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徽宗皇帝のブログ

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要介護度認定の話
「大摩邇」から転載。
まあ、自分には関係ない話だと思っていても、いつ自分や家族の身に降りかからないとも限らない。つまり、全国民的に常識とすべき、啓蒙的意義の大きい話なので転載する。もちろん、大きな、まだ水面上に明確に浮上していない政治的問題でもある。

(以下引用)


こんにちは!生チョコぽん酢です。



土日は久しぶりに飲みに行ってきたのですが、今はどこの居酒屋さんも禁煙ですね。



最初は嫌な感じがしましたが、いざ行ってみるととても空気が良く快適で、まぁこれも仕方ないのかなって思えてしまいました。



私は喫煙はしますが、自宅の中では吸いませんし、タバコの煙って嫌ですよね。



喫煙者の私でも嫌なんだから当然かなって。



完全に吸う場所が無くならないのなら、いくらでも合わせられるなと思う今日この頃です。




さて、つい先日のお話なのですが、介護度の更新で大変な思いをされているご家族にお会いしたので、それを記事にしてみます。

この患者さんは男性でまだ50代と若く、脳血管系の病気から寝たきりになり、要介護度5がついていました。

倒れた後からずっと私が担当しているので、ご本人のこともご家族のことも良く知っています。

今回の更新で数回目となるので、特に心配していなかったのですが、今回は思わぬトラブルになってしまいました。

介護度の更新(認定調査)は、行政から委託されたケアマネージャーが訪問して、介護度が適切かを評価するのですね。

もちろん忖度のないよう、この患者さんを担当しているケアマネージャー以外の人が来ます。


 



そしたら・・・

要介護度3になってしまったのです・・・。


 



ここだけ聞くと「なんだ5から3になって良かったじゃん」って思う人が多いかもしれません。

一応介護度というのは以下のような順番になっています。

要支援1

要支援2

要介護度1

要介護度2



要介護度5

こんな感じで、下に行くにつれて重度になっていき、5が最大です。

この患者さんは部外者の私が見ても要介護度5が適正、何をどう頑張っても4くらいな感じなのですね。

それなのになぜ介護度5から3になって(改善していると見なされて)困っているのかと言いますと。

冒頭でも言いましたが、まだ50代。

現役バリバリの時に倒れてしまったので、このご家庭では一家の大黒柱を失ったことになります。

その代償はかなりのもので、今では家族総出で働きに出ている感じです。

そして家族が働ける環境を作る為に、外部の介護保険サービスをフル活用して、何とか生活が回っていたわけで。

いきなり3になってしまうと、今まで使用していた介護保険サービスが軒並み点数オーバーになってしまうのです。

つまり利用できなくなるということ。

もちろんオーバーした分を全額自費で出せば利用できますが、そんな余裕のある人なんてそうはいません。

自費だと相当な金額がしますから。

だから担当のケアマネージャーが焦って再調査を依頼した感じなのですが、どうしてこうなったのか?

実はこういう、明らかに軽い結果が出てしまい困るケースは、わりと起こる話なのです。

何故かと言いますと。

調査に来るケアマネージャーは初見です。

だからその時の情報だけを頼りにしなければいけません。

でも調査の時に例えばご家族に変なスイッチが入ってしまうパターン。

調査員が「ティッシュを持つことはできますか」とか、そんなこと聞くのかよみたいな質問も結構ありますから、

それくらい自分で出来ます(息子を馬鹿にしているのか)」みたいなスイッチが入ってしまう家族がいるようです。

あと、ご本人が人様の前だからと見栄を張って、出来ない事でも出来ると言ってしまったり。

ご本人もご家族も病気や高齢で、認知機能・判断能力が落ちている人が多いので尚更なんですね。

だから正当に評価するのって難しいみたいなんです。

私からすれば「毎回こんな冷や冷やするくらいなら、予めもっと情報収集しておきなよ」と思ってしまうことも時々ありますが、それでも仕方のない面もあるわけで。

これ、逆パターンもあるのですよ。

例えば一人で散歩に行ける要介護度5の人がいたりとかw

あるんですよ本当にw

どういうケースだったかと言いますと、不正とかではないのです。

病院に入院中に認定調査が入った場合、一番悪い時期を見てしまうので、実態よりも重い介護度が出る傾向にありまして。

この一人で散歩に行ける要介護度5の人は、入院中は酸素をしていて、手術の後でやる気が起こらず(実は動ける)、それを見たケアマネージャーは「あ、寝たきりの人だな」と思ってしまったのですね。

病院の中だし、やはり色々気を配らなければいけないことも多く、尚更判断が難しいのでしょう。

でも実際に退院してみると、実は要支援がつくかどうかのレベルの人だったみたいな・・・。

人間相手だと、いくらマニュアル化したところでうまくいくかというと、中々そうもいきません。

この曖昧な部分をもう少し改善しなければ、現場は認定調査(1~2年毎)の都度、胃を痛めなければいけません。

さっきの50代の患者さんを担当しているケアマネージャーは「これからどうしよう」と頭を抱えていることでしょう。



ご家族も大変です、不安で夜も眠れなくなります。

気の毒で仕方ありませんが、現時点ではそういう仕組みなので仕方ないですね。


 


 


そして実はこれ、もう1つの問題があるのかなって思えている部分があります。

確かに今まで説明してきたように、仕組み自体にも問題があるかもしれませんし、改善の余地があるようにも思えます。

しかし、最近は本当にこの介護認定が厳しい。

例えば要介護度5になると介護保険で使用できる点数が増えますから、コスト削減の観点がありそうなのです

行政はあくまで「適正な評価を」というスタンスだと思いますが、言葉を変えれば「不正評価は許しません」という圧がありますよね。

生活保護にしろ、介護認定にしろ、やはり財源が有り余っていた頃は審査が緩く、逼迫してくると審査が厳しくなる。



だから必然的に、昔に比べると介護認定基準が重度化しているように見えることが、多分現場の皆さんもあると思うんです。

現在はその逼迫度合いが最大限に高まる時代の入口なのだろうと私は思うので、恐らくこれから徐々に、こうした行政からの認定系は厳しくなる一方なのだろうと予想しています。

さすがに、50代で下半身不随で寝たきりで高次機能障害もあって精神疾患も出始めている人に、介護度3は「あり得ないだろ(汗)」と思いましたが。

最近は本当に要介護度5の認定が出づらくなってきているように思えます。

行政も民間も、節約の時代なのでしょうね。

理屈ではない面もありそうです。




おわり


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