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徽宗皇帝のブログ

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明文化された「人権」と「無意識の人権思想」
ふと、人権思想はどのようにして発生したのか、あるいは誰が最初に唱えたのかという疑問を感じたので、調べてみた。調べる前に考えたのは、「革命という『事実』が人権思想に優先し、人権思想は革命を正当化するために考え出されたのではないか」ということだった。
革命以前には「王侯貴族の権利」はあっても「平民の権利」は無かったと思う。もちろん貴族や武士でもやたらと平民を殺したりはしなかっただろうが、それは「良識」や「人情」や「打算」によるもので、平民の権利、つまり人間にはすべて生まれながらの権利、人権があるとはまったく思っていなかったのではないか。ところが、革命が起こると、総体的な「権力」を手に入れた民衆は、その権力を正当化する思想として「人権」という思想を発明したのではないか、というのが私の考えだったのだが、公式には下の引用文のように記述されている。
もちろん、「マグナカルタ」が人権思想の出発点だったと言ってもいいだろうが、では、他の国ではそれ以前には人権思想はまったく発生しなかったのだろうか。私の勘では、「人権」として普遍化こそしなかったが、革命を起こした者たちはほとんどが「自分たちと王侯貴族は同じ『人間』であり、つまり同じ権利を持っているはずだ」と考えたと思う。これが「無意識の人権思想」だ、と私は推定する。つまり、「王侯将相いずくんぞ種あらんや」という言葉こそが最初期の「人権思想」だったと私は思う。

(以下引用)



1.人権思想のおこりと発達
 ヨーロッパでは、王権神授説という国王の権力は神から
授けられたもので絶対に侵すことのできないとする思想
があった。
 この思想は
絶対主義とよばれる国王(専制君主)が政治
の権力を独占する政治体制としてあらわれ、16~18世紀
にかけてよくみられた。

 人権思想の最初として、1215年のイギリスで、貴族や僧
によって出された
大憲章(マグナ=カルタ)という文書があ
り、これによって国王は議会の承認なしに新たな課税を
行ったり、国民の身体の自由をうばわないことなどが決め
られた。

 イギリスは議会による政治体制や思想をきずいたことか
ら、「民主主義の母国」といわれている。
人権思想の歴史
 14世紀になると、ルネサンスとよばれるイタリアを中心に古代ギリシャやローマの文化の研究を通じた
自由な人間中心の文化
がヨーロッパに広がり、キリスト教の人類愛の思想と融合して、合理主義と人間
尊重の精神
を人々に根づかせた。

 1517年、ドイツではルターが
宗教改革をおこし、人間は神の前ではすべて平等であるとして、個人の
自由と尊厳を主張した。

 1642年、イギリスでは、王党派と議会派が対立し、
クロムウェルが率いる議会派が勝利し、国王を処刑
する
清教徒革命がおきた。ついで1688年には、議会が国王を交代させる名誉革命(流血を防いだことから
この名前がつけられた)がおき、これらの革命によって
権利の章典が発布され、国王による専制政治を
大きく制限した。

 権利の章典発布の翌年、イギリスのロックが「
市民政府二論」を著し、「人間はすべて平等であり、生命、
自由および財産は生まれながらの権利をもつ」ことと、「国家はそうした権利を守るためにあり、これを阻害
する場合は市民は反抗権をもち、支配者を交代できる」と主張した。

 ロックの思想は、フランスの啓蒙思想に影響を与え、モンテスキューは「
法の精神」を著し、政治は立法と
行政、司法の三権を分立させることを説いた。

 また、ルソーは「
社会契約論」を著し、「人は生まれながらにして自由・平等である」として、自然権の立場
人民(国民)主権を主張した。

 これらの思想は18世紀後半のアメリカ独立戦争やフランス革命に影響を与えていった。

 1775年~83年にかけて、イギリスの植民地であったアメリカは、イギリス本国の絶対主義的な支配に
対して、市民階級が独立戦争をおこし、アメリカが勝利した。その際、1776年に、基本的人権をうたった
独立宣言」が発表された。

 1789年には、フランス革命がおこり、国王の専制政治に対して平民階級が変革をおこした。その際、
人間の自由・平等・博愛といった人権を守る「
人権宣言」が発表された。
2.いろいろな人権
自然権
 人間が生まれながらにしてもっている自由・平等の権利。

自由権
 人間は国家から制約を受けず、また国家からの権力から自由であるという権利で、18世紀までに確立され
たことから、
18世紀的人権とよばれ、身体の自由精神の自由経済の自由の3つに分かれる。

平等権
 社会的差別の解放を目的とした権利で、
貴族制度の廃止男女の平等政治上の平等などがある。

基本的人権
 人類の長年の歴史にわたる自由獲得の努力の成果で侵すことのできない永久の権利。

社会権
 経済的・社会的な不平等をなくす目的とした権利で、すべての人間が人間らしい生活ができることを
もりこんだ権利で
20世紀的人権とよばれる。生存権教育を受ける権利労働者の権利などがある。
 社会権は第一次世界大戦後のドイツの
ワイマール憲法で初めてもりこまれた。第二次世界大戦後には、
第3回国際連合総会で採択された
世界人権宣言では基本的人権を社会権までふくめられた。

基本的人権を守る権利
 基本的人権を国民みずからが守る権利で、
参政権請求権請願権などがある。

新しい権利
 個人がより幸福な生活をするための権利で、
知る権利プライバシーの権利環境権などの新しい権利が
生まれてきている。

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