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徽宗皇帝のブログ

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日本文化の根と「カオナシ」

孔徳秋水さんは、時々、私の心の琴線に触れる言葉を書くから、その民衆侮蔑や、「天皇陰謀論」には辟易しながらも、彼のツィートは私にとっては有益な思索のネタになる。
下の、一連のツィートもその一つで、私もまったくその通りだと思う。天皇(制)を支持する私ではあるが、天皇の起源を言えば、あらゆる政治権力同様、「勝者が戦利品を維持し、さらにそれを肯定、正当化するために、武力による威嚇とイデオロギーを……利用して」作ってきたものだろう。(「諸刃の剣として」という比喩は、「相手だけでなく、自分にも害を及ぼす可能性のあるもの」という意味で使うのが普通だろうから、ここでは不適切かと思う。)
しかし、私は、「権力は存在せざるをえないものだ」と思う。ならば、それが「良い権力の使い方」であるかどうかだけが問題なのであり、権力の行使によって人民が全体として平和と安寧と一定の幸福を得られるならば、その権力者は全否定されるべきものではない。天皇(制)を否定する者が否定している天皇(制)とは、おそらく明治から太平洋戦争までの「神格化された天皇」ではないか。
それは、「日本国憲法」発布によって、とうに終わった話ではないか。ならば、「現在の天皇(制)」つまり「象徴としての天皇」を否定するのはなぜなのか。
おそらく、現在の日本国民の大多数は、「権力を持たない天皇なら、いてもいなくても構わないだろう。ならば、天皇家維持のために無駄な税金を使うより、象徴天皇制も無くしてもいいのではないか」という程度にしか考えない人も多いのではないか、と思う。
だが、はたしてそうだろうか。
日本の歴史は天皇とともにあったことは疑いようのない事実だ。仮に、日本という国の文化や伝統に日本人としてのアイデンティティを持つのであれば、天皇(制)を無くしていい、という発想は出て来ないだろう。無くすのは一瞬でできる。だが、それは2000年近い日本の歴史を捨てることに等しい、と私は思う。その後にできるのは、「新日本人」になるだろう。
では、その「新日本人」とはどんな存在なのか。私には、文化的な根を持たない、「カオナシ」(「千と千尋の神隠し」)、つまり、欲望のみを動機とし、金を生存手段として利用するだけの異様な生物しか生まれないのではないか、としか思えない。日本に根が無いから、能力しだいではどこへでも行ける「国際人」にはなるだろう。だが、世界中に「カオナシ」がはびこった社会とは何か。そんな世界では、新しい、より悪い「強者による弱者の搾取」が行われるだけのことではないか。もちろん、搾取される側も「小カオナシ」である。虫と虫が食い合う社会だ。
日本の文化の中に育つからこそ「もののあはれ」を知る日本人になるのである。そして日本の文化の根には天皇という存在がある。
話が散漫になったが、人間は「過去に吸収した情報の集積体」であり、日本人としての教育や環境(特に言語的環境)を受けて育つから日本人になるのである。歴史もその情報の一つだ。歴史は、我々の体の中に存在し、現在の自分を形成しているのである。我々は突然に大人としてこの世に生まれたわけではない。文化的環境によって日本人になるのである。その意味では、安倍政権による歴史教育改悪は、これもまた日本を「神格化天皇」の時代に戻そうとする犯罪的行為だが、天皇(制)そのものを捨てることは、それ以上の蛮行だろう、と私は思う。
「象徴天皇」など、いてもいなくてもいい、という考えは間違いである。荘子の「無用の用」ではないが、そこにいるだけでいい、という存在もあるのだ。特に、今上天皇ご夫妻の「護憲」の姿勢が、安部一派の憲法改悪の歯止めになっている現状を見ればなおさらである。


(以下引用)



[11/4 02:56] どこの国でもゴロツキ、詐欺師が富と権力を握っている…まずそういう”常識”を身につけて初めて”市民”であり、”主権者”といえる…
 


  1. [11/4 02:54] > このような研究をしていけば、勝者が戦利品を維持し、さらにそれを肯定、正当化するために、武力による威嚇とイデオロギーを諸刃の剣として利用してきたことが浮き彫りになるであろう。

      

  2. [11/4 02:54] >社会制度とは、始めに既得権益を手にした者たちがその権力を利用し、維持するために、警察、教育制度、宗教団体などを支配することに由来するものであり、それが社会を構成する人々の間の応分の取決めだと考えるべきではないのである。

     

  3. [11/4 02:53] >> 内部事情に詳しい人間や投機家あるいは小搾取者が、土地を独占したり、顧客を経済的困難に追い込んで借金をさせたり、さらには相続税なしで子孫に遺産を譲渡したりすることでいかに優位な立場を築いてきたかという点にこそ、経済の研究の主眼を置くべきだと思う。

     

  4. [11/4 02:53] >彼らが有利な立場を築くことができたのは、社会から土地や他の生産手段を不当な方法で奪取する一方で、司法制度や裁判長の立場を支配してきたからに他ならない。

     

  5. [11/4 02:52] >したがって、軍事的征服者や弁護士、煽動政治家、腐敗した政治家や官僚、財界の詐欺師が、いかに歴史を作り上げてきたかを学ぶことから始める方が得策である

     

  6. [11/4 02:52] >世界が実際にどう機能しているかの研究はなされていない。 世界がどう機能しているかを知らずして、日本を含む正直な国家が、自分達の国を操作し、威嚇し、騙そうとする世界規模の略奪者から自国を守ることはできないだろう。

     

  7. [11/4 02:50] >公費を使い労せずして利益を得ることこそ、最も熟練した経済の勝者が行っていることの本質である。 土地や独占権、その他の資産を実際の価値よりも安い価格で購入すること、しかも自分の存在を可能な限り隠してそれを行うことは、裕福になるための最も確実な方法である。

     

  8. [11/4 02:49] >実世界で行われているのは、「いかに無償で利益を得るか」ということに集約される。 政治内部に入り込むということは結局、何かを無償で獲得するための政治プロセスに加わることによって、社会からただで恩恵を受ける仕組みを作る立場に立つことなのだ。

     

  9. [11/4 02:49] >現実を形成しているのは、武力や他の圧力、または窃盗や詐欺行為なのである。さらに重要なことは、国家の支配によって権力が確立されるということである。 国家支配のためには、不都合な政治ライバルが暗殺されたり、誘拐されたりすることもあり、それに協力した仲間には報酬が支払われる。

     

  10. [11/4 02:48] >同様に、それより7世紀前に行われたイギリスの土地横領では、征服王と呼ばれたウィリアム1世が1066年に英軍を破り、ノルマン人の仲間たちと土地を分割した。それがその後のイギリスの歴史を形成し、また英国議会上院の有権者を決定することになった。

     

  11. [11/4 02:47] >無節操な土地の横領、およびマンハッタンの南端部にあるトリニティ教会の不動産にまつわるニューヨーク市の腐敗によって、その後2世紀を左右する権力基盤が築かれたのである。

     

  12. [11/4 02:47] >米国で最古の富豪の財産が築かれたのは、独立戦争勃発の1775年から1789年に憲法が発布されるまでの十数年間、共和国誕生のどさくさに紛れて行われた土地の横領に端を発している。

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