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徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

米国の7月に注意
「MUのブログ」経由で転載。
田中宇は(もと共同通信社員だっただけに)、基本的に表マスコミに載った情報を中心にしながら、しかし御用マスコミとは違う視点で世界情勢を分析するタイプである。表マスコミにも正しい情報が無いわけではなく、むしろ、えっと思うような情報も結構流れてはいるのだが、それらはあまり重要でない情報のカモフラージュをして流されたり、信頼できないソースであるかのように扱われているだけだから、表マスコミ情報だけを頼りにしても、ある程度は世界の真実に迫ることは可能だろう。
フリーになった今では、共同通信にいた頃には言えなかったこともある程度自由に言えるようになっただろうから、彼をその出自だけで否定的に見るべきではないと思う。(共同通信をユダ金御用達通信社と見るのは私だけかもしれないが。)実際、なかなか貴重な発言も多いのである。下記記事での、中国とロシアが米国債を売却した、という話は私には初耳だったし、しかもそれで米国債の金利にほとんど影響が無かった理由として、FRBがベルギーの名前を借りて米国債を大量購入した、という推理をしているのは見事だと思う。
同じ「MUのブログ」の記事前半では、リンゼイ・ウィリアムズとかいう人物が、7月に米国の金融危機(あるいはドル暴落)が発生すると言っているとかいう話もあるが、これは増田俊男も同じ趣旨の発言をしている。同じ情報源かもしれない。いずれにせよ、米で金融危機やドル暴落が起これば日本も無事では済まないのだから、ここしばらくはいろいろな情報に注意しておく必要がありそうだ。直接的には貧乏人にはあまり関係もない話ではあるが、1929年の恐慌の再現となれば社会の末端まで影響はあるわけだ。いや、貧乏人ほどより悲惨な目に遭うだろう。




(以下引用)


金融世界大戦の実態(田中宇氏)

米連銀は、08年のリーマン危機以来、部分的凍結状態が続く債券市場を下
支えするため、昨秋まで毎月850億ドルずつドルを刷って米国債を買い支え
るQE3(量的緩和策)をやっていたが、ドルの過剰発行による悪影響が懸念
されたため、毎月の米国債買い支えの額を、昨年末から650億ドル、今年3
月から550億ドル、5月から450億ドルに減らす縮小策を続けている。

QE縮小の中で、ロシアが1千億ドル前後の大量の米国債を売却(または移動)
したことは、一時的な米国債の金利高騰(価値下落)を招いても不思議でなかっ
た。だが実際には、米国債の金利はほとんど動かなかった。

連銀がQE縮小を開始した直後の昨年末には、中国が、同国として史上最大
の480億ドルの米国債を売却した。だがこの時にも、米国債金利は大して変
わらなかった。QEによる買い支えが減り続けているにもかかわらず、米国債
の価値は上がっており、指標となる10年ものの利回りは、昨秋の3%近くから、
今では2・5%台まで下がっている。

こうした反直感的な動きには裏があった。米連銀は昨年末以来、EUに頼んで、
EU本部があるベルギーの中央銀行の名義を借り、ベルギーにある国際債券
決済所「ユーロクリア」で、毎月約300億ドル分の米国債を買い続けている。

ベルギーの中央銀行は昨年末以来、連銀に預けている米国債の残高が150
0億ドル以上増えた。ベルギーのGDP(4800億ドル)の3分の1にあたる巨額
だ。ベルギーは経常収支が赤字で、通貨がユーロなので勝手な増刷も許され
ておらず、そんな巨額の米国債を買う金などない。ベルギーの米国債の保有
増分は全額、米連銀による買いだと推測されている。

要するに米連銀は、昨年末来、表のQEで毎月の米国債の買い支え額を合計
400億ドル減らす一方、裏で毎月ベルギーで300億ドルの米国債を買っている。
連銀は国際信用を守るため、ドルの過剰発行であるQEを縮小す姿勢をとらねば
ならない。しかし本当にQEを減らしたら、米国債の信用が落ちて金利高騰の悪夢
になる。だから連銀は、表向きQEを減らしていると言いつつ、裏で他国の名義を
借りて米国債を買い支えている。連銀は、この手の「裏QE」とも言うべき隠れた買
い支えをほかにもやっているかもしれず、それらを合わせると、中露が米国債を売
り放っても金利の上昇を防げる。(引用終了)



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