マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-45822c.html
<転載開始>


2025年5月17日
Strategic Culture Foundation
アンドレ・デーモン


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 木曜日、パレスチナ人136人以上をイスラエルが虐殺したまさにその日、ドナルド・トランプ大統領はカタールで中東歴訪を終え、ガザ地区を併合する政権の計画を改めて表明した。

 「アメリカがガザ地区を占領し、奪取し、自由の地域にするのを誇りに思う」とトランプは述べた。更に「何かを救おうとしているわけではない。建物など何もない」と付け加えた。今回の破壊がアメリカが供与した兵器で行われた事実にトランプは言及しなかった。

 2月「アメリカはガザ地区を占領する…我々が所有する」とトランプ大統領は宣言した。アメリカが「均衡化」し「無限の雇用を生み出す経済発展を実現する」と彼は述べた。

 2月他国が「最終的にガザに住む180万人のパレスチナ人が占領することになる様々な領土を建設するだろう」とトランプ大統領は述べ、ガザの民族浄化を明確に呼びかけた。

 ここ数日、アメリカと国際メディアは、アメリカとイスラエル間の「亀裂」に関する報道を盛んに行っている。トランプ大統領は中東歴訪中、イスラエルを訪問していない。だが、イスラエルによるガザでのジェノサイドにアメリカが全面的に関与しているのは明らかだ。木曜日、トランプ政権は「イスラエル政府は主権国家だ」と明言し、ガザでの「戦争」を止めるようイスラエルに圧力をかけようとしていないとタイムズ ・オブ・イスラエルは報じた。
 ガザを「所有」し、パレスチナ人を追放するという提案をトランプ大統領がしてから3カ月経ち、ネタニヤフ政権はこの計画に向けて大きく前進した。

 先週、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ガザ地区を恒久的に軍事占領し、住民を強制収容所に移送して撤去準備を進める計画を発表した。ナチスがヨーロッパのユダヤ人虐殺を「最終解決」と呼んだ言葉に倣い、ネタニヤフ首相は「最終措置を開始する時が来た」と宣言した。

 翌日、「1年以内に…ガザは完全に破壊され、民間人は…南部の人道支援地域に送られ…そこから大勢が第三国へと脱出し始めるだろう」とイスラエルのベザレル・スモトリッチ財務大臣は付け加えた。

 パレスチナ人をガザから強制的に追放するためにネタニヤフ政権が企む手段は大規模飢餓だ。74日間にわたり、ガザには食料、水、電気の供給が一切なく、栄養失調が急増している。ネタニヤフ政権は、食糧を武器にパレスチナ人の強制追放を企んでいる。

 だからこそ、ガザ地区における食糧配給を全面的に掌握するイスラエル提案は、非常に重要な意味を持つ。イスラエルは、あらゆる人道支援組織の活動を事実上禁止し、食糧配給を完全独占して、住民を自らの要求に従わせようとしている。

 米イスラエル計画によれば、住民が完全に国内避難民となった後、食糧配給はアメリカに拠点を置く「ガザ人道財団」が担当し、国防総省の請負業者が配給を運営し、配給拠点はアメリカ傭兵に警備される。

 水曜日「ガザ人道財団」は今月末までに活動を開始すると発表した。

 食糧配給は「アメリカ主導の基金自身に運営される」とイスラエルのダニー・ダノン国連大使は述べた。

 これらの行動に加え、先週「アメリカとイスラエルは、ワシントンが戦後暫定的にガザ地区の行政を主導する可能性について協議した」とロイター通信が報じた。

 全ての評判の良い国際人権団体は、住民の強制移住を目的とした「人道支援地域」設置というアメリカとイスラエルの提案を非難している。

 木曜日「人道的」計画への参加を国連は断固拒否し「この特定の配給計画は、公平性、中立性、独立性といった国連の基本原則に合致しておらず参加するつもりはない」と国連のファルハン・ハク副報道官が記者団に述べた。

 木曜日の声明で、イスラエルの計画は「ガザ地区で進行中の人道に対する罪、民族浄化とジェノサイド行為の忌まわしいエスカレーションに等しい」とヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。更に「イスラエルの封鎖は軍事戦術の域を超え、絶滅手段になっている」と付け加えた。

 木曜日にガザ地区全域で発生した大規模な攻撃により、パレスチナ人136人が死亡したと医療専門家の話を引用して、アルジャジーラが報じた。ガザ北部のジャバリーヤ難民キャンプと南部のハンユニスでも多数の死傷者が報告された。

 月曜日、国連が支援する総合食糧安全保障段階分類(IPC)は、ガザ地区の住民全体が「飢餓の危機」に直面していると警告した。同分類によると、ガザ地区では24万4000人が既に食糧「大惨事」に直面しており、これは大量飢餓の最悪レベルだ。この数字は、IPCが2024年10月に発表した前回報告書と比べて85%増加している。

 2023年10月7日以降、イスラエル攻撃により5万3000人のパレスチナ人が死亡したと今週、ガザ保健省が発表した。

 トランプ大統領は、75万人のパレスチナ人が家を追われ、530のパレスチナの町や村が破壊されるに至った1948年のナクバ(パレスチナの民族浄化)記念日に最新発言をした。

 アルジャジーラのインタビューで「1948年の民族浄化はパレスチナ人の半数が追放されたが不完全だった」とイスラエル人歴史家イラン・パペが語った。

 彼はさらに「できるだけ少ないパレスチナ人で、できるだけ多くを得ようとするのは、今もイスラエルの衝動だ」と付け加えた。ネタニヤフ政権は「今こそ、1948年に成し遂げられなかったことを成し遂げる歴史的機会と考えている」と付け加えた。「1948年には民族浄化が行われ、今ガザでジェノサイドが起きている」とパペは結論づけた。

初出: wsws

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/05/17/concluding-middle-east-tour-trump-reiterates-plan-for-us-to-take-gaza/