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徽宗皇帝のブログ

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TPPは成立しないと見る二人の情報通
「増田俊男の時事直言!」から転載。
まあ、米国の大物政治家とサシで面談できる、など法螺臭い話もあるが、彼が米国の政治の内部事情に詳しいこと、情報のパイプを持っていることは確かだと思うから、話半分で聞いておくのもいいのではないか。
意外なことに、増田俊男も田中宇と同じく「米国は多極主義へ向かっている」という考えのようだ。もちろん、表の政治の話ではなく、「政治を裏で支配する者たち」つまり経済界の話だろう。まあ、だからこそ中国のあの異常な経済発展もあったのだとは思う。ただ、それが政治の上での米国の様々な失敗まで「隠れ多極主義者の意図的な誘導によるものだ」とする田中宇の意見にはどうも私は頷きかねるのだが。つまり、「失敗を目的とした政策」という面倒くさいことをするよりも効率的なやり方があるだろう、と思えるからだ。具体的にはこの部分だ。

ベトナム戦争もイラク戦争も、単独覇権を過激に追求してわざと失敗させ、
多極型世界を実現する流れだ。

これはどうも私には信じがたい。ベトナム戦争はただの米国の軍事的ミスであり、「失敗を目的として煽った」という存在がいたとは思えない。勝利を希望して煽ったが、たまたま失敗したからいろいろ善後策を講じただけだろう。それが次第に経済拠点の多極化に結果的に向かっただけではないか。それにイラク戦争が失敗だったというのはどういう見方からなのだろうか。田中宇は政治の背後の勢力の力を過大に評価しすぎて、すべて彼らが最初から計画した通り、と妄想しているのではないか。オズの魔法使いの幻影に怯えるオズの住人のようなものだ。
まあ、日本の太平洋戦争も「敗戦を目的とした参戦だ」とする見方もあるくらいで、私の方が政治に関してナイーブ(素朴、つまり幼児的)なのかもしれない。
その田中宇の文章の一部を「ギャラリー酔いどれ」から引用しておく。二つの文章を読み比べるのも面白いのではないか。二人ともTPPは破棄される、と見ている。また、二人ともTPP参加を望んだのはむしろ日本である、としているのも面白い。まさに、売国官僚と、その手羽先の自公政治家!




(以下引用)

TPP(環太平洋経済連携協定)と安保法制


TPPの交渉が始まった当初、参加国は豪州、ニュージーランド、周辺の中小国で日本は入っていなかった。日本は3年前から急に参加を決め最も熱心に合意を目指した。今回の大筋合意は甘利担当大臣の強い意志とイニシアチブで妥協出来たと言っても過言ではない。言うまでもなくTPPは世界貿易の40%を占める世界最大の重貿易圏の構築であり、オバマ大統領が「中国などではなく我々が世界経済のルールを作るのだ」と言うようにアメリカに代わって世界の経済覇権を狙う中国を意識していることは確かである。つまりTPPはアメリカのドル市場拡大の為であり、アメリカの一極経済覇権に挑戦する中・露を意識したアメリカの経済覇権の再構築である。アメリカは、日本経済がアメリカより中国に大きく依存していることから当初から日本をTPPメンバーとして考えず「中立的存在」としていた。
戦後日本を対米属国化した政治的理由は米ソ冷戦の為であって、今日のようにアメリカ自身が世界覇権の多極化を推進している時アメリカ追従を求め続ける日本はアメリカにとって迷惑なのである。ちょうど今中東での米単独覇権が崩れロシア・イランに移ろうとしているように戦後から続いた米単独覇権はアメリカ、中国、ロシア、欧州との間の地政学的力学の葛藤で急速に覇権の多様化が進んでいる。日本は集団的自衛権強化と安全法制で積極的に米軍の傘下になろうとすると同時に積極的TPP推進で経済的にもアメリカ主導経済圏従属を求める。まるで執拗にアメリカを追う日本、逃げるアメリカの姿である。
日本の官僚が政治を支配し官僚国日本を永続させるためには「虎(米国)の威を借る狐(官僚)」でなくてはならず、どこまでもアメリカの属国になろうとする。
来週私はアメリカの民主党と共和党大統領候補等の大物に会いTPPについて私の意見を述べる。「域内無関税を求める前に域内の為替管理方式を決めるべき」が私の意見。いくら域内各国の関税率を決めても黒田日銀のようなGDP比75%(FRB22%、ECB18%)の通貨安政策で対象品目の競争力を操作されたのでは機能しない。又CIAやNSA(国家安全保障局)の幹部と会ってシリア内戦終結後の戦略等について話し合う予定。民主党ヒラリー候補も他の有力な民主党の大物たちもTPP反対、共和党は100%反対で議会全体の90%は反対だからオバマ大統領の拒否権も効かずアメリカのTPP批准はあり得ない。アメリカのTPP批准が無ければアジアと世界の草木はどこへ向かって流れるのだろうか。
「慌てる乞食は貰いが少ない」!


(引用2)


世界的な長期の流れとして、戦後70年続いてきた米単独覇権の世界体制が崩れ、
多極型の覇権構造に転換すると、
国民国家が至高の存在である という世界的な観念が過去のものになっていき、
各地で国家間の統合が進むシナリオが、
米国のCFR(外交問題評議会)などによって、折に触れてうそぶかれている。

それを「陰謀論」と無視するのは簡単だが、EUや、露主導のユーラシア同盟、
BRICSなどの動きを見ると、多極化は国民国家間の統合につながるだろうと感じられる。

米加軍事統合は、そうした動きの一つだ。

1民族1島国の天然国民国家の日本人には知覚・理解しにくい流れだ。

米国が関与する地域統合のもう一つの動きは、10月5日に交渉が妥結したTPPだ。

TPPは、米加メキシコの北米3カ国が1993年に締結した貿易協定である
NAFTAを基盤に、中南米やアジア太平洋の親米諸国を加えて新たな貿易圏を作る計画で、
拡大NAFTAともいうべきものだ。

米国は、アジア太平洋諸国とのTPPと、欧州(EU)との協定であるTTIPという、
2つの似た内容の自由貿易圏を同時並行的に交渉して設置することで、
米国中心の新たな経済覇権体制として構築しようとしてきた。

だがTTIPは、24の全項目のうち10項目についてしか
米欧双方の意見表明がおこなわれておらず、対立点の整理すら未完成で、まだ交渉に入っていない。

EUでは、署名活動として史上最多の300万人がTTIPに反対する署名を行った

TPPもTTIPも、企業が超国家的な法廷(裁定機関)をあやつって
国権を超越できるISDS条項や、
交渉中の協定文が機密指定され国会議員でも見ることが許されていない

(米議会では数人が見たらしいが、日本の国会議員は誰も見ていない)など、
国民国家の主権を否定する傾向が強い


EUの調査では、欧州市民の96%がTTIPに反対だというが、当然だ

すでに書いたように、EUは今後、米国との同盟関係を希薄化して
露中への接近を加速し、
米単独覇権体制を見捨てて 多極型世界の「極」の一つをめざすだろう。

欧州がTTIPに同意する可能性は今後さらに低くなる。

おそらくTTIPは破棄される

TPPだけが残るが、TPPは拡大NAFTAであり、米単独覇権体制の強化でなく、
多極型世界における米国周辺地域の統合を強化するものになる。
(米国の中枢には、単独覇権体制を声高に希求する人々と、
多極型世界をこっそり希求する人々がいる。
ベトナム戦争もイラク戦争も、単独覇権を過激に追求してわざと失敗させ、
多極型世界を実現する流れだ。単独覇権型の貿易体制が多極型の体制に化けても不思議でない)

以前、日本はTPPの交渉に入っていなかった。

日本がTPP交渉に途中から参加し、今や米国より熱心な推進者になっている理由は、
世界の多極化が進む中で、何とかして自国を米国の傘下に置き続けたいから


日本の権力者が国際的に自立した野心を持っているなら、対米従属の継続を望まないだろうが、
戦後の日本の隠然独裁的な権力者である官僚機構は、
日本を対米従属させることで権力を維持してきた


対米従属下では、日本の国会(政治家)よりも米国の方が上位にあり
官僚(外務省など)は米国の意志を解釈する権限を乱用し、
官僚が政治家を抑えて権力を持ち続けられる


近年では、08-09年の小沢鳩山の政権が、官僚独裁体制の破壊を画策したが惨敗している。
対米従属は、官僚という日本の権力機構にとって何よりも重要なものだ

TPPは、米国の多国籍企業が、ISDS条項などを使って日本政府の政策をねじ曲げて、
日本の生産者を壊滅させつつ日本市場に入り込むことに道を開く。

日本経済を米企業の餌食にする体制がTPPだが、
日本の権力である官僚機構にとっては、
米政府に影響力を持つ米企業が 日本で経済利権をむさぼり続けられる構図を作った方が、
米国に日本を支配し続けたいと思わせられ、
官僚が日本の権力を握り続ける対米従属の構図を維持できるので好都合だ


米企業が日本でぼろ儲けし、日本の生産者がひどい目に遭うことが、
官僚にとってTPPの成功になる。

官僚が、意志表示もほとんどしない国民の生活より、
自分たちの権力維持を大事と考えるのは、人間のさがとして自然だ。

米国はTPPに対し、貿易だけでなく経済システム全般の枠組みとして、
今後の米国の影響圏設定の意味づけを持たせている。

TPPに入れば、日本は、米国の影響圏内にいることを明示でき、世界が多極化した今後も、
米国の経済システムの中に入って対米従属を続けられるが、
TPPに入らなければ、日本は中国の影響圏に入るしかない。

今夏以降、中国経済が減速すると、日本経済が大打撃を受け、
2四半期連続マイナス成長の不況入りが濃厚になっている。

すでに日本経済は、米国などTPP圏より、中国に依存する度合いが強くなっている。
長期的に見て、米経済は巨大な金融バブル崩壊の過程にあるので、
日本経済にとって米国より中国の方が重要である傾向が、今後さらに強まる。

放っておけば、日本は経済面から中国の傘下に引き込まれていく。
隣の韓国は、経済面で中国の傘下に入ることをすでに容認している。

TPPに入っても、日本経済の中国依存が減るわけではない。
TPPはもっと政治的、国際システム的、象徴的なものとして、
日本が中国でなく米国の傘下にあることを示すものだ。

TPPが重要なのは、関税率とか「コメや乳製品が値下がりして国民生活を助けます」
とかいう経済面でなく、TPPが経済政策の政治的な枠組みであり、
日本が米国の傘下にとどまるか、中国の傘下に追い出されるかという、
多極化する世界の中での今後の日本の位置づけを明示している点だ。

日本ではここ数年、国民が中国や韓国を嫌うように仕向けるプロパガンダが
マスコ"ミによって流布され、それを国民の多くが軽信している。

こうした洗脳戦略も、米国が衰退して中国が台頭する多極化の傾向への対策だろう。
洗脳戦略がなかったら、
国民のしだいに多くが「米国より中国と組んだ方が日本経済のためだ」
「TPPでなく日中韓で貿易圏を作れば良い」と思うようになり、
民意主導で日本が対米従属から離脱していってしまう。

それを防ぐため、国民が中国や韓国を「敵視」するのでなく「嫌悪」するよう仕向ける
洗脳戦略が採られ、かなり成功している
(敵視を扇動すると、日本が中国に対して攻撃的に関与してしまうことにつながり、
どこかの時点で日中が折り合って和解してしまいかねない)。

TPPと並んで、自衛隊が米軍と一緒に海外派兵できるようにする
日本の集団的自衛権の強化も、対米従属維持のためだ。

先に書いた、カナダ軍が米軍の傘下に入って海外派兵する新体制を作ろうとする米加軍事統合を、
日本の集団的自衛権の強化と並べてみると、2つが良く似ていることに気づく。

カナダは米国から「多極化の中で国家統合を進めたいなら、カナダ軍が米軍の傘下に入って
海外派兵できるようにしろ」と言われ、迷いつつ進めている。

それを見た日本外務省が「うちも、米軍の傘下に入って海外派兵できるようにしますので、
多極型世界における北米圏に入れてもらって良いですか」と申し出た。

米国は了承し、日本は集団的自衛権を改訂した。

NAFTA(北米経済圏)の拡大版であるTPPに、
日本が何とかして入ろうとしたのと同じ構図だ。

日本では、米国が昔から将来までずっと日本を傘下に入れ続けたいのだという勘違いが、
意図的に流布されている。

米国は歴史的に、ハワイやグアムを自国領にしたり、フィリピンを植民地にするなど、
太平洋を自国の影響圏として設定してきたが、そこには日本が入っていなかった。

単独覇権から多極型世界への(隠然とした)シナリオだった911前の
サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」でも、
日本は、米国にも中国にも従属しない孤立文明に分類されていた

TPPでも、米国は当初、米国と同様アングロサクソンの国である豪州とニュージーランド、
豪州とフィリピンの間にある中小の諸国をTPPの交渉に入れていたが、
日本を入れていなかった。

第二次大戦後、米国が日本を自国の影響圏に入れておいたのは、
ソ連や中国との冷戦構造があったからだ。

日本は、米国が中露と対立している限り、米国にとって有益な場所にあるが、
世界が多極型になり、米国と中露が対等な関係で協調するようになると、
米国が日本を傘下に入れておくとやっかいなことになる。

日本は、米国の傘下に居続けるため、中露と米国の恒久対立を望み、
中露と軍事対立し続けたい軍産複合体と結託し、多極型の世界運営の邪魔になる。

だから、米国の単独覇権を過激に強化するふりをして破壊して
こっそり多極型覇権に転換する策をやっているオバマ(や共和党の隠れ多極主義勢力)は、
日本が延々と対米従属し続けることを望んでいない。

オバマの本心は、TPPをまとめず頓挫させたかったのではないかと思われる。

今回、TPPの交渉が妥結した一因は、
乳製品問題で前回の交渉を頓挫させたニュージーランドを、
日本が輸入増で譲歩してなだめたからだ。

バイオ医薬品の独占期間の5年+3年の解決方法も日本が進めた。

TPPは、日本のイニシアチブで妥結した。

安倍政権を動かしている日本の官僚機構は、多極化が進んで
日本が米国圏から切り離される前に米国にしがみつこうと、これまでにない積極性で
対米従属を強化している


日本が主導してTPPを妥結に持ち込んだのはその一つだし、
説明抜きで無理矢理に集団的自衛権を強化したのもそうだ。

日本の主導権発揮を受け、オバマはTPPの妥結を容認した。

しかし、中東や対露関係から判断してオバマは隠れ多極主義者であると考えられるので、
このまますんなりTPPが実現していくとは考えにくい。

10月中のカナダの選挙で右派の与党が負けると、
カナダ議会がTPPの批准を否決する可能性が強まる。

米議会でも超党派でTPPへの反対があり、
来年の大統領選挙で勝ちそうな共和党のトランプもTPPに反対だ。

TPPをめぐる戦いはまだ終わっていない




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