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徽宗皇帝のブログ

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採用段階で既に洗脳
これは就職を前にした学生だけでなく、厚労省などの官僚や野党政治家も読んでおくべき記事だと思うが、長文なので途中を略した。実は、その略した部分(採用テスト内容)が一番驚愕的である。ぜひ、元記事を読んでほしい。



(以下引用)




学生に「不条理さ」を体感させるブラック企業の異様な採用選考


3/22(木) 21:00配信


文春オンライン


 現代の日本社会には、若者を食い物にする「ブラック」な仕組みが満ちあふれている。

 その嚆矢ともいえる「ブラック企業」は、若者(特に大学新卒)を大量に採用し、過酷な労働で使い潰す企業のことを指す。彼らの労務管理の重要な点は、彼らがあたかも好待遇であるかのように「正社員」として採用する手法を採っていることにある。「人手不足」が言われてはいるが、失業者や非正規労働者は今でも少なくない。ブラック企業にだまされる若者は後を絶たないのが現状だ。

 間もなく就職活動シーズンを迎えるが、本稿ではブラック企業の特徴である「異様な採用選考」を扱う。過酷な労働に従事させるべく、大量採用した若者を戦略的に心理的に追い詰めていく、あくどい手法の実態と対処法について、実例をもとに解説していこう。


13人いた同期は半年で8人が辞めた

 私が代表理事を務めるNPO法人POSSEでは、日々若者からの労働相談を受けており、総数は年間2000件を超える(連携するユニオンを含めると、4000件に及ぶ)。まず、その中から、今回のテーマである「異様な採用選考」の実例を紹介する。

 問題の会社(以下、A社)はフェイシャルエステを行う小規模の企業である。被害者は、大学新卒で同社に入社した。自分が敏感肌で、ケアすることで肌の状態に大きな差が出る経験をしていたため。同社では、痩身でなく、「肌をきれいにする仕事」ができると思って応募した。

 だが、この入社先がまさにブラック企業だった。求人情報では勤務時間は「12時~21時」とされていたが、実際は10時から23時半まで当たり前に働かされた。また、リクナビの募集要項には、給与が基本給15万1000円、職務手当3万だと書かれていたが、実際にはこの3万円分は「残業代」だと入社後に知らされた(典型的な「求人詐欺」である)。

 長時間労働から体調を崩し、13人いた同期は半年で8人が辞めた。中には医師の診断書を渡しても休ませてもらえなかった社員もいた。彼女は親が強制的に連れて帰ったという。相談に訪れた本人も適応障害と診断され、休職せざるを得ない状況に陥っていた。

 A社はまさに、大量に新卒を採用して長時間労働で使い潰す、典型的なブラック企業だといってよいだろう。



(中略)



周到に考え抜かれた心理操作のプログラムに見える

 こうした不合理で理不尽な採用選考・研修は、ブラック企業に共通している。彼らがそうした研修を行う理由は簡単だ。就労後の異常な労働環境に従う態度を身に付けさせることが目的だからだ。私には、実は周到に考え抜かれた心理操作のプログラムに見えるのである。

 特に、採用元のA社で「求人詐欺」が行われている点に注目したい。「求人詐欺」はブラック企業の典型的な採用方法で、職務手当に3万円などの固定残業代を含ませて表示し、実際の労働条件よりも高く見せる採用方法である。エステ業界をはじめ、人手不足のサービス業では横行している。

 だが、だまされて採用された若者たちは、当然すぐに辞めてしまうことになる。もちろん、就職後にすぐに辞めてしまうと履歴書に傷がつく(ブラック企業は意図的に「履歴書を人質にとっている」のである)。とはいえ、「だまされた」感情を抱えたままでは仕事にやる気は起きないだろう。

 そこで、異様な採用選考・研修が威力を発揮するわけだ。採用・研修の段階で「理不尽な状況」に耐える力を養うことで、求人詐欺が発覚する時点では、もはやおかしいと思う冷静さや社会常識は破壊されている。つまり、こうした「異様な採用選考」は、ただ若者を従順にするだけではなく、それによって、最悪の労働条件で採用しているにもかかわらず、できるだけ長く働いてもらうことをも可能にするのである。

 こうした心理操作に関し、ブラック企業は社運をかけて研究しているし、外部の専門機関も日々、成長し、やり方を洗練させている。いかにブラック企業の「使い潰し」を目的とした採用・労務管理が周到に準備されているのかがわかるだろう。世に知られるようになったからと言って、決してブラック企業を侮ってはならないのである。


異様さに気付いたら、すぐ専門家に相談を

 今回のケースは、ブラック企業の被害にあった当人たちが、たまたま採用選考での「洗脳」に強く影響を受けていなかったため(むしろ、ハマっていく同僚に異様さを感じていた)、早期に私たちへの労働相談に結びついた。

 結果として、労使交渉の末、A社からは未払いの賃金などを回収することもできた。当人は現在、体調を回復させ、新しい仕事に向けて専門学校に通っている。

 政府が「働き方改革」の成果を強調する一方で、「異様な採用選考・研修」を用いて問題自体を封じてしまうブラック企業はますます増えている。若者には「洗脳」に対する心構えを持ってほしいとともに、周囲の親・教師にもその危険性を広く知っていただきたい。

 そして、「求人詐欺」や「異様な採用選考・研修」の存在に気付いた段階で早期に私たち外部の専門家へと橋渡しをしてほしい。今回の事例のように、残業代だけではなく、場合によっては採用選考・研修自体による被害(精神疾患など)についても賠償を得ることができることがある。

 早めの外部機関への相談は、よりよい解決へ導く最良の方法であることを強調しておきたい(下記に無料相談窓口を掲載しておいた)。

INFORMATIONNPO法人POSSE
03-6699-9359 
soudan@npoposse.jp  
http://www.npoposse.jp/



今野 晴貴







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