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徽宗皇帝のブログ

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TPPは日本をいっそう貧困化させる
「日本経済について考えるブログ」より。最初は「阿修羅」で見つけた記事だが、それは要約版で、しかも読みにくい要約なので、元記事を転載する。下に書かれた主張はTPPについての私の主張と同様だが、直感でしか話せない私と違って「論拠」があるから説得性もある。特にTPPとは実質的に日米二国間貿易でしかない、という指摘は大事だ。


(以下引用)


2011-01-03
■中野剛志先生のよくわかるTPP解説―日本はTPPで輸出を拡大できっこない!の文字起こし
中野剛志先生のよくわかるTPP解説―日本はTPPで輸出を拡大できっこない!

まとめ:

TPPは交渉の話が急激に起こり、マスコミ大騒ぎで唐突。
TPPは人やサービスの完全自由化まで含んだ協定で、かなり急進的。
日本の関税率はEUに比べても低く、それは農産品に限定しても同様。
日米以外のTPP参加国の内需割合が余りにも小さく、実質的に日米の二国間交渉をアメリカが仕掛けている。
アメリカは通貨安による工業品輸出強化を狙ってくるので、日本の工業品が売れるというのも期待薄。
ドル安によって競争力をさらに強化されたアメリカの農産品が関税の防波堤を失った日本市場に襲い掛かる。
TPP参加メンバーは日本と利害が一致しないので、アメリカ有利なルール作られて終了。
ついでにアメリカのデフレも輸入することになり、益々日本終了。
結論:

日本の内需を狙ったアメリカの罠。交渉のテーブルにつく加盟国はアメリカの味方で日本と利害が逆。日本って簡単に騙せるね!

中野氏:

このTPPの議論というのはですね、妙なのが簡単に説明するともうご存知の方も多いと思いますが、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイという非常に小さな国がですね。最初にその協定を結んでいました。ところがこれにアメリカが入ると、入ろうといって、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、最近ではマレーシアがその交渉に参加するということになってそれでその環太平洋連携協定TPPというものの交渉が行われてルール作りとかが行われるんだって話になっています。

貿易の完全な自由化、かなり急進的な自由化を目指すと、貿易もモノだけじゃなく、人とかサービスも含めて包括的にというふうになっていると聞いています。交渉参加に当たってあらかじめ例えば、コメは例外ですよとか言う、自由貿易のその、例外品目を提示して参加するとのは認められないと。類似のその自由貿易の協定でよくFTAと聞くと思うんですけど、アレはアメリカと韓国のように二国間でやるものなんですけど、これはその多国間で、

聞き手:

FTAというのはFreeTredeAgreement?

中野氏:

Associate

10月の初旬に巻首相がこの参加交渉の参加を検討すると、まあ所信表明で言ってから、11月の初旬のAPECまでわずか1ヶ月の間でこれだけ包括的な話を急にすると、唐突感というのがまず異常なんですが、この議論はかなり大切であるにも関わらず、マスメディアだけではなく、政府あるいは経済界とかがですね、開国か、鎖国化かとかですね、平成の開国をすべきかすべきではないかとかですね、きわめて単純極まりない分類でやっていると。

まず、日本は今鎖国なんかしてないわけですよ。平均関税率でもその世界的に見えると低いほうですし、農業に限定した平均関税率だってかなり低いほうです。完全な貿易自由化と、完全な鎖国との間に山ほどバリエーションがあるのにですね。

聞き手:

さっき聞いてびっくりしたけれども、その農業の関税ね、なんか日本は700%程前後でしたっけ?

中野氏:

それはモノによるんです。

聞き手:

平均で言うとEUよりか低いんですって?

中野氏:

そうです。計算の仕方いろいろあるんですけれどもEUよりも低かったりしているわけです。TPPの参加国はみんな農業国とか多かったりするわけで、この中では高めですが、世界で見ると別に特に高いわけじゃない。議論のレベルが余りにも単純だってのがまず非常に気になる。もう一つ気になるのがですね、なんかそのTPPで日本の農業が危ないって言うのは?

聞き手:

聞いてます。

中野氏:

聞いてますよね。確かにそれはあるんです。ところが一方で、そのTPPをやると輸出を伸ばせる製造業は得をするが農業は損をする。

聞き手:

あ、それで反対してんですね。

中野氏:

どっちがいいのかみたいなですね、そういう農業対製造業みたいな話で、議論がほとんどなっているんですが。私の見立てではですね。製造業がそのTPPに参加して輸出を拡大することはできません。まずそのこのTPPがアジア太平洋の貿易のルールの基本になるとかですね、これに乗らないと世界の孤児になるとかですね。そういった議論がされてるんですが、交渉に参加しているシンガポール、ニュージーランドうんぬんかんぬんのですね、だいたい九カ国あるんですが、これに仮に日本を加えて、GDPでどれだけ大きなシェアがあるか、言うとこの10カ国のうちGDPは、

アメリカが67%
日本が24%
オーストラリアは5%
もう9割が日米なんです。で、残りの7カ国で4%なんですね。しかもアメリカと日本以外の国はみんなその外需依存度が高いとGDPに占める輸出の割合が3割、4割と高い国が多いので、内需でもう一回計算しなおすと、アメリカが73%内需はですね。つまり日本が輸出できそうな場所ですね。

アメリカが73%
日本は23%
オーストラリアが3.7%
残り7カ国で0.1%

だからTPPでアジアの成長とともに日本が輸出を伸ばすとか言っているんですけど、0.1%なんですよ。これはだから、アジアの成長とか全然関係ないんですね。これは実質的に日米貿易です。日米貿易自由貿易なんですよ。

聞き手:

アメリカとジャパンのね、関係であって、それに入らなければ世界の孤児になるということ自体が統計上の全くの間違いということ?

中野氏:

そうです。東アジアで、これがその東アジアや太平洋ののルールになるためにはですね。韓国と中国が入らなきゃいけないんですけど、韓国はFTAを選んでるんですよ。その理由はですね、こんなところに入ったら、これは日本とかアメリカとかに輸出したい国が7カ国もあって、みんなアメリカの味方になるので、ルールメイキングをしたら韓国や日本の味方にならないから、韓国は2国間で勝負しようとしているわけですよ。だからこん中に入るのは不利だから、韓国は2国間でやってるんですよね。

それから中国が入らないと意味がないんですけど、中国が入りっこないわけですよ。中国は自由貿易、関税以前に人民元問題といってその為替のコントロールをしちゃっているので、もっと自由貿易の以前の段階で基本的な段階でつかえちゃっているので、中国も入らない。そうするとだいたいこのメンバーなんですけど、でも日米なんですよ。これは。

聞き手:

アメリカに対して工業、製造業の、輸出増などは関税撤廃しても見込まれないというのはどういう風に?

中野氏:

それはですね。まずだから日本は輸出を先っていうのはアメリカに輸出するってことを考えなければいけないわけですが、アメリカはオバマ大統領がこう言っています。5年間で2倍に輸出を拡大すると。アメリカは貿易黒字を増やすと言っている。貿易黒字、輸出拡大戦略のためにTPPを活用すると言っているんですね。

つまりアメリカはこのTPPを活用してアメリカの輸出を拡大すると言っているんです。そうするとですね、アメリカが輸出できそうな国ってこの中では日本しかないわけで。日本に輸出したいとアメリカは言っているんです。しかもアメリカは今、失業率が9.8%とか言って、物凄いことになっていてそんなところに日本が輸出なんかできっこないんですよ。

その逆なんですね。一つそこで疑問なのは、じゃあなんで貿易黒字を増やしたいんだったら、アメリカは自由貿易をしようとしているのかなんですよ。何で自分はあの関税を撤廃しようとアメリカはしているのかなんですが、これは理屈は簡単で、もはやですね、アメリカが輸出を拡大する方策は関税じゃないんです。為替なんですよ。

聞き手:

そうですね。

中野氏:

だから関税なんか関係が全然ないんですよ。

聞き手:

要するにあのドル安によって輸出をしやすくするということね。

中野氏:

そうです。すなわちですね、アメリカの戦略はおそらくこうなんですね。まず、アメリカに味方する国々がいっぱいある中に日本を巻き込んで多数決で、自分の国に有利なようにルールをきめていくと。で、たしかに日本に農業の関税を撤廃させる代わりにアメリカも関税を撤廃してみせますが、その後、アメリカはドル安に誘導するので、結局日本の工業製品の競争力は減殺されて、減殺されなければアメリカに現地生産をする。

アメリカに工場を建てる、や、もうそうなっていて、もう為替リスクとかあるので、例えば自動車産業はアメリカで販売する車の66%が既に現地生産のものなんです。関税も為替も関係ないんですよ。本田自動車なんて8割ですよ。8割が現地生産なんで既に8割が現地生産なんで、で既に関税なんて関係なくなっている。

ドル安に誘導すればこの比率がどんどん高まるということでアメリカはですね、日本に輸出先を提供もしないし、日本企業に雇用も奪われることも無いわけです。で、ドル安にして日本の農業関税を撤廃させるとドル安によって競争力をさらに強化されたアメリカの農産品が関税の防波堤を失った日本市場に襲い掛かってくるわけですね。そうすると、アメリカは黒字が貯まっていくとこういう仕組みになっているので、どう考え立ってですね日本がTPPで輸出なんか拡大できっこないと、こういうことなんです

聞き手:

そういことだね。言葉汚いけれども鎖国化開国かの前になんか日本はアメリカに対してレイプしてくださいとかさ、男で言えば去勢してくださいって言って、いるような哀れな姿ってことですね。

中野氏:

だから言い方悪いですけど、私ははっきり言ってもう、アメリカか中国の官僚になりたかったですね。もう日本をカモにするのなんて、ほんとに赤子の手をひねるようでこんなに簡単にできる。

聞き手:

そんなもんなんですか、

中野氏:

いやそんなもんですよ。日本にこういう条件を突きつけてと鎖国したいのかといえば、もうみんな日本は開国しないと生きていけないといってこれに参加するって言うこういうですねあの、思考回路の人達ですからそれで経団連も政府もそういう調子なわけです。それでいて日本国家には戦略がないとか言うので、何を言っているのか理解ができないし。

シンガポールとかマレーシアはそのGDPよりもですね、その輸出のほうが大きいという外需依存国の小国です。で、チリとかブルネイとかアメリカ、オーストラリアは鉱業品、鉱業ってのはminingのほうですね。鉱物資源とか農産物で競争力がある、輸出力のある国ですね。で、ペルーもそうです。それからベトナムやマレーシア、ペルーやチリは低賃金労働を輸出したい国ですね。

この中に入って、よくそのTPPに早く参加したほうが日本に有利なルールが作れるっていうんですけれども、このメンバーの中で日本に有利なルールを作るためには、日本と利害が一致する国と組まなきゃいかないわけです。だけどみんな日本と利害が一致しないんですよ。みんな一次産品の競争力があったり、外需依存度が強い。ところが日本は一次産品の競争力がなくて、日本だけが、こん中で日本だけがですよ。工業品の輸出国でしかも内需が大きいんですよ。誰と組んでですね、ルールをうまく作るんだと。日本の農業はですよ、為替リスクを回避したり、関税リスクを回避するために現地生産ってできないんですよ。

聞き手:

できないですよね。まさか向こう言ってね(笑)

中野氏:

だから農業は確実にやられるんですよ。や、そのね、開国することがことがいいことだっていうのもですね。よくそういうバカなことを言うなあと。まず平成の開国とかなんかいってるんですけども、じゃあ、幕末明治の開国はなんだったのか?って話なんですけど、幕末明治の開国はですね。むしろ開国をした後、ずーっとその富国強兵やって日露戦争戦ってとやって、日本は独立するためにがんばって、関税自主権の回復のために戦った、でTPPは逆ですよ。関税自主権を失うためにやっていると。

この本にも書いたことなんですけど、先ほど先生が自由つったらいいってことじゃないことなんですけど、まさに自由貿易ってのは安いもの、安い労働力の製品が国内に入ってきて物価が安くなるということなんですね。TPPで言うと米も牛肉も関税がなくなったら例えば牛丼が今、今いっぱい250円が60円とか50円になるっていう話なんですけど、今、物価が下がるデフレで困っているわけですよね。

自由貿易になったらデフレがもっと激しくなるんですよ。しかも今、アメリカがデフレしかかっていますから、アメリカで物価や賃金が下がっている、で、自由貿易をやると製品が入ってくるので、アメリカのデフレが日本に輸入されるんですよ。だからデフレがもっと酷くなる。

デフレが困るって言ってるんだったら、TPPや自由貿易なんて普通は出てこないですね。だからこのTPPをですね。なにかそのイメージだけで中国を包囲するためだとかですね、戦略家ぶるヤツがいるんですよ。どうしてそうなるのかは説明しないでですよ。でも今日説明した申し上げたようにですね、TPPで包囲されているのは日本なんですよ。

お前が包囲されてるってーの。とそういう話なんですよ。

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