多くの犠牲者をだし、その家族が今だに真実を求め続けている2001年9月11日に起きた「大量殺人事件」に関して、米国政府の嘘を暴く本が2021年9月11日に出版された。
レイ・マクギニス氏の著書『Unanswered Questions: What the September Eleventh Families Asked and the 9/11 Commission Ignored」(未回答の質問:911の家族が尋ね、911調査委員会が無視したこと)と題する本には、9/11に関していまだに解決されていない多くの疑問と、米国の超党派の議員たちで組織された9/11調査委員会が答えなかったことについて書かれている。
未解決の疑問とは、例えば以下のような内容である。
世界貿易センタービル第7ビルは飛行機が突っ込で倒壊したノース・サウス・タワーから1ブロック半離れた場所にあり、飛行機もぶつかっていないのに約8時間後に倒壊したのはなぜだったのか。
ハイジャックされた飛行機を米軍は1機も墜落させることができなかったのはなぜなのか。
9/11犠牲者補償基金は、犠牲者の親族が同時多発テロの資金源とされるサウジアラビア人を訴えようとすると、給付金を失うと規定したのはなぜだったのか。
この本には犠牲者の家族がなぜ独自に家族運営委員会を設立したのか、何を知りたかったのか、そして真実の説明を得るための努力がどのように妨害されたのかについて書かれている。約1,000の注釈がつき、綿密な調査に裏打ちされた事実が次々と提示され、憶測で書かれたものは一切ないし、陰謀論でもない。
なぜ愛する人が殺されたのか、その疑問に対する答えを求める家族の声は20年間、無視されるか、罪人を守るために嘘と偽りを重ねて答えられてきた。9月11日に起きた「テロリスト」が誰であったかについて、真実を語ろうとしない米国政府は、「テロとの戦い」を繰り広げる一方で、家族の質問に答えることを拒んできたのである。
家族運営委員会が9/11調査委員会に尋ねた質問の70%は、9/11委員会報告書の中で答えられないままになっている。そして答えられた質問は、その答え以上に多くの疑問をもたらした。この本は、犠牲者の親族からの質問という観点から書かれ、4つのパートに分かれ、それぞれが複数の章で構成されている。
「第1部:悲嘆から支援運動へ」は最も簡潔なパートで、9/11で亡くなった消防士、第一応答者、家族を紹介している。彼らの悲しみがどのようにして支援運動へと変わり、そのエネルギーを注ぐために多くのグループがどのように結成されたのかが書かれている。ブッシュ大統領やチェイニー副大統領が9/11を調査する特別委員会の設置に反対し、反対を押し切ってヘンリー・キッシンジャーを9/11委員会の委員長に指名しようとしたがそれも阻止された経緯も紹介されている。
「第2部:9/11調査委員会に対する家族運営委員会(FSC)の声明」では、9/11調査委員会が最初から仕組まれたものであり、公平な調査とは程遠いものであったことを検証している。それはフィリップ・ゼリコウを委員長に指名したことから始まっている。ゼリコウはブッシュ政権やネオコンと深いつながりがあった。『対テロ安全保障グループ』のリチャード・クラーク議長も、ゼリコウが任命されたときに『問題は山積している』と言っていた」という。ゼリコウは多くの利害関係があるにもかかわらず、調査と最終報告書を完全にコントロールした。彼は実質的に、公聴会が始まる前に報告書を書いていたのである。
彼は、コンドリーザ・ライス(ブッシュ政権1期目で米国国家安全保障問題担当大統領補佐官、ブッシュ政権2期目で国務長官)と共著をだしており、2003年初頭にイラクを攻撃するために使われた先制攻撃を支持していたような人物だ。家族運営委員会は彼の即時辞任を求めたが、トーマス・キーン委員長とリー・ハミルトン氏に即座に却下されている。その結果、最終報告書はゼリコウ(現在、コロナ委員会の委員長に指名されている)が書いたフィクションになってしまったのである。
「第3部:家族運営委員会の答えのない質問」は、本書の中心となる部分である。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)、連邦航空局、CIA、証券取引所、FBI、ジュリアーニ市長、ブッシュ大統領、港湾局、世界貿易センター、ニューヨーク市、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官に宛てた質問のうち、答えられなかったものを11章に分けて紹介している。9/11委員会には調査のために1000以上の質問が提出された。
家族運営委員会が9/11委員会に投げかけた質問のひとつに、「ハイジャックされた飛行機が通報から8分以内に空を飛んでいたのに、なぜNORADのジェット機は迎撃できなかったのか」というものがある。NORADは、米国とカナダの「国内領空の監視と制御」を任務としており、航空機の迎撃には非常に定評があった。それにもかかわらず、2001年9月11日、ハイジャックされた航空機は一機も迎撃されなかった。専門家によれば、経験のない無能なハイジャック犯が操縦していたとされており、そのような巨大な民間旅客機を世界貿易センタービルやペンタゴンに突っ込ませることはできない、としている。
政府側の証人は、飛行機を迎撃するための組織的な失敗について、嘘をついたり、重要な情報を省略したり、矛盾した話をしたりした。そしてこの偽証で彼らは昇進した。また、9月11日には前例のない数のウォーゲーム(戦争訓練)が「偶然」にも行われていたにもかかわらず、9/11調査委員会は誰も証人にそのことを尋ねなかった。
家族運営委員会は連邦航空局に、なぜこれらのハイジャック機が高度に洗練されたレーダーをすべて回避することができたのかと尋ねた。9/11の攻撃について、諜報機関はいつも100%正しくなければならず、テロリストは一度だけラッキーでなければならない、と言われている。しかし9/11の攻撃においてテロリストは何度もラッキーだった。
異常な株取引が監視されなかった。(9/11テロを先取りしたインサイダー取引が行われていた)
不完全な書類で15のビザが与えられた。
航空会社の保安検査で、ハイジャック犯がカッターナイフやペッパースプレーを持って飛行機に乗ることができた。
FAAとNORADが緊急時の手順に従わなかった。
国家の緊急事態が政府高官にタイムリーに報告されなかった。
飛行機が衝突した世界貿易センターに最初に到着した消防士、救急隊員らの証言も衝撃的だ。多くの人が、崩壊する前にタワー内で爆発が起こったという証言をしているのである。つまりビルは爆破による制御解体だったということだ。もちろん政府はこれを否定している。
「第4部:受容と異論」でマクギニスは結論を導いている。9月11日の出来事において一番客観的なのは消防士や第一応答者である。ツインタワーにいた人々を救おうと駆けつけた救急隊員のうち、仲間を救おうとして命を落としたのは大半が消防隊員で、そのうち343人が当日に亡くなった。生き残った同僚たちの証言は貴重であり、議論の余地はない。彼らには嘘をつく理由が全くないからだ。そして彼らの証言は、ビルは爆破された、というものだった。飛行機が衝突する前にビルの地下で爆発音が報告されている。しかしこのことは9/11委員会報告書には記載されなかったし、メディアも完全に無視したのである。もしビルに爆発物用の配線が施されていて、制御された解体方法で破壊されたのであれば、それはオサマ・ビンラディンやその信奉者ではなく、この超高度なセキュリティビルへの秘密のアクセス権を与えられた内部の人間の犯行であることは客観的に考えれば明らかなのである。
9/11から20年たった今、残された家族はビルは内部から爆破されたとする3,000ページに及ぶ科学的に裏付けられた資料に基づいて、新たな審問を要求している。この本を読めばおそらくあなたもビルは内部から爆破されたと思うだろう。
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