、波及効果によって移民エンジンが「逆加速」して働き始め、それが国家の終焉につながるだろう。米国にとってこの目に見えない状況は、経済に前例のない壊滅的な影響をもたらすカスケードパターンで発展するだろう。


https://archive.md/nAHJK


今後の日本への大量移民には、ここにあります、過去にアメリカを大国にした「頭脳流出(流入)という恩恵」はあるのだろうかという話も含みます (ほぼないと思います)


アメリカの崩壊はともかく、その前に、日本がはるかに危うい状態になっていることが、次第に明らかになっています。


 


最近、アメリカの投資家で作家のマイケル・ウィルカーソンという人が、日本についての記事を寄稿していました。


彼の書いていることがすべて正しいかどうかはともかく、こういう見方をするアメリカ人は多く、そして、すべては正しくないとしても、大筋では正しいとも言えそうです。


そこに先ほど書きました「日本の人口動態の壊滅的な状況」の問題があります。


国家のシステムは、国の人口動態に応じたシステムとして築き上げられていくものです。


それがあまりにも急速に変化してしまうと、維持することができなくなります。


思っているほど安泰の時代は長くないかもしれません。


マイケル・ウィルカーソンさんの記事をご紹介して締めさせていただきます。

日本の状況は米国に対しての警告となっている

Japan’s Warning for America
Michael Wilkerson 2024/05/01



先週、日本の自国通貨の円が米ドルや他の世界通貨に対して急速に下落し、最低水準を記録した。これは金融市場やその他の観察者の注目を集め、一部の地域ではパニックを引き起こした。


かつては偉大な国であった日本が、今ではますます「アジアの病人」とみなされ、通貨と金融市場の危機の瀬戸際にあるのではないかという懸念が続いている。


日本が世界の羨望の的となったのは、それほど昔のことではない。日本の戦後復興とその後の経済発展の奇跡は、1980年代までに米国に次ぐ世界第 2位の経済大国を生み出した。


多くの日本の多国籍企業は、その成長、効率性、経営規律のおかげでビジネス界から賞賛された。国家と大企業は、一見止められない構図の中で緊密に連携していた。現金と自信に溢れた日本企業と投資家は積極的な拡張主義を掲げ、米国やその他の地域で市場シェア、トロフィー資産、資源、事業を獲得した。


今日の中国に対する懸念と同じように、当時は日本が世界経済のリーダーとして米国を追い越すのではないかという懸念が蔓延していた。


しかし、この「日本が世界経済のリーダーなる」という懸念には根拠がなかった。 「株式会社ジャパン」は欠陥のある基礎の上に建てられた家だった


過度に緩和的なイージーマネーは、金融セクターおよび企業セクター全体にわたる高いレバレッジとともに、大規模な株式市場と不動産バブルを促進し、最終的にそのバブルは 1990年に崩壊した。


この暴落は、日本が 30年経っても回復することのない不況につながった。問題は、なぜそうなったのかということだ。


ここに米国にとっての教訓がある。


破綻した金融企業や産業企業に対する政府の度重なる救済により、日本の危機は永続化している。日本の指導者や政策は、創造的破壊のプロセスを繰り返し阻止してきたが、もし、(そのようなことはせずに)そのまま放っておいてシステムを浄化していれば、起業家精神と経済活力に大きな刺激となっていただろう


しかし、日本のシステムは資本主義を機能させるどころか、この国を一世代にわたる停滞に運命づけた。


その結果、日本は弱い経済成長、購買力の低下、ますます低下する生活水準、国際社会における威信と影響力の喪失、そして島国であるために資源が圧迫していること、そして高齢化という 3つの「失われた 10年」に耐えてきた。


現在、日本は政府債務の対 GDP比が 264%と世界最高となっている。日本の銀行は、過去数十年間の過剰債務から残された巨額の負債を一掃するためにバランスシートを再構築していないため、成長も融資もできず、ゾンビのように歩いている。


日本銀行は日本の GDPの 127%に相当する国債およびその他の資産を保有しており、これは世界の中央銀行の中で最も高い比率だ。このポートフォリオにより、2023年の 6か月だけで日銀に 700億ドル(約 10兆8000億円)を超える含み損が発生した。


2021年からわずか 3年間で、日本円は対米ドルで 30%以上下落した。2008年から 2009年の世界金融危機以来、円は金(ゴールド)に対する価値の 75%を失った。


日本は輸入に大きく依存しているため、この購買力の喪失は日本人の生活水準の大幅な低下に直接つながっている。理論的には、日本は金利を引き上げることで円を支援することができるが、これは政治的、金融的、財政的に不可能だ。


数十年にわたる金融緩和政策が、この遅々として進まない列車事故の主な元凶であり、原因となった


米国と欧州連合が独自の金融緩和政策を終了してから約 3年後、日本銀行は今年 3月に利上げを開始したばかりだ。日銀が利上げを行うのは 2007年以来初めてで、公定金利をマイナス圏から脱却する措置となった。それにもかかわらず、インフレ率は現在 2%に近づいており、短期政策金利がゼロ〜 0.1%ということは、実質金利がマイナス 2%程度にとどまることを意味する。


これは日本の家計への「追加税」として機能し、明日に備えて貯蓄するのではなく今日の支出を促すことを目的としている。


日銀と銀行システム全体が破産の瀬戸際に立たされている。 2008年の金融危機と新型コロナウイルス経済閉鎖の影響を受けて、日本の老朽化した金融システムを存続させられたのは、日本の 10年にわたるゼロ金利政策だけだ。


日本には、債務返済コストを大幅に上昇させて損失を爆発させることなく、名目上ゼロ限度を超えて自国通貨を支援するために金利を引き上げる余裕はない。そうなると、不安定なシステム全体が機能不全に陥ることになる。


経済が成長すれば負担は軽減されるかもしれないが、日本経済は瀕死の状態にある。


多額の負債の下で有意義な成長は不可能であるため、これは驚くべきことではない。第3四半期の GDPは 0.8%縮小し、第4四半期には 0.1%の成長を見せた。


このようにして日本はテクニカル的な意味での不況(2四半期連続のGDP減少)からかろうじて免れたものの、金融危機と新型コロナウイルスによる世界的ショック後の回復期の2四半期を除けば、日本は 20年以上 2%を超える GDP成長率を記録していない。


日本はゆっくりと進む人口動態の災害を代表する国でもある。


日本の人口中央値は世界の主要国の中で最も高齢であり、出生率は 1.37と最も低い。日本の出生率は 40年間にわたり最低人口置換率(人口を維持できる出生率)の 2.1を下回っており、これはこの国が高齢化と経済生産性の低下を同時に進行していることを意味しており、これを逆転させるにはおそらく遅すぎる


これはすべて米国に対する重大な警告を意味する。


米国政府は、最大債務国という不名誉な称号をめぐって日本を追いかけている。過剰債務国家は成長できない。


連邦政府債務の対 GDP比は 129%で、この比率は急速に増加しており、米国は現在世界で 4番目に債務の多い国となっている。連邦政府が赤字支出からの脱却を拒否しているため、債務は現在さらに急速に増加しており、その中には 2023年にさらに 1兆7000億ドル(約 264兆円)が追加され、新たな借金で賄わなければならないほか、1兆ドル(約 155兆円)を超える利息負担も必要となる。


この負債とその返済コストは、経済の足かせとなっている。赤字支出とそれを支えるために必要な借入により、民間市場での投資や融資が締め出されてしまう。


少なくとも 2008年の金融危機以降の米国の金融政策は、さらに多くの破産銀行や不採算企業を破綻させるのではなく、自然利子率を大幅に下回る資本コストを補助することで、悪いビジネスモデルと、そうでなければ無価値な投資の資産価値を支えてきた。


2世紀以上にわたって資本主義の旗手であり輸出国であった米国では、社会主義政府の政策が資本主義の国内での機能を妨げている。これは、日本と同じように、最終的には米国の金融市場と経済に干渉するだろう。


米国の競争力を脅かしているのは、近視眼的な金融・金融政策だけではない。


結婚と子どもの重要性に対するアメリカ人の態度の悪化が劇的に方向転換しなければ、アメリカも日本と同じ人口統計上の運命に直面することになるだろう


米国の出生率は少なくとも 2008年から低下しており、2023年には過去最低の 1.62に達した。これは人口置換率を大きく下回っており、したがって持続不可能である。


進歩派は大量の不法移民を正当化するために出生率の低下と人口の高齢化を指摘しているが、これは危険な話だ。


未熟練、未教育、文化的に同化していない何千万人もの移民を米国に呼び込むことは利益ではなく、むしろ社会インフラに耐えがたい負担となり、経済生産性を枯渇させ、合法的国民には耐え難い税金を課すことになる


少なくとも日本はその部分をよく示している。