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徽宗皇帝のブログ

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荒廃した未来を救うのは「農業工場」か
「ITとゲームとメタル」というブログから転載。
私はだいぶ前から、日本の農業は「農業工場」化すべきだ、そして日本の産業は第一次産業中心にすべきだ、という主張をしているのだが、特にフクシマ以後の関東の農業が再生するには「農業工場」しかないと思う。下の記事で言えば「水耕栽培」である。

水耕栽培なら土壌汚染されているところや水が乏しいところでも効率よく多くの作物を育成でき、さらに水は少なめの方が栄養価が高く美味しいものが収穫できます。

水耕栽培の要はとにかく「徹底管理」です。種植え~収穫までを外界から遮断した室内で行い、その間気温と水温を年中一定に保ち、外の菌や虫は絶対厳禁、収穫を重ね薹が立った苗は定期的に廃棄して新たな苗と取り替える…その生産環境から水耕栽培施設は「野菜工場」と表現されることも多く、なんとなくの感覚やドンブリ勘定では運営できません。こうして徹底的に室内で管理した結果、野菜は露地栽培のものよりも柔らかく、苦味がなく、糖度と栄養価が高く、良い形状のものばかりになります。

ということで、放射能汚染された土壌を「汚染されていない」と言い張るのも、汚染を除去するのも無理なのだから、農業を完全にあきらめるか、「農業工場」への移行をしていくしかないだろう。私が「野菜工場」とも「水耕栽培」とも書かないのは、「農業工場」には野菜以外の作物も生産できるだろうし、また「水耕栽培」以外の形の栽培もできるだろう、と考えているからだ。今のところは水耕栽培でレタスやトマトなどを収穫するのが一番容易だ、というだけのことで、まさか未来の人間がレタスとトマトだけを食って生きるわけにはいくまい。「農業工場」の研究は、これからの社会の課題なのである。


(以下引用)



水耕栽培農家の視点から見る「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

テーマ:
先週東京で「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を観て未だ興奮冷めやらずV2、V3…と何度でも劇場で観たくなるのですが、残念ながらこの秋田県では上映館が次々と減り、現在秋田市のルミエール秋田でしか上映されていません(8月6日まで)。それにしても秋田なんてクソ田舎で6月公開の映画が8月まで延長されるとは余程人気なのでしょう。今頃秋田市では丸刈り&白塗りで口に銀スプレーを吹き英雄の館を目指して爆死する人が相次ぎ、ただでさえ高い自殺率がさらにうなぎ登りになっているに違いありません。

本作を観た直後に私の脳内に浮かんだ感想は「車とガソリンが必需品の世界でジジイが女を生む機械としか見ておらず男は車バカで病気で短命なんてイモータン・ジョーの砦はまさに秋田県だな」でした。というかイモータン・ジョーは住民から税金を徴収せずにタダで水をあげていたので秋田県よりマシです。秋田県なんて住民税と公共料金が必要なんだから



秋田県民の多くが鬱病を患っているのに対しウォーボーイズ達は元気ハツラツ。どうせ死ぬなら明るく楽しく元気よく!

私のTwitterのTLには「イモータン・ジョーの砦は家父長制的社会のカリカチュア」といった内容の感想が度々上がってきたのですが、私は家父長制というよりクソ田舎あるあるではないか?という気がします。秋田県に限らず、厳しく貧しい環境で、女は子供を産みコミュニティを養う存在であることを求められ、男はとても健康と言える状態ではないのに車にだけはこだわり、自分自分が命をすり減らして働く消耗品となっていることに気付かない…という風景はどこの国・地域のクソ田舎にも見られることだと思うのです。ついでに嫁5がわざわざ部屋に書き置きを残して逃げるという演出も妙にリアルです。ふいに私は50を過ぎて嫁に書き置き一つで逃げられた挙句その後すぐに癌で死んだ親戚のおじさんを思い出してしまいました。もう本作を観て以降、歳をとって体調もよくないのに後継者がいなくて会社経営から退けない、病気で鼻にチューブをさしながらも毎日畑仕事をせざるを得ない、少ない稼ぎをほぼ全て車に突っ込んでいる等といった周囲の人々が皆イモータン・ジョーやウォーボーイズに見えて仕方がありません。とりあえずみんな白塗りすればいいのに




本作は、そんなクソ田舎的コミュニティを自立に目覚めた女性達がぶっ壊して革命を起こすというフェミニズム的要素を持っており実に痛快なのですが、それでも私はどうしてもイモータン・ジョーに最も感情移入してしまうのです。そしてTLに本作の感想Tweetが上がってくる度「イモータン・ジョーはどうすれば砦を真に持続可能なコミュニティにできたか?」という”正解”を考えてしまいます。ちなみに私が本作のアクションシーン以外でテンションが上がったのは、イモータン・ジョーが嫁5の部屋の隣で大規模な多段式水耕栽培をやっていたことでした。なぜかって?私の家が水耕栽培農家だからです




LEDライトは無いけれど鎖で吊って可動式にしてあるというのが芸コマ。これなら日差しに合わせて各レーンの高さを変えて満遍なく日光を当てることが可能。栽培しているのはおそらくレタスとトマト。



劇中ではほんの一瞬しか映っていませんでしたが、これは後半登場する種ババアの「種を植えたけど育たなかった」という台詞と対になっています。なぜ種が育たなかったのか?そりゃババアが汚染されている土に直接種を植えたからです。しかし水耕栽培なら土壌汚染されているところや水が乏しいところでも効率よく多くの作物を育成でき、さらに水は少なめの方が栄養価が高く美味しいものが収穫できます。本作を見る前に設定を調べた際、当初私は「資源が乏しい世界のコミュニティに年寄り、病人、障害者がいるっておかしくね?いくら兵士にするからってわざわざ病気や障害を持ったガキを拾って育てるか?ちょっと前の日本の農村なら口減らしのために山に捨てるか川に流してるぞ」と思いましたが、水耕栽培システムが完成しているのなら計画的な自給自足が可能で、彼らを”食わす”こともできるでしょう。このイモータン・ジョーの水耕栽培レーンは「マッドマックス」全シリーズを通して最も明確に「明るい未来」を示したシーンだと思います。2では資源の収奪に終始していましたが、「サンダードーム」では畜産とリサイクルエネルギーの活用まで回復し、「怒りのデス・ロード」では遂に農業が復活。世界は汚染されていても「人間社会」は確実に復興していることが窺えます。

で、この「水耕栽培」というフィルターを通して本作を見ると、イモータン・ジョーの嫁5の管理自体も水耕栽培的ではないか?と思えてきます。水耕栽培の要はとにかく「徹底管理」です。種植え~収穫までを外界から遮断した室内で行い、その間気温と水温を年中一定に保ち、外の菌や虫は絶対厳禁、収穫を重ね薹が立った苗は定期的に廃棄して新たな苗と取り替える…その生産環境から水耕栽培施設は「野菜工場」と表現されることも多く、なんとなくの感覚やドンブリ勘定では運営できません。こうして徹底的に室内で管理した結果、野菜は露地栽培のものよりも柔らかく、苦味がなく、糖度と栄養価が高く、良い形状のものばかりになります。露地栽培の野菜が固くなったり苦くなったり形状がいびつになったり虫に喰われたりするのは、常に厳しい自然環境下に置かれ、それに負けないように育ってしまうからです。言わば嫁5は「水耕栽培された野菜」だったのでしょう。それに対し後半登場するババア軍団は「露地栽培された野菜」で、フュリオサは「水耕栽培で薹が立った苗をそこら辺に廃棄したら奇跡的に土に根付いた挙句なんかデカくなった野菜」と言えます。水耕栽培レーンと嫁5の部屋が隣り合っていたところから考えると、この2つの部屋の空調システムと水回りは共通なのかもしれません。








水耕栽培野菜と露地栽培野菜の違い



イモータン・ジョーが多段式水耕栽培をやっているという設定はオーストラリアの最新農業事情や、やはりさり気なく差し込まれている「Fukushima(福島)」の現状を反映した設定ではないかと深読みしてしまいます(Fukushimaネタについてはまた今度)。現在どちらも水耕栽培農家が増えているし。というかオーストラリアは既に水耕栽培先進国だし。日本では今やっと水耕栽培が一般にも知られ始め、企業参入も始まったばかりですが、水耕栽培プラント設備の販売会社が「今のうちに水耕栽培のノウハウを身に付ければ将来イモータン・ジョーの砦で働けます!上手くやればイモータン・ジョーのような荒野の覇者になることもできますよ!」と営業トークをかましたら速攻で飛びつく人が増えると思います。というか今すぐやるべき。そして農業関係者は今からでも遅くないので一刻も早く「マッドマックス 怒りのデス・ロード」をキメて下さい。






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