In Deepさんのサイトより
http://oka-jp.seesaa.net/article/412336443.html

<転載開始>

タイトルの「第三次世界大戦が侮辱画から始まるとは誰が想像しえたか」というフレーズは、最近、ネット上の掲示板で見かけた日本語の書き込みです。

世界中で似たような想いを持つ人たちは多いらしく、どちらかというと陰謀系の英語サイトでそのような主張のサイトを数多く見かけます。

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Story Leak


私は、上の記事を少し読んで、下のような手紙が存在している(と言われている)ことを知りました。内容が私にはなかなか難解でして、正確ではないでしょうが、おおよその内容ということでお読み下されば幸いです。




Albert Pike and Three World Wars
Three World Wars ThreeWorldWars

南北戦争時の南部連合将軍アルバート・パイクが 1871年8月15日に書いたとされる手紙の「第三次世界大戦」に関しての記述


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第三次世界大戦は、政治的シオニストとイスラム世界の指導者たちとの間で、「エージェント」と「イルミナティ」によって引き起こされる両者の意見の相違を利用することによって助長されなければならない。

戦争はイスラム(アラビア世界のムスリム)と、政治的シオニズム(イスラエル)が相互に破壊し合うような方法で行われなければならない。

一方、他の国家においては、この問題に関しての分割は、完全に物質的で、道徳的で精神的で、そして経済的な疲弊などを焦点として戦うことに制約される……。私たちは、無神論者と無政府主義者(アナーキスト)を開放してやる。

そして、私たちは、無神論が野蛮と最たる流血の混乱の起源であり、明らかに国家に恐ろしい社会的大変動を引き起こすものだと人々を扇動しなければならない。

次に、そこら中にいる市民たちに、世界の少数派の革命家たちから市民各々が自らで守ることを義務づけることによって、市民たちは文明の破壊者たちを駆逐するだろう。

そして、群衆はその時に、何の指示も方向性も示さず、観念的な心配をするだけの理神論のキリスト教に幻滅を感じるだろう。しかし、崇拝を描き出す場所を知らなくとも、教義の普遍的顕現を通じて、ルシファーの真の光を受け取ることが、公共の視点にもたらされるだろう。

この徴候は一般市民たちの反動的な動きの結果として現れる。

そして、キリスト教と無神論の両方を破壊する動きに続くだろう。共に征服され、この世から消滅するのだ。




ここまでです。

上の写真のアルバート・パイクという人は、Wikipedia によりますと、
アルバート・パイク( 1809年 - 1891年)は、南北戦争時の南部連合の将軍。

秘密結社フリーメイソンに所属していたと言われている。「メイソンの黒い教皇」とも呼ばれている。古代や東洋の神秘主義を研究して、構成員を増やした。

また1871年、イタリアのフリーメイソンのジュゼッペ・マッツィーニ(イタリア建国の父)に送った手紙には、第一次世界大戦と第二次世界大戦、更に第三次世界大戦についての計画が記されていたという説が陰謀論者の間で広がっている。
という人だとのこと。

冒頭に記しましたのは、Wikipedia の記述にもあります 1871年に、イタリアの建国の父と呼ばれる人に書いた手紙の内容とされているものの中での「第三次世界大戦」の部分です。

上の Wikipedia に、

> 計画が記されていたという説が陰謀論者の間で広がっている。

とありますように、この手紙の内容が正しいものかどうかは多分誰にもわかりません。というか、手紙の存在自体の真偽がまずわかりません。

ただ、このアルバート・パイクという人が、フリーメーソンであることは、上に載せました写真で、フリーメーソンの正装をしていますので、そうだったのだと思われます。

というか、この人は、「トップか、それに準じた地位の人」だったのでは?

フリーメーソンは 33階級となっていて、そのトップが「最高大総監」という名の役職だったと記憶していますが、写真では、胸に「 33 」の数

そして、フリーメーソン - Wikipedia に、「最終階級の最も偉大な監察官」の装飾品だという、双頭の鷲のシンボルをいくつか付けています。

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なお、Wikipedia によれば、 33階級(最高大総監)は功労者に与えられる名誉階級だそうですので、トップかどうかはわからなくても、かなりの高位にいたと考えられます。

それにしても、フリーメーソンの教義はよく知らないですけれど、

「無神論者とキリスト教の双方を消滅させる」

というようなことを書いているというのは、残るは「あちら」ですかね。




誰が扇動し、誰が何に向かって扇動されているのか

真偽はわからないながらも、この人が書いたとされるこの手紙の内容には、たとえば、
戦争はイスラムと、政治的シオニズムが相互に破壊し合うような方法で行われなければならない。
とか、
そこら中にいる市民たちに、世界の少数派の革命家たちから市民おのおのが自らで守ることを義務づけることによって、市民たちは、文明の破壊者たちを駆逐するだろう。
というのは、先日のパリの襲撃事件と、それ以降の「数百万人の」フランス国民と世界の動きを思い出させるところです。

もちろん、先日のパリの事件の本当の実行者の背景はわからないままですが、911と同様に、形としては「イスラム 対 西洋社会」というようなことになっているように見えます。

そして、その後がまた……。
銃撃された仏紙、最新号表紙にムハンマド風刺画
AFP 2015.01.13

先週、仏パリにある本社がイスラム過激派の男らに銃撃された仏風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)が、14日に発行予定の銃撃後初となる最新号の表紙で、「すべては許される」とのメッセージの下で「私はシャルリー」と書かれたカードを掲げながら涙を流すイスラム教の預言者ムハンマドを描いた風刺画を掲載することが分かった。

同紙は、発行に先立ち表紙をメディアに公開。

「生存者号」と銘打ったこの特別号の発行部数は300万部で、諸外国から引き合いがあったことから16言語に翻訳され、25か国で発売される予定。

と、またも、ムハンマドの風刺画を載せて発行するようなのです。

それにしても、「発行部数 300万部」に対して、どう言えばいいのか。

たとえば、世界で最も売れている雑誌は、アメリカの英字ビジネス誌フォーチューンですが、これの発行部数が 100万部。

フランス人はデモ行進に 370万人参加していたわけですから、300万部は、さばける部数なのでしょうけれど、通常のシャルリー・エブドの発行数は、 Wikipedia によれば、「4万5000部とのこと。

それが今回は 300万部と、数十倍近い増刷となるようです。

しかも、上に「 16言語に翻訳され、25か国で発売される」とありますが、時事通信によりますと、

> アラビア語とトルコ語版も作成すると発表した。

ときたものです。

挑発してどうする・・・。

「追悼」は(彼らにとっては)必要かもしれなくとも、「挑発」が必要とは思えません。
別の形の風刺画で十分に追悼の気持ちは表現できるはず。

パリの襲撃事件のことは、先日の、

満開する軍事カオス:サウジアラビアの大雪報道から辿り着いたタイ軍による「子どもたちへの武器開放日」。そして世界的「扇動」の始まりの予兆
 2015年01月12日

でも少し書きましたけれど、フランス側がさらに強い対応をとると、相手(基本的には相手は不明ですが、一応、「イスラム教のジハード主義関係者」と、バーチャルな仮定をしておきます)もさらに強い対応をとってくることは明らかなはずです。

上の記事に、作家の山本七平さんの 1974年の著作『ある異常体験者の偏見』から、「扇動の方法」について、
原則は非常に簡単で、まず一種の集団ヒステリーを起こさせ、そのヒステリーで人びとを盲目にさせ、同時にそのヒステリーから生ずるエネルギーが、ある対象に向かうように誘導するのである。
今、フランスや国民(の一部)や、ある種の人々がこの状態( 911の後のアメリカ国民の一部とある種の人々もそうでした)の中にあることは間違いなく、そこに、フリーメーソン最高位くらいだったアルバート・パイクが書いたとされる、
そして、私たちは、無神論が野蛮と最たる流血の混乱の起源であり、明らかに国家に恐ろしい社会的大変動を引き起こすものだと人々を扇動しなければならない。
の「無神論」を「イスラム教過激派」などに置き換えれば、そういう状態にさえ入りつつあるかのようにも見えます。

そもそも、フランスの首相自身が、国会で下のようなことを述べています。

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▲ 2015年1月14日の毎日新聞 仏首相:「テロとの戦争に入った」…治安強化を表明 より。


今、全世界で起きている「女性や子どもを人間爆弾にしての自爆テロを強要していること」だとか、あるいは、フランスでは、昨年以来、「原子力発電所に『正体不明の無人機』が飛来し続ける」というようなことも起きていて、いろいろと不穏で不安な要素だらけの時に、こういうことを言ったり、風刺画を再度発表したり……。

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▲ 2014年11月10日の記事「フランスの原子力発電所に「正体不明の謎の無人機」が飛来し続ける中、メキシコの原発上空にも謎の無人飛行体が出現」より。


もちろん、今回のような「挑発」とか「扇動」が、そのまま大きな戦争につながるというものではないでしょうけれども、フランス側の挑発的な態度と、そして、「必ず」報復に出るであろう正体のわからない敵との泥沼が、そう簡単に収まるとも思えないのも事実です。

サイバーの世界では「聖戦」が始まってますしね。

フランスでは、数百件のウェブサイトがイスラム主義者を名乗るハッカーたちに乗っ取られ、アメリカ中央軍のツイッターと YouTube のアカウントが「イスラム国」を名乗る組織に乗っ取られたりしています。

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▲ 2015年1月13日の AFP 仏で「サイバー聖戦」相次ぐ、サイト数百件が乗っ取り被害 より。


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▲ 2015年1月13日の NHK 米中央軍に「イスラム国」がハッキング より。


ああ……ダメだ。

この記事を書いていて、さきほどからずっとなんですが、実は今日、「めまい」がひどいのです。




「表現の自由」と「異論を許さない空気」の中で

本当は書きたかったことはもうひとつあって、フランスが口にする「表現の自由」という概念についてなのです。しかし、今はめまいでどうもフラフラでして、書きたいことを全部書くのは無理そうです。

1月13日の THE PAGE の「イスラムを侮蔑する風刺画、どこまで許される?」徳山喜雄という記事の「異論を許さない空気が蔓延」という見出しのセクションに、フランスの歴史人類学者のエマニュエル・トッド氏という方の以下の言葉が載せられています。
「私も言論の自由が民主主義の柱だと考える。だが、ムハンマドやイエスを愚弄し続ける『シャルリー・エブド』のあり方は、不信の時代では、有効ではないと思う。移民の若者がかろうじて手にしたささやかなものに唾を吐きかけるような行為だ。ところがフランスは今、誰もが『私はシャルリーだ』と名乗り、犠牲者たちと共にある」

「私は感情に流されて理性を失いたくない。今、フランスで発言すれば、『テロリストに、くみする』と受けとめられ、袋だたきに遭うだろう。だからフランスでは取材に応じていない。独りぼっちの気分だ」
扇動に巻き込まれない人は、この方のように「独りぽっち」になってしまうわけですが、それでも、これからの時代というか、特に今年と来年は、この方の言う、感情に流されて理性を失いたくない」という考えを保つことは、とても大事なことだと思います