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徽宗皇帝のブログ

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預金封鎖と「国債の勧め」
先ごろNHKで「預金封鎖」に触れた番組があったそうで、日本で実際に預金封鎖が行われる前触れではないか、と一部で騒ぎになっているが、「阿修羅」の或る記事のコメントの一つが興味深いので転載しておく。
私はかなり昔に、公務員の給与の半分は日本国債で支払うべきだ、と書いたことがある。そうすることで、行政への責任感も増し、予算の無駄遣いもしなくなるだろうし、財政再建も簡単にできる、ということである。もちろん、国会議員の報酬も同様である。あるいは、民間においても給与がある限度を超えたら、それはすべて国債で支払う、ということを法制化してもいい。そして、国債の現金化には厳しい条件をつけて、簡単には現金化できなくすればいい。たとえば、病気や交通事故などで大金が必要である、という証明など。もちろん、その支払いそのものを国債で代用することは可、として国債を「準貨幣」とすれば、政府発行貨幣が簡単に実現できるわけで、しかも現行の中央銀行制度との併用も可能になる。現行の中央銀行制度になにか長所があるなら、それを残してもいいが、今のままでは「金融資本主義」は資本主義国家を地獄化していくだけだ。
ということで、銀行預金が1000万円を超える場合、それを国債に変換することを国民に義務づけること自体は、私は賛成である。どうせ私のような貧乏人には無関係の話だし。(笑)
あ、国民に国債を買わせる最大のメリットは、戦争に負けたとき、いつでも政府がそれを踏み倒せることですwww


(以下引用)



17. 唐行きさん 2015年2月18日 19:59:58 : qhq/4d/3jpsEA : HHzifh7XKM

先日、ある「金融機関」より、「1000万円」を超えているとの「通知」が送られてきた・・。

「超えている分」を「減額」してほしいとあった・・。


そのまま「放置」していると、「超えている分」を「国債」に「変換」して「送付」するとしていた・・。


「ソフトランディング」の「預金封鎖」はこれかも・・?





(徽宗追記)「in deep」から抜粋転載。


唐突にNHKが特集した預金封鎖

私はあまりテレビのニュースを見ないですので知らなかったのですが、数日前の NHK のニュースで、「預金封鎖」について特集されていたそうです。

現在は、NHK のウェブサイトにも載せられています。
その冒頭は以下のようなものです。


“預金封鎖”の真実
NHK WEB特集 2015.02.18

終戦後間もない昭和21年2月16日、時の日本政府は預金の引き出しを厳しく制限する「預金封鎖」を突然発表しました。

日本経済を襲った猛烈なインフレを抑えるためだと国民に説明された「預金封鎖」。しかし、その政策決定過程を検証していくと、現代の日本にも通じる深刻な財政問題が底流にあったことが見えてきました。

というように、1946年に行われた「預金封鎖」について、何だか唐突な感じもする特集報道がおこなわれていたようです。

なお、当時突然発表された預金封鎖は、国民に対して、「インフレ抑制のため」と説明されていましたが、NHK の報道では、以下のようにも説明されていました。


財務省に情報公開請求を行い、当時、非公開とされた閣僚や官僚の証言記録を入手しました。すると、インフレ対策とは別に、もう1つのねらいがあったことが見えてきました。

それが如実に記されていたのが、渋沢大臣の証言記録です。


shibusawa-fukuda.jpg

この中で渋沢大臣は大蔵官僚だった福田赳夫氏から

『通貨の封鎖は、大臣のお考えでは、インフレーションが急激に進みつつあるということで、ずっと早くから考えていられたのでございますか』

と問われたのに対し、

『いやそうではない。財産税徴収の必要から来たんだ。まったく財産税を課税する必要からだった』

と答え、預金封鎖に込めたもう1つのねらいを吐露していました。

ということで、国の本当の目的は、預金封鎖以上に「財産税徴収」だったことがわかります。

しかし、69年前のことはともかくとしても、この報道で示されていた、

69年前の日本の債務状況



現在の日本の債務状況

とを比較したグラフを見ると、「すでに限界を超えている」ことがわかります。

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・NHK

昭和19年の日本の債務残高が GDP に対して 204%だったのに対して、現在は、232%

要するに、現在の日本の借金状況は、戦後の預金封鎖に至った債務状況の時よりも悪くなっていることがわかります。数年前にすでに、69年前の状況と並んでいたようです。

そして、これが今後、時間が経てば改善するのかどうかと考えますと、毎年 100兆円程度の借金を積み重ねている中では、この比率はさらに上昇すると考えるのが妥当だとも思えまして、なるほど、これは厳しい

そして、NHK の報道は以下のように締められていました。


「預金封鎖」と「財産税」は、今では考えがたい措置で、経済大国となった現代の日本と当時とを安易に重ね合わせるわけにはいきません。 しかし、日本の財政が今、先進国で最悪の水準まで悪化していることを考えると、歴史上の出来事だと片づけてはならない問題だともいえます。

ちなみに、昭和21年に公布された預金封鎖令は正式には『金融緊急措置令等』というもので、それは以下のようなものでした。


金融緊急措置令等(昭和21年2月16日)

・現在流通している紙幣の通用は三月二日限りとする。

・新紙幣と旧紙幣の交換期間は二月二五日から三月七日までとし、交換限度は一人につき一〇〇円。それ以上の旧紙幣は預金として封鎖。

・封鎖預金からの現金引き出しは、一ヶ月につき世帯主三〇〇円、家族一人につき一〇〇円とする。給料の支払いは一人につき五〇〇円まで、それ以上は預金として強制的に預け入れ。

・臨時財産調査令により、三月三日午前零時現在で財産調査を行い、財産税算定の基礎とする。


 本吉正雄著『元日銀マンが教える預金封鎖』より

というものでした。

当時の詳細な貨幣価値はわからないですが、1ヶ月の預金引き下ろし限度額が世帯主で 300円ということは、その 300円というあたりが(多分かろうじて)生きていくことはできたというくらいの貨幣価値だったと思われます。

ちなみに、上の資料を抜粋しました『元日銀マンが教える預金封鎖』によりますと、大事だったのは上のうちの最後の「財産税」の徴収だったようで、つまり、預金封鎖そのものより、その間に徹底的な財産の没収を行って、国の借金に充てるということが目的だったようです。

『日本銀行職場百年史』に、この時の大藏大臣だった澁澤敬三氏の言葉が収められていますが、下みたいなことも言っていたようです。

「戦争中はみんな真面目な気持ちで一億玉砕だと言っておったではないか。まだそういう気分が残っている頃です。だからもう一度みんな死んだと思って、相続税をいっぺん納めることにしたって悪くないじゃないか。そうすれば、あとがすっきりする」

何度も何度も「死んだと思って生きる」のも大変ですが、それにしても、なぜ今こんな感じのことを、公共放送的な意味合いを持つ NHK が特集を組んだのか、ということは気になるといえば気になりますが、まあ、いずれにしても、現在の日本の債務状態から見ますと、そういうようなことがいつ起きても「不思議ではない」ということは言えるのかもしれません。







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