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徽宗皇帝のブログ

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メモ日記トゥディ「常用漢字改訂の裏側」 10・4・18
常用漢字改訂の最終案が今朝の朝刊に掲載されていた。
ほとんどの人は興味も持たないニュースだろうが、私は興味がある。私の趣味は分析と解釈だが、物事が些細であっても、案外と大きな背景を持った事象というものがあり、常用漢字などもその一つだと思うからである。
以前の改定では、我々が「常用しない」漢字であるにも関わらず、法律用語と皇室用語が幾つか採用されたのが面白かったが、今回も法律用語関連の漢字が多い。それと、病院・介護関係の漢字が多い。
それからわかるのは、今後、病院関係にビジネスと法律(役所)が大きく関係してくるということだ。その下準備としての常用漢字改訂なのである。

まず、法律関係では「淫」「毀」「錮」「勾」「狙」「骸」「痕」「挫」「遡」「踪」「捉」「填」「賭」「蔽」「拉」「賂」などがある。これらは法律関係には限らないが、少なくとも犯罪関係の語彙であり、常用漢字の改訂は、「お役所の仕事のために」改訂されるのが基本だと見ていい。ついでながら、これらの字がなぜ必要かと言うと、次の熟語のためである。
「淫行」「毀損」「禁錮」「勾留」「狙撃」「死骸」「痕跡」「挫傷」「遡及」「失踪」「補填」「賭博」「隠蔽」「拉致」「賄賂」など。

次に、病院・介護関係では、「萎」「咽」「鬱」「潰」「蓋」「顎」「臼」「嗅」「股」「梗」「塞」「喉」「腫」「瘍」「拭」「尻」「腎」「醒」「脊」「椎」「腺」「膳」「箸」「痩」「唾」「貼」「爪」「瞳」「剥」「斑」「匂」「捻」「眉」「膝」「肘」「訃」「哺」「貌」「頬」「勃」「枕」「呂」「脇」など、圧倒的な多さである。これらが病院・介護関係の法律整備や報告書のために追加されたのは一目瞭然だろう。
これらの字の中には単独で用いる「膳」「箸」「枕」などがあり、それらは日常語でもあるが、それ以外の字は明らかに病院関係だ。「萎縮」「咽喉」「鬱病」「潰瘍」「口蓋」「臼歯」「嗅覚」「心筋梗塞」「腫瘍」「清拭」「腎臓」「覚醒」「脊椎」「前立腺」「瞳孔」「剥離」「斑点(紫斑)」「捻転」「容貌(顔貌)」「勃起」「風呂」などの熟語が考えられる。「清拭」や「風呂」は病人や老人の看護には付き物の作業である。

これが表すのは、今後、病院のビジネス化がいっそう進んでいくということである。大手企業が病院ビジネスに参入する、その下準備としての常用漢字改訂なのだろう。役人はその内意を受けて、改訂作業をしたわけだ。べつに、国民生活の便宜のための改訂などではない。
それはまあ、「餅」だの「鍋」だのという漢字は常用漢字として妥当な選択かもしれないが、そうした漢字はあまりに少ない。ほとんどが病院関係であるというのは、明らかに異常な選択ではないだろうか。
たかが常用漢字でも、その背後にあるものはなかなか大きい。

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