ドイツ政府は25日、ウクライナへドイツ製の戦車「レオパルト2」を供与することを決定したと発表した。ドイツは2つの戦車大隊を構築する意向。第1段階では、ドイツ連邦軍の在庫から1個中隊に相当する レオパルト2「A6型」14 両を供与する計画。また他国が「レオパルト2」をウクライナへ供与することも承認した。
ローゼ氏は、今回の供与が紛争の流れを変える助けになる可能性は低いと述べている。
「これはウクライナ軍の戦闘能力と士気が完全に崩れないようにするための、むしろ苦肉の策ではないかと思う」
ローゼ氏は、NATO規格に準拠したドイツ軍での戦車兵の訓練には少なくとも1年かかり、戦車そのものの準備などにも時間がかかることに言及した。
「また戦場では戦車があるだけでは役に立たない。装甲部隊や機械化歩兵の複合的な連携が必要であり、これはハイレベルの共同作業だ。そして、これをあらゆる角度から実践で教える必要がある。このような結果は数週間で達成できるものではない」
ローゼ氏はまた、レオパルト戦車の燃費が悪いことを指摘し、この事実も重要だとの考えを示した。すでに現在ウクライナ軍は旧ソ連製の戦車でも燃料の問題を抱えているという。またロシア軍は、西側がウクライナに供与した兵器も標的としており、砲塔部分の装甲がかなり薄い戦車は格好の標的だという。
ローゼ氏は、西側の戦車は複雑な修理を要するため戦場で修理するのはほぼ不可能であり、修理工場がスロバキアにあるのも状況を悪化させていると述べている。
「したがって装甲部隊や機械化歩兵が領土の奥深くへ進むための古典的な作戦が概してどれほど有効なのか、また今回の供与が心理的効果の他にどのような戦術的価値をもたらすのだろうかという疑問が生じる」
ローゼ氏は、第三国がウクライナへ兵器を供与する目的の1つは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が戦争の遂行を研究したり、自分たちは直接参加せずに新たな技術を試すことだと考えている。同氏はその理由として、ウクライナ軍が衛星インターネットサービス「スターリンク」を利用するのを見本にして、ドイツが自国の大砲使用に関する原則を見直していることを挙げている。
またローゼ氏は、自身の観察やドイツ政府の発表を考慮し、戦車供与をめぐるドイツの決定が外部の観測者には隠された複数の目的や動機を含んでいる可能性もあるとの見方を示している。ローゼ氏は、ドイツのショルツ首相が最後まで戦車供与を渋っていたことに注目するよう呼びかけ、今回の決定は「西側による侵略の首謀者」である米国によって推し進められたものだと指摘した。
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