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徽宗皇帝のブログ

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社会は「正しい行動をする若者」を求めている
「かっちの言い分」所載の信濃毎日新聞社説を転載。

 諏訪郡原村出身で、大学3年生の小倉万穂さん(21)は、秘密法に反対する学生有志の会に関わった。今は時間があればシールズの活動に参加する。ネット上の批判は気にしていない。

 「戦争が嫌なのに嫌だと声に出さないのは自分にうそをつくことになる。皮肉なことだけれど、安倍政権のおかげで立憲主義とか、憲法の大切さとかを知ることができた」と話す。



まさに、安倍政権は、皮肉にも日本に本当の民主主義を誕生させるきっかけとなるのかもしれない。
なお、デモ参加などが就職に不利になると不安に思う学生に言っておく。どうせ、若者の過半数が非正規雇用である社会で、何をびくびくしているのだよ。
大企業すら常に倒産の可能性がある、というのが今の世の中だし、官公庁だって民間より多少安定しているだけのことだ。ならば、自分が正しいと思う行動を勇気を出してやるのが、「気が飢えない」で気持ちがいいだろう。そうした人材をこそ評価する会社もあるだろうし、無ければ自分が起業すればいいのである。
世界から安い労働者を集めよう、というのが政府方針なのだから、日本人の若者が今後優遇されるということは絶対にない。要するに、安全確実な未来など無いのだから、思い通りに大胆に生きるのが最良なのだ。そして、社会が評価するのは我が身可愛さで卑劣な行為をする(というより、何もしない)若者ではなく、「正しい行動をする若者」なのである。
「正しい行動」とは、社会全体の幸福を増進することに寄与する行動のことだ。それが結果的には自分自身の幸福をも増進することになる。逆に、自分の利益だけを追求する行為は、他人から軽蔑され嫌悪され、没落を招くのがオチである。


(以下引用)



信濃毎日新聞 社説
あすへのとびら 若者と安保法制 声出す姿に希望がある 08月02日(日)

http://www.shinmai.co.jp/news/20150802/KT150801ETI090003000.php

 「憲法守れ」「戦争するな」「民主主義って何だ」…。

 マイクを握った若者のリズミカルなコールに、デモの参加者が大声で応じる。まるでサッカーJリーグの応援をしているような熱気と盛り上がり方だ。

 政府が5月に安全保障関連法案を国会に提出して以降、社会の各界各層で反対運動が広がりを見せている。中でも若者が活発に動いていることが目を引く。

   <行動の原点は3・11>

 その中心的な役割を果たしているのが、首都圏の学生らでつくる「SEALDs(シールズ、自由と民主主義のための学生緊急行動)」だ。毎週金曜日、国会の前で抗議行動を続けている。他の市民団体とも連携して集会を開くなど存在感が高まった。

 ネットを駆使してメッセージを発信し、仲間が増えている。関西や東北地方の学生らも同じ名前のグループを立ち上げた。

 東京の日比谷で先月下旬に開かれた市民集会。シールズのメンバーで、大学4年生の元山仁士郎さん(23)は若者を代表してステージに立ち「政治に言い続けることで変えることができる。声に出していこう」と訴えた。

 米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市で生まれ育った。米軍機の騒音は日常生活の一部で「仕方ない」と思っていたという。そんな意識を変えたのが、4年前の東日本大震災による福島第1原発の事故だった。

 住み慣れた故郷を追われ、生活基盤を失うなど、人間の尊厳が踏みにじられる実態を知った。米軍基地の過剰な負担を強いられている沖縄の現状と重なった。

 反原発デモに参加したのをきっかけに政治への関心を深め、特定秘密保護法に反対する学生有志の会の結成に加わった。安倍晋三政権が憲法解釈を一方的に変えて集団的自衛権の行使容認に踏み切ったことに危機感を募らせ、シールズへと発展させた。

 シールズのホームページを開く。「私たちは、立憲主義を尊重する政治を求めます」とのメッセージが載っている。

 続いて、立憲主義は国家権力の暴走で個人の自由や権利が奪われないよう、憲法が政府の権力を制限する考え方であることを説明。安倍政権がその逆を向いていることを指摘している。

 「若者の日常と政治との乖離(かいり)を埋めていきたい」。元山さんは活動の目的をこう語った。

 安保政策の転換、原発を含めたエネルギーの行方、社会保障、雇用…。安倍政権下で問題になっている政治テーマは若者の将来を左右するものばかりだ。来年の参院選からは18歳以上に選挙権年齢が引き下げられる。

 希望が描きにくい時代にあって、シールズは多くの人の心をつかみ、影響を与えている。

 県内の若者有志でつくる「僕らが主権者って知らなくて委員会」は先月下旬、長野市内でデモ行進した。シールズに共鳴し、コールの仕方もお手本にした。

 若者の政治意識はこのまま高まっていくのだろうか。

 内閣府が昨年公表した日本を含む世界7カ国の13~29歳の男女を対象にした意識調査では「自分の参加で社会が変えられるかもしれない」と前向きに考える若者の割合は日本が最も低かった。

 若者の政治への無関心、選挙離れが言われて久しい。政治的な活動をすると将来に影響すると考える学生も少なくない。

 シールズが注目されるようになってからネット上ではデモに参加すると就職に不利になるといった投稿が載るなど、不安をあおるような事態も起きている。

 諏訪郡原村出身で、大学3年生の小倉万穂さん(21)は、秘密法に反対する学生有志の会に関わった。今は時間があればシールズの活動に参加する。ネット上の批判は気にしていない。

 「戦争が嫌なのに嫌だと声に出さないのは自分にうそをつくことになる。皮肉なことだけれど、安倍政権のおかげで立憲主義とか、憲法の大切さとかを知ることができた」と話す。

 授業に加え、アルバイトも忙しい。学生生活と折り合いを付けながら、どう政治に異議申し立てを続けるか、手探りしている。

   <しっかり支えたい>

 社会のありように疑問を感じながらも、自分の将来や学業、生活のことで悩み、試行錯誤している若者は多いはすだ。シールズのような活動が一過性で終わるか、新しい形の社会・政治参加の仕方となっていくか、今はその分岐点といえるかもしれない。

 国民の声が反映されず、風通しの悪い政治状況に声を上げ始めた若者をしっかり支えていきたい。若者の声を社会が受け止めてこそ希望が見えてくる。

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