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BREXITは国家滅亡の道か国家再生の道か

田中宇の「国際ニュース解説」記事から部分転載。
なかなか行き届いた解説で、興味深い。イギリス対独仏の争いとか、トルコの存在の意味とか、表マスコミではほとんど取り上げない部分に踏み込んでいるのがいい。

田中宇は、EU離脱を「イギリスの自滅への道」と言っており、私とは意見を異にするが、これからイギリスが政治的に激動することは確かだと私も思う。ただ、それが「自滅への道」か、「国家再生への道」と見るかは主観の問題だろう。もちろん、私は後者の意見だ。
長い目で見れば、スコットランドや北アイルランドを失っても、イギリスにとってはそれがむしろメリットかもしれないのである。スコットランドや北アイルランドにとっても同様だ。そもそも、お互いに憎悪しあっている兄弟が、無理に一緒に住んでいる必要などない。経済的に見ても、この3国がお互いに依存しあっている必要性がどれだけあるというのだろうか。
まあ、たとえば、北朝鮮と韓国が一緒になるならいいとしても、明日から日本と韓国は一緒になりますとなったら、今の日本や韓国でその「日韓併合」に賛成する国民はほとんどいないだろう。むしろ、もうこりごりだと言う人がほとんどではないかwww


(以下引用)これは選挙前の記事である。


 国民投票でEU離脱派が勝つと、英国の国家戦略の大失敗になる。独仏の中枢には、米国の軍産複合体と結託して巧妙に動く英国が、無理な東欧諸国の加盟や対露敵視、エルドアンの横暴への許容など、EUを戦略的に失敗させているという不満がある。英国内の離脱派は「EUは英国を必要としている。英国が国民投票でEU離脱を決めたら、EUは焦り、今よりもっと良い条件でEUに加盟し続けてくれと提案してくるので大丈夫だ」と言っているが、大間違いだ。英国が離脱を可決したら、独仏は喜んで英国抜きで国家統合を加速するだろう。 (Why leaving the EU really does mean Brexit) (UK's Referendum, a prerequisite to restarting Europe


 国民投票で離脱派が勝っても、英政府はすぐにEUに離脱申請をしないかもしれない。離脱申請をすると、その日から2年後の離脱がEUのリスボン条約(50条)で定められており、あとに引けなくなる。英政府は、非公式な交渉をEUと始めたがるかもしれないし、保守党内で現首相のキャメロンを辞めさせて離脱派のボリス・ジョンソンが新首相になる党内選挙が先に行われるかもしれない。 (If it were done - There is some dispute over the mechanics of how to leave the EU) (Anatomy of a 'Brexit': What the aftermath would look like


 しかし、どちらにしても、国民投票で離脱派が勝つと、その後、英国はEU中枢での意思決定から外される。今のEUは実質的に、独仏英伊などの有力諸国の首脳の間の非公式協議で重要政策が、正式提案の前に決まってしまう非民主体制で、従来の英国は、ここに食い込んでEUを振り回してきた。国民投票で離脱派が勝つと、英国は離脱の道をたどり始めたことになり、EU中枢の非公式協議での発言権を失う。 (Brexit vote is about the supremacy of Parliament and nothing else) (No single market access for UK after Brexit, Wolfgang Schauble says


 最近のEUはひどく弱い状態だ。覇権衰退が加速する米国の勢力が、EUが統合を加速して対米自立(対露接近)していかないよう、全力で邪魔をしている。軍産複合体は、NATOを使って延々とロシア敵視策をやっている。米連銀は、欧州中央銀行(ECB)にQE(債券買い支え)やマイナス金利といった金融放蕩策をやらせ、欧州を米国の債券金融システム延命に協力させている。金融財政の放蕩を嫌うドイツは欧州中銀を止めようとしたが失敗し、ユーロはすでに出口のない危険な、金融的に麻薬中毒の状態にさせられている。対米従属一本槍の日本政府は、米国より先に自分らが潰れてもいいと思ってQEをやっているが、ドイツ(EU)はそんなつもりがないのに、ドルの身代わりになってユーロが潰れる道をたどっている。大馬鹿だ。 (Draghi Just Unleashed "QE For The Entire World"... And May Have Bailed Out US Shale) (Russians rally to the Brexit flag in Britain’s EU referendum


 エルドアンのトルコは、米軍産(国務省のビクトリア・ヌーランド次官補ら)に入れ知恵され、シリアなどから来た難民をEUに流入させ、欧州統合の柱の一つであるシェンゲン体制を破壊している。EUではトルコへの反感が強まっているが、対米従属が強いEU上層部は、米国(軍産)から「NATOの一員であるトルコを大事にしろ」と圧力をかけられ、エルドアンの言いなりになっている。このように、最近のEUは不甲斐ない状態なので、EU諸国の人々はEUを支持しない傾向を強めている。国民の間でのEUの支持率は、ドイツが50%、スペインが47%、フランスでは38%しかない。 (Ahead of Brexit vote, support for EU falls across Europe) (2 in 3 Germans want Merkel out after next year's elections) (Something is going on in France. A New French Revolution?


 EUへの支持が半分を切っている国が多い中で、英国が国民投票でEU離脱を決めると、他の諸国の政界でも「うちでも国民投票すべきだ」という主張が強まり、相次いで国民投票が行われて離脱派が勝ち、EUが解体しかねないという懸念が出ている。 (If 'Brexit' wins, fear gets into the marketplace: Bill Gross) (EU referendum: Swedish foreign minister warns Brexit 'could cause break-up of European Union'


 そうした懸念はあるが、逆にだからこそ、英国の国民投票で離脱派が勝ったら、英国勢がEUの政策決定に口出しできなくなることを利用して、独仏は全速力で財政や金融などの面の国家統合を進めようとすると予測できる。来年になるとドイツ(8-10月に議会選挙)やフランス(4-5月に大統領選挙)で大きな選挙が行われ、独仏は統合加速を進めにくくなる。その前に統合加速の動きがありうる。それを逃すと、来年の独仏の選挙で反EU勢力が伸長するかもしれず、EUの統合加速が困難になり、米国勢による破壊を受けてEUが解体・破綻する可能性が増す。(EUを作ったのも、壊すのも米国ということになる) (Farage Threatens To "Destroy The Old EU" As Marc Faber Says Brexit "Best Thing In British History") (Next German federal election - Wikipedia


 6月23日の国民投票で、英国全体ではEU離脱派が多数を占めたとしても、スコットランドでは住民の過半数がEU残留を支持する公算が強い。その場合、スコットランドとその他の英国で民意が相反することになり、スコットランドは英国からの独立を問う住民投票を3年以内に行うことになる。14年の投票では否決されたが、あの時は英国がEUに加盟していた。次回は独立派が勝つだろう。英国がEUから離脱すると、スコットランドは英国から独立してEUに加盟する道を歩む。 (Brexit would trigger second Scottish referendum within three years, Alex Salmond warns


 英国は、アイルランド系住民が多い北アイルランドを支配している。従来は、アイルランドも英国もEUに加盟していたので、北アイルランドとアイルランドの間は自由往来できたが、英国がEUを離脱すると条件が変わり、北アイルランドの分離独立運動が再燃しそうだ。英国はEUを離脱すると、スコットランドに独立され、北アイルランドも紛争に逆戻りする。国際金融におけるロンドンの地位低下も不可避だ。すでにロンドンの金融界では、外国銀行が業容縮小の準備を始めている。 (Brexit: Banks prepare for City exodus in wake of vote


 6月23日の国民投票でEU残留支持が勝てば、これらの英国の自滅への道は出現しない。その代わり、EUの国家統合に参加する動きになり、英国の国権がEUに剥奪されていく傾向が強まる。

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