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徽宗皇帝のブログ

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蜃気楼化しているカネと本物の使えるカネ
「株式日記と経済展望」の管理人氏の(私のコメント)部分を転載。
孔徳秋水氏がほめていた記事なので、見てみたのだが、いつもの引用記事部分は「生活保護叩き」めいた記事で、何がいいのか分からなかったのでカットしておく。褒めるに値するとしたら、下に転載した(私のコメント)部分か、と思う。
まあ、私が何度も何度も言ってきたのと同じ内容のものだと私は思うが、それなら「いい内容」に決まっているwww 
私も左巻きの人間なので財源を考えずに福祉政策を重視せよと言う傾向はあるが、実際のところ、日本経済の冷え込みは国民全体、特に中下層の収入の低下に根本原因があるのは明白であり、カネの無い庶民にいくらカネを使えカネを使えと言っても無理な話である。エサをやらない乳牛から乳を無理に搾り取るような話だ。
で、実はカネは日本の中にはある。日銀が国債をいくらでも買うのだから、いくらでも作れるのである。だが、そのカネは庶民には行きわたらないのだから、景気がまったく浮揚しないのは当然の話である。つまりそのカネはいわば「蜃気楼」化したカネなのだ。実体経済にはほとんど関係してこない。
だから、経済界からは経済刺激政策を取れ、と政府はせっつかれるわけである。労働者の賃金を抑制して、消費者を貧困化させている経済界がそんなことを言うわけだ。馬鹿か。



(以下引用)





日本経済が低迷を続けているのは格差が広がっているためであり、昨日のNHKの特番でも「資本主義の未来」をやっていましたが、格差の広がりこそ経済の低迷に繋がっている。消費する99%の人にはカネが無く、富は1%の富裕層に偏在している。

1%の富裕層は投資はしても消費はしても僅かだ。99%の貧困層はそこから抜け出す手段は無い。行き過ぎた資本主義は断末魔を迎えようとしていますが、それを調整するのは国家しかない。しかし富裕層は大統領や議員に献金をして富裕層に有利な法律が作られて、貧しい人に対する保護政策は反故にされる。

富裕層は、タックスヘイブンに資産を預けて資産は自動的に膨らんで行きますが、税金はほとんど払わないで済む。タックスヘイブンを作り出したのも資本主義国家であり、貧しい人から消費税を取り立てて、財政赤字にしてしまう。これでは経済がおかしくなるのは当然であり、一部の富裕層は累進課税の復活を考えている。

更に消費を増やすには、いわゆるばら撒き政策が必要であり、最低賃金の引き上げや、子ども手当の引き上げや、生活保護費の引き上げなどをしていかなければならない。財政赤字に対する逆の政策のように思えますが、消費が増えて景気が良くなれば税収が増える計算だ。

貧困層には、生活保護費以下の所得層がありますが、ベーシックインカム的な政策も必要になるだろう。昨日のNHKの番組でも、社長の給料を従業員に分けて平均所得を上げた例を挙げていましたが、子供を産む世帯が増えて会社の生産性も上がったそうです。

日本の少子高齢化も、貧困層の拡大と最低賃金の低さなどが原因であり、最低賃金は1000円から1500円くらいに引き上げたらどうだろうか? 生活保護費も引き上げれば、それだけ消費が増えるから税収も上がるはずだ。子供の数も増えて行けば教育費や食費も増えて売り上げも伸びる。

要するに経済状況によっては、資本主義的な政策にしたり社会主義的な政策をとる事によってバランスを修正して行く必要がある。富裕層と言われるものは資本主義のガン細胞のようなものであり、やがては資本主義に死をもたらすだろう。だから早めに社会主義的な政策をとってガン細胞を取り除く必要がある。




(徽宗追記)「世に倦む日々」氏が「君の名は。」について書いた記事の一節が、今の若者(本来の消費の中核)の置かれた状況をなかなかうまく表現していると思うので、その部分を抜粋転載しておく。「中今主義」という聞きなれない言葉を使うところ(本居宣長を持ち出すところ)が例によって筆者特有の嫌味なペダントリーだが、それを我慢して読む価値があると思う。




作品のメッセージとして、今日一日を大事に生きないといけない、明日は何が起きるか分からない、隕石が落ちるかもしれないし、大地震と大津波で破滅するかもしれない、だから、この一瞬を大事な人と大事に生きようというものがある。この考え方は、特に若い人の間で強く支持されているに違いない。われわれの世代は、かかる本居宣長的な中今主義からはもう少し自由だった。現在は未来のためにあり、人格と能力は無限に完成をめざすものであり、明日のために今日があり、反省と訓練の継続によって将来の成功と幸福に至るのだと、そういう人生観が強かった。個々が人生の時間軸を持っていた。今の若者は、そういう楽観的で平和的な時間軸の人生観を持ちにくい。個体的な物質的基礎(マルクス的な)を持ちにくいからであり、計画的なライフステージの自己像と社会像を前提しにくいのだ。今の刹那を生きるしかない。非正規の職場をクビにならないよう懸命に働くしかない。

c0315619_16584598.jpg若者の5割が非正規で、楽観的な将来が前提されていない。今を大事に生きよという中今主義の日本の思想は、経済的な将来のない者には、積極的な真理あるいは託宣として受容され、生きる支えとなり、日常の心構えとして機能する。自己合理化の思想となる。

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