引用記事筆者の経済的判断力や知識がどの程度のものか知らないが、もともとドイツ経済についての知識や情報が少ない私には参考にはなる。
まあ、ドイツだけの話ではなく、(ドイツが牽引車だった)欧州全体が経済的に沈下していくというのが事実というか、当然の読みだろう。 で、アメリカも沈下し、下手をしたらドル崩壊だというのも周知のことである。とすれば、これからの世界は非欧米諸国が主役となるのは確実だが、偽NATO加盟国(白人の奴隷)の日本はその仲間外れになるわけであるwww
とにかく、欧米のやってきたことは愚の骨頂であり、田中宇の「意図的自滅策」という妄想論を信じてしまいそうであるwww
まあ、欧州の場合は単にユーロ統合によってドイツの一人勝ちになった後、EUの中でほとんど唯一、工業を維持していたドイツが後進国にどんどん追い抜かれ、農漁業などへの援助不足で第一次産業も不振になっただけで、「かくすればかくなるものと知りながら」愚策を続けてきただけである。イギリスのように、金融業でカネ稼ぎをすればいい、という思想が、いかに愚かか分かる。ユダ金の場合は、他者(国家という組織)への寄生で大儲けできたが、国家経済自体はそうはいかない。
(以下「現代ビジネス」ネット記事から引用)
日本のGDP「ドイツに抜かれ4位転落」報道に惑わされてはいけない…!ドイツ経済の実態は日本よりずっとヤバい
実際のドイツ経済はもっと悪い
1月15日にドイツが2023年のGDP統計の暫定値を発表し、これを受けて日本はGDPでドイツに追い抜かれて4位に転落することが確実になったと、マスコミ各社が報じている。例えば朝日新聞は「日本のGDP4位転落、ほぼ確実に ドイツに抜かれる見通し」との記事をアップした。 【写真】これが2024年、プーチンのシナリオ――停戦、大統領選、そして禅譲へ 主流派マスコミの好きな「日本はダメダメ、欧米は素晴らしい」というステレオタイプに沿ったものだが、しかし現状を冷静に見れば、むしろ逆で、ドイツ経済より日本経済のほうがはるかにマシだというべきである。 今回ドイツのGDPが伸びたのは、1)ドイツを襲った激しいインフレによってGDPの名目値が大きく膨らんだこと、2)ユーロ高・円安によって円の相対的な価値がかなり下がったことが大きく影響している。実際、ドイツ連邦統計局が発表したドイツのGDPの暫定値によれば、2023年の実質GDPは前年比0.3%減であり、G7諸国の中で唯一マイナス成長になっている。 ドイツ経済は一方で高インフレに苦しみ、他方でマイナス成長に陥っているわけだが、これはスタグフレーションという、経済的には決して好ましくない状態にあることを意味する。スタグフレーションに苦しんで、実質的な経済成長ができなくなったドイツ経済が、好調であるわけがないのだ。 円安・ユーロ高によってGDPはドイツに抜かされることになったが、10月に発表されたIMFの世界経済見通しでは、日本のGDP成長率は2023年は実質ベースで2.0%だと推定されている。ドイツが実質0.3%縮小、日本は実質2.0%増加であるなら、日本のほうが経済状況は間違いなくいいということにならないだろうか。 さらに言えば、ドイツ経済は0.3%の縮小というGDPの数値よりも、実態としては明らかに悪いと見るべきだ。実質ベースで個人消費はマイナス0.8%、総固定資本形成はマイナス0.3%、政府支出はマイナス1.7%、輸出もマイナス1.8%となっているからだ。 こうして見ると、GDPの縮小は0.3%よりも大きくなりそうなものだが、そこまで落ち込まなかったのにはカラクリがある。それは輸入もマイナス3.0%と落ち込んだからだ。GDP統計では、輸出はプラス項目だが、輸入はマイナス項目だ。マイナス項目である輸入が減るというのは、GDPを引き上げる作用を果たす。 輸入が大幅に減っているのは、一時期凄まじい勢いで高まったエネルギー価格の落ち込みの影響が強いが、国内の経済状態が悪く、輸入品を以前ほど必要としなくなったことも影響していると見るべきだろう。 輸出の落ち込みを遥かに超える輸入の落ち込みがあったために、GDPのマイナスがかなり帳消しになったというのが、そのカラクリだ。したがって実質的なドイツ経済はもっと悪いと見るべきだ。
輸出主導の製造業が脚を引っ張る構図に
このように2023年の実際のドイツ経済は、GDPの数字に表れる以上に悪かったのだが、では今後のドイツ経済は一体どうなるだろうか。 ドイツ経済の大きな柱は輸出だ。GDPに対する輸出額の比率は40%程度もある。したがって輸出環境が良好になるかどうかは、ドイツ経済の先行きを見る上で極めて重要な要素になる。そしてこの点でドイツ経済がさらに厳しくなるのは避けられないと言わざるをえない。 ロシアのウクライナ侵攻により、ロシアからの安価な石油・天然ガスの輸入ができなくなった。特にパイプラインで供給される安価なロシア産天然ガスが使えなくなったことの影響は甚大だ。ロシアのウクライナ侵攻前は、ドイツは国内で必要な天然ガスの65%を、ロシアからのパイプラインによって賄っていた。これが完全に止まってしまったのだ。 さらにドイツのショルツ政権は、これだけエネルギーの逆風が吹いている中でも、原子力発電所の稼働停止を実施した。安価な原子力発電にも全く頼れなくなった以上、ドイツのエネルギーコストはどうしても跳ね上がらざるをえない。 エネルギーコストの上昇は、製造拠点としてのドイツの魅力を大きく低下させることになる。これにより、ドイツから外国へと製造拠点を移していく動きが、今後活発化することが容易に予想されるのだ。 また、ドイツの輸出先の第一位は中国だが、中国経済の低迷が長期化するのは確実であり、中国向けの輸出は今後さらに厳しくなることが予想される。これもまた、輸出主導のドイツの経済成長の脚を引っ張ることになるのは間違いない。 では内需はどうか? インフレに伴って人件費の引き上げも行われてきたが、これによってインフレがさらに長引くという悪循環に、EU経済は落ち込んでいる。このため、欧州中央銀行(ECB)は高金利政策を継続させている。一応、4.5%に達した政策金利はすでにピークを付けたと見られ、これ以上の利上げには踏み込まない方針ではある。 そうなると今後の利下げが焦点になるが、ECBのラガルド総裁は早期の利下げについては慎重な姿勢を見せている。2023年12月のユーロ圏の物価上昇率は11月の2.4%から2.9%へと8ヵ月ぶりに上昇に転じ、再びインフレが加速する可能性も見えてきたきたからだ。
高金利が続く中で内需の好転は見込めない
ダボス会議に出席したラガルド総裁は「過度な(金融緩和)期待はインフレとの戦いに役立たない」として、今年の利下げ期待が広がってきたことに警戒感を示した。レーン専務理事も「利下げを議論するのは時期尚早」だと述べ、シュナーベル専務理事も物価2%の安定目標に向けて「政策金利を景気抑制的な水準で据え置く」と発言した。 景気抑制的な金利水準とは、景気を悪化させるような金利水準であり、高金利を意味する。高金利のまま据え置くと、シュナーベル専務理事は述べているのだ。 オーストリア中銀のホルツマン総裁に至っては「2024年は利下げを当てにすべきではない」とまで踏みこんだ。 このようにECBの中では利下げに対して慎重な姿勢が圧倒的に優勢で、早期の利下げを予想する発言はポルトガル中銀のセンテノ総裁くらいに留まっている。 しかしこのまま高金利が続くとすれば、個人消費にしろ、住宅投資にしろ、設備投資にしろ、圧迫され続けていくのは避けられない。そうなると、内需についても今後かなり厳しいことが予想される。 さてドイツ政府はこれまで、新型コロナウイルスのパンデミックと、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰に対処するため、財政赤字を対GDP比0.35%以内に抑えるとするルールを緩めて、経済の痛みを和らげる政策を採用してきた。 しかしながらこうした処置は昨年で終了し、今年からはかなり厳しい緊縮財政へと転換することになっている。政府が緊縮財政に転じれば、経済活動が低調になるのは避けられないだろう。 ショルツ政権にとってさらに衝撃的な事態が発生した。2021年に新型コロナ対策費として計上した2400億ユーロのうち、未使用分の600億ユーロについて、ショルツ政権は、気候変動対策基金の財源に付け替えていた。2021年の補正予算で、この付替えについては議会で認められており、ショルツ政権としては何も問題はないと考えていた。 しかしながら11月にドイツの憲法裁判所は、新型コロナ対策費を全く違う気候変動対策基金の財源にすることは不適切で、さらに複数年度に渡って流用できるようにするのは、財政規律や財政手続きに反していて、違憲だという判断を下したのだ。
各種補助金の廃止に不動産バブルの崩壊
この憲法裁判所の判決を受けてドイツ政府は、各種補助金の打ち切りを打ち出した。 電気自動車の補助金が打ち切られたことで、今後ドイツにおける自動車の購入にはブレーキが掛かることが予想される。2024年3月まで延長を決めていた電気料金やガス料金に対する補助も廃止せざるをえなくなった。これにより、エネルギーコストの上昇は避けられない。 ディーゼル燃料購入に関する補助金も、段階的な引き下げを経て打ち切る方針となった。これには農民たちが激しく怒り、首都ベルリンのブランデンブルク門におよそ8500人の農業関係者と6000台を超えるトラクターが集結して、政府の方針に激しく抗議する事態が生じた。 農民たちが補助金削減による生産コスト上昇分を価格転嫁するとすれば、インフレを招くだけでなく、確実に経済を下押しすることになるだろう。 さらにドイツの不動産市場のバブルが崩壊してきているところにも要注目だ。2022年の途中から、ドイツの住宅価格は前年比でマイナスに転じ、最近はマイナス幅が10%を超えるようになっている。 ECBの高金利政策が続く中で、不動産価格の低迷はこれからも続くことになるだろう。高金利に苦しめられていることもあって、ゲルヒ、ユーロボーデン、プロジェクト・イモビリエン、シグナなどの不動産会社の破綻も相次いでいる。 輸出環境の悪化、高金利の継続、各種補助金の廃止、不動産バブル崩壊などにより、ドイツ経済が今後も相当な痛みを味わうことになるのは間違いない。これがGDP3位に浮上したドイツ経済の現実なのだ。
朝香 豊(経済評論家)
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