マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-305561.html
<転載開始>


ロレンツォ・マリア・パチーニ
2025年1月23日
Strategic Culture Foundation

 イーロン・マスクの指導力に委ねられた新省庁DOGEには明確にすべきことがある。

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 TRUMP 2.0政権の新たな体制で、イーロン・マスクの指導力に委ねられた新省庁DOGEが登場する。これには明確にすべきことがある。

(当面)DOGEとは一体何なのか
 DOGEはDepartment of Government Efficiency (政府効率化局) の略称で、アメリカの行政分野における取り組みを表し、イーロン・マスクの指導力に委ねられている。この組織は連邦政府の外部機関(この詳細を覚えておいてください) として構想され、政府支出の合理化と官僚主義の削減に関する戦略的指導を提供するのを目的とした諮問委員会として機能する。

 言い換えれば、革新的で技術的に先進的な事業手法を活用して、官僚機構を解体し、過剰な規制を減らし、不必要な支出を削減し、連邦政府機関を再編することを目指している。彼の使命は、国民のニーズに効率的に対応し、無駄を最小限に抑え、意思決定過程を合理化できる、より身軽で応答性の高い政府を推進することだ。
 
さて問題は、一体なぜマスクが選ばれたのか、ということだ。

 理由は簡単だ。プレトリアを拠点とする億万長者は、未来志向の構想や様々な分野で技術的ソリューションを実装する能力で知られているため、データ分析や人工知能の使用や政府内でのある種の企業管理に基づく独特の方法論を彼がもたらすのをトランプは期待している。公共資源の、より透明でアクセスしやすい管理を可能にするために、透明性と行政の効率性が求められている。

 つまり、DOGEは伝統的政府機関として設立されたのではなく、大規模な構造改革を推進するためにホワイトハウスや行政管理予算局と連携して活動する諮問機関として設立されたのだ。

 そう。外部のもので、納税者の金で支払われ、内部に影響を与えるものだ。

 興味深い事実:この部門の影響の可能性は、2026年7月4日までに活動が終了すると予想されるマンハッタン計画に匹敵すると考える人もいる。マンハッタン計画は、第二次世界大戦中にアメリカ、イギリス、カナダ間で原子爆弾を開発するために契約された「極秘」研究開発プロジェクトだった。プロジェクトの結果は何を意味したのだろう? 簡単に言えば、結果的に、核軍拡競争、核抑止力など戦争の進路と世界全体の様相が変化したことだ。

 「トランプの側近」は一体何をしたいのか? この論理に従えば、アメリカ政権の本格的原子力革命となる。そしておそらく彼らはまさにそれを実現するだろう。
 
何か変だ…

 繰り返すが、内部に影響力を持つ外部組織だ。舵取りはイーロン・マスクだ。

 ディープステートとは、国家とその機構に何をどのように行うべきか指示する銀行家に過ぎないと仮定すると、これは国家により「標準化」されただけの同じことだと思われないだろうか?

 それは当然の疑問だ。なぜトランスヒューマニズムや金融や軍事研究や通信分野で億万長者になった大富豪を、政府に対する「外部からの影響力」として受け入れるのだろう。それは既に多くの超国家的権力の支配者連中がしていることではないだろうか。そうすると一体何が変わるのだろう。

 これは問うべき正しい疑問だ。

 イーロン・マスクは、現代最大の政府機関向け民間請負業者だ。主にアメリカの防衛と安全保障やスターリンクや、テスラが多額の資金提供を受けている中国とも契約している。今後、連邦政府機関をどう管理するかを決定しなければならない人物なのだ。

 明らかに、この過程の性質は「利益相反」の概念を超えている。

 ディープステートの正式化を我々は目撃しており、これは公と私の微妙な境界線を更に曖昧にする一歩となるだろう。

 「Doge、ドージェ」という言葉は、寡頭制商業共和国だったヴェネツィア共和国の首長を象徴的に指している。これは、この省庁、あるいは、より広く言えば、トランプ第2政権がどうなるかを暗示しているのだろうか?

 さらに重要なのは、一体なぜアメリカ人や植民地の人々が、そのようなことを受け入れなければならないのかだ。長年ディープステートと戦ってきたのに、それが政府の身中に入ってしまうとは。素晴らしい。

 おそらく、新たな政治関係、新たなパラダイムの時代が始まろうとしているのだ。もしマスクのDOGEが実際そうなれば、近代、理解されている政治の多くの側面を我々は再理論化しなければならないだろう。理論と実践だ。

 当面、DOGEが運用開始されるのを我々が待つ中、いくつか観察結果を共有できる。

1. 民主主義における政治権力は代表制の原則に基づいている。代表制とは、国民が選挙を通じて意思決定能力の一部(政治的決定、立法、統治)を代表者に委任する過程だ。代表制の正当性がなければ、民主主義は存在しない。代表制は、国民主権、国民の選択の自由、選出された代表者の説明責任と責任に基づいている。

 そうすることで、DOGEは、ipso facto(それ自体により)、代表の必要性と有効性を恣意的に無効にし、民主主義を美的仮想化にまで改ざんし、外部からの干渉形態を本当に正当化する可能性がある。

2. 民主主義は我々にとって興味のないもので、またDOGEの活動によって民主主義が最終的に終了または偽造されるのを認めれば、寡頭制貴族制のような一種の政治的ハイブリッドが形成されることになる。それが外部政治組織である事実は、政府に対し説明責任を負う必要さえなく、おそらく政府がDOGEに対し、決定権を持たないことを示唆している。文字通り「並行共和国」だ。

 このことから、この構成の法制度と政治慣行について疑問が生じる。DOGEがアメリカ政治において、どのような、またどの程度の権力を持つことになるのかは不明だ。どのような立法上の裏付けがあるのかも不明だ。建国の父祖たちが定義した国家権力の三権分立が突如崩壊する。

3. 大統領はどうなるのだろう。外部組織が政府に可能性として無制限の影響を与えられるとすれば、実際に権力を持つのは一体誰だろう。元首なのか大統領なのか。

 これは決して些細な疑問ではない。選挙で選ばれたのは大統領で、DOGEではない。マスクは誰からも直接投票で選ばれたわけではないが、それでも彼は巨大な権力を手にしており、これは彼の経済力の拡大と再形成とも解釈できる。

 アメリカ政治の新たな方向性を探るのは興味深い。確かに衝撃的なのは、ディープステートが名前や象徴を変えようと、機能は変わらないことだ。全てコミュニケーションの問題だ。情報戦は、かつてないほど機能している。

 ところで、このアメリカのいたずらっ子連中は、海洋共和国ヴェネツィアからDOGEという名前を選んだ。まさに海洋国家らしい選択だ。この海の帝国は艦隊を準備中だ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/01/23/doge-aka-deep-state-made-official/