TPPを承認=発効は絶望的-安倍首相、米へ働き掛け継続

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 環太平洋連携協定(TPP)と関連法が9日の参院本会議で、与党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、承認、成立した。トランプ次期米大統領が協定の枠組みからの離脱を表明、発効は絶望視されているが、安倍晋三首相はTPP実現に向け、米側への働き掛けを継続する意向だ。

 首相は参院本会議に先立つTPP特別委員会で、米国以外の参加国の対応について「国内手続きをやめるという国は1カ国もない」と指摘。「TPPが持つ戦略的、経済的価値を、それぞれの国が国家意思として示していくことこそが求められている」と訴えた。

 TPPは、日米やニュージーランドなど太平洋を囲む12カ国が参加する広域の自由貿易協定(FTA)。首相はTPPを成長戦略の柱に位置付けている。

 発効は域内の国内総生産(GDP)合計額の85%以上を占める6カ国以上の承認が条件。12カ国全体のGDPの約60%を占める米国の承認が不可欠となっている。

 TPP離脱を表明したトランプ氏は、多国間貿易協定に代わり、2国間協定に軸足を移す意向。相手国に個別に厳しい要求を迫る可能性もある。