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徽宗皇帝のブログ

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日本の組合運動の衰退と労働者の低賃金
「分裂勘違い君劇場」の過去記事の一部だが、日本の低賃金の最大の原因は、実は「労働組合」の実質的消滅のせいかも知れない。最初から「組合運動は悪」と思っている人間が大多数を占めたら、組合運動は消えて当然だ。そしてその結果が労働者の低賃金状態の30年以上もの継続である。
まあ、私自身、社会に出た当時は自分は経営者ではなく一労働者のくせに「組合=悪」と思っていたのだが、なぜだろう? ひとつには、「自分の力ではなく、集団の力で何かを得る」ということを嫌がる、若さゆえの傲慢なプライドのせいだったと思うが、まあ、「徒党を為す」ことへの嫌悪は今でも少しある。だからヤンキーや暴走族や暴力団が嫌いなのである。しかし、仕事や社会生活のほとんどは他者との協力が原則なのだから、「群れ」への嫌悪もあまりいい事ではない。問題は、それが無害な集団なのか有害な集団なのかだけだ。

(以下引用)

(8)単独交渉

給与を上げる交渉は、一人でやった方が、賃上げされやすいように見える。
なぜなら、会社としては予算総額が決まっているので、一人だけ抜け駆けして賃上げした方が、その予算を一人で総取りできるからだ。


しかし、社員全員がそう考えて、それぞれバラバラに賃上げ交渉をするため、会社側に各個撃破されてしまう。


実際、賃上げ交渉してくる社員を、見せしめとして潰しにかかる会社は、珍しくない。
「社員の賃金をいくらにするかは、会社側が決めることであって、それ以上の賃金を求める社員は、強欲だ」という理屈で、そういう社員を糾弾するのだ。


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それを見せつけられた他の社員は、怖くて、賃上げ交渉をできなくなってしまうのだ。


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こうして、各人がばらばらに賃上げ交渉することで、賃上げ交渉で得られる期待金額は小さくなってしまう。


社員が一人辞めたぐらいでは、会社はさしたるダメージはない。
だから会社は、一人で賃上げ交渉をしてきた社員を潰すことができる。

しかし、社員全員が協力して賃上げ交渉をやった場合、会社は、全員を叩き潰すことはできなくなる。
社員全員に一斉に辞められたら、会社が回らなくなってしまうからだ。


このようにして、社員が協力して賃上げ交渉をやった場合、市場原理は、機能しなくなってしまうのだろうか?


そんなことはない。


会社が健全に成長していくための資金は確保した後で、残りを、株主、経営者、社員で分配することになる。
社員側が過剰に要求すれば、会社の成長が止まってしまうので、社員自身も将来利益を失う。
このため、きちんと話し合って交渉すれば、株主、経営者、社員の取り分は最適化される。


社員の給与が低すぎる競合他社がいる場合、競争に負けてしまうのでは?


そんなことはない。
その場合、たとえ社員が団体で交渉しても、競争に負けてしまうような賃金は勝ち取ることができない。
なぜなら、競争に負けるような賃金に設定すると、会社自体が潰れてしまうので、それは社員の利益にもならないからだ。


結局、社員が団体で会社と交渉しても、ただ単に、「株主や経営者が過剰な利益を手にし、その分だけ、社員の賃金が不当に下がる」ことを防ぐという結果になるだけである。


もちろん、これは、社員側がバカではないということを前提としている。実際には、無理な要求をするバカな労働組合のせいで衰退した会社はたくさんある。
しかしそれは、全ての労働組合がバカだということの根拠にはならない。会社側と共存共栄している労働組合の方が、むしろ、ずっと多い。





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