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徽宗皇帝のブログ

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米軍VS米大統領
「世に倦む日々」から転載。
面白い指摘である。だが、

「いいかげんに日本の左翼リベラルは、「米軍は沖縄から撤退しようとしているのに、日本政府が無理やり基地を作らせようとしている」という言説をやめないといけない。この観念こそが、米国側が巧妙に仕込んで信じ込ませているイデオロギーだ。植民地の人間同士を対立させ、真の支配者を隠蔽する詐術だ。」

と言うなら、ではそれに対抗するどのような実効的な戦略があるのか、提示してもらいたいものだ。
軍の意思が大統領の意思より上位にあるとすれば(私にはそれは信じがたいが)、それを打ち破るには、それこそ米軍そのものに対する武力蜂起しか無いではないか。まさか、そんなキチガイじみた行為を促すわけでもないだろう。
それよりは、日本政府に対する反乱(沖縄独立、あるいは沖縄自治区宣言)を起こすほうが、少なくとも沖縄県民にとってはまだ現実的かつ合理的な行動だと私は思う。日本政府自体が沖縄基地撤去の障碍であることは疑いも無い事実ではないか。
フィリピンのスービック基地が返還されたのは、フィリピン政府がそれを要求したからかもしれないし、米軍や米国自体がそれを望んだからかもしれないが、実際に返還された。ではなぜ沖縄ではそれができないのか。中国に対する備えとすれば、沖縄もフィリピンも同じ程度の地理的条件だろう。要するに、沖縄基地は「タダだから」、これに尽きる。(このことは「世に倦む日々」氏自体も同意しているはずだ。)そして、沖縄基地をタダで使わせているのは日本政府の意思ではないか。
米軍と米大統領の力関係の問題は、面白い問題だが、私にはそれが沖縄基地問題の最大のポイントだとは信じがたい。
言うまでもなく、「米軍は沖縄から撤退しようとしている」とも私は思わない。「状況しだいでは撤退してもいい」と彼らは考えているというだけのことだ。彼らが沖縄基地に執着するとすれば、それは自分たちが血を流して勝ち取った島だから、というセンチメンタルな理由よりも、ことは単に経済的合理性の問題にすぎない。
「普天間という老朽基地の代わりに辺野古に新築基地が貰えるなら、言うことはない。日本の猿どもは勝手に騒げばいい、俺たちは貰うものを貰えばそれでいい」、と彼ら(在沖米軍上層部および米軍上層部)は思っているのである。米大統領も、「あんな遠くの小さな島のことは俺にはよくわからんから、連中(軍隊)の好きなように任せておけばいい。何かあれば連中の責任だ」という程度の認識だろう。



(以下引用)


軍の論理は政府とは違うんでね。戦前の日本みたいなもんだ。米軍・海兵隊からすれば、「オバマが何と言おうが、この島(沖縄)は俺たちのものさ」という意識なわけだ。軍とCIAが米国の最高権力。大統領が選挙で何を公約しようが、一般教書で何を言おうが、G8やG20で何を声明しようが関係ない。
いいかげんに日本の左翼リベラルは、「米軍は沖縄から撤退しようとしているのに、日本政府が無理やり基地を作らせようとしている」という言説をやめないといけない。この観念こそが、米国側が巧妙に仕込んで信じ込ませているイデオロギーだ。植民地の人間同士を対立させ、真の支配者を隠蔽する詐術だ。
米国の安保政策というのは、選挙で選ばれた大統領が決めるのではなく軍産複合体が決めるのだと、オリバー・ストーンは喝破した。これは霞ヶ関の論理と同じで、民主党政権の公約が簡単に転覆されたことと同じ原理。大統領なんて4年か8年で変わるんだし、手こずらせる奴はケネディみたいに殺すわけだ。
グアムを計画どおりに軍事要塞化したら、沖縄は不要になるんじゃないですかと質問したら、吉田健生がこう答えた。そんなことはない、米軍は沖縄もグアムも両方欲しがっていて、沖縄の方はコストフリー(イニシャルコストもランニングコストも日本政府負担)だから、両方に基地を作って運用するのだと。
辺野古の弾薬庫には核が貯蔵されているわけで、あそこに海兵隊の軍港と滑走路を作れば、簡単に積み出しができる。軍事的にきわめて有効。海兵隊の長年の悲願だったということ。おまけに日本政府が作ってくれるから、言うことなし。簡単に県外に代替基地を作れないのは、弾薬庫の核の問題があるからだ。
米軍は、沖縄を手放すつもりは毛頭ないんだよ。血を流して奪い取った地で、各基地には沖縄戦で死んだ若い兵士の名前を付けている。キャンプシュワブはシュワブ二等兵。キャンプハンセンはハンセン二等兵。米海兵隊の「自分の所有する島」なんだ。タテマエは日本国に返還した島だが、ホンネは全く違う。
続)シンポジウム終了と同時に吉田健正の前に行って質問したんだね。「辺野古に基地を作ろうとしているのは、日本政府なのか、米国なのか、どっちなのか」と。ズバリ訊いてみた。吉田健正の回答は明瞭で、両方だが、主導しているのは米国だと。どうしても大浦湾に海兵隊の軍港と基地が欲しいんだと。
私も、以前はそういう(↓)認識だったんだけれど、2010年の普天間問題の政局のとき、都内のシンポジウムで、グアム軍事基地研究の専門家の吉田健正から直接話を聞いて、それは違うということを教えてもらった。辺野古基地推進の主導者は米国だと。 http://t.co/nWXTvnf9tw
米国は沖縄から撤退したがっているのに、それを無理やり引き留めているのは日本の外務省と防衛省だという言説がある。日本の左翼リベラルがそう信じて撒き散らしている。が、この認識は間違いだ。虚像だね。米軍がグアムに撤退することは、第一列島線を中国に譲ることを意味する。軍事的に後退だ。

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