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敗北「主義」とは何か

「日経ビジネス」から転載。
特に重要な情報や知見が含まれているわけではないが、ここに書かれた心情は、私とほぼ同じなので、「共謀罪」を巡る一連の動きに関する私自身の気持ちの代弁として載せる。
まあ、要するに「あきらめの境地」である。それを「敗北主義」と言ってもいいが、敗北は「主義」になるような性質のものではない。どんな戦いでも心から自分の敗北を望む人間というものが存在するなら、それは「敗北主義者」と言ってもいいだろうが、通常は、勝利至上主義者たちが厭戦的な側に向かって浴びせる悪口が「敗北主義」の言葉だ。
「これは負け戦だ」というのは冷徹な判断であり、その「負け戦」を認めない指揮官が、部下に特攻を命じ、「総員玉砕せよ」となるわけだ。
では、敗北を認め、後退した場合に「次の戦い」はあるだろうか。その「次の戦い」を不可能にさせるための法案が「共謀罪」なのだから、この敗戦は「無条件降伏」につながるのではないか、という考えもある。
だが、最終的な敗北は、戦っている当人が敗北を認めた時だけである。局地戦での敗北は、どんな戦争でもあることだ。最後の最後にはジャングルにこもって一人でゲリラ戦をする、という戦い方もあるwww

何かをあきらめたらすべてをあきらめねばならない、という理屈は無い。後の戦いで勝てば、以前のこともすべて引っくり返せる、という「オセロ」のようなゲームもある。



(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。




小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明

「共謀罪」がスムーズに成立する背景



  • 小田嶋 隆

    小田嶋 隆

    コラムニスト

    1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。





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2017年5月19日(金)


 

     

 「共謀罪」は近いうちに成立するだろう。

 既にいくつかの媒体を通じて明らかにしている通り、私は、今国会に提出されている「テロ等準備罪法案」を支持していない。


 が、当法案がほどなく成立することは、既定の事実だと思っている。法案が否決される可能性にも期待していない。
 つまり、あきらめている。


 「簡単にあきらめてはいけない」
 「法案の成立を阻止するために、あらゆる手段で、共謀罪の危険性を訴え続けるべきだ」
 「政治が参加の過程であることを思えば、傍観者になるのが一番いけないことだ」
 「あきらめることは、共謀罪の成立に加担するに等しい敗北主義者の態度だ」


 という意見があることは承知している。
 でも、私はあきらめている。


 もっと言えば、奇妙な言い方ではあるが、私は、この件については、あきらめた先にしか未来はないと思っている。


 というのも、私たちは、国政選挙を通じて、現政権ならびに与党勢力に、法案を単独で可決するに足る議席を与えてしまっているからだ。このことを忘れてはならない。というよりも、共謀罪に反対する立場の人間であれば、なおのこと、政権与党が備えている力の大きさを直視しなければならないはずなのだ。


 別の言い方をすれば、共謀罪に反対する人々は、その自分たちの考えが、当面、何の実効性も持っていないことを認めるところから出発しないと、次の段階に進むことができないということだ。


 その「次の段階」の話は、後で述べる。


 世論調査の結果や、ネット上での議論を見るに、「共謀罪」(この法律について「テロ等準備罪」と書いているメディアもあるが、当稿では、私自身が以前から「共謀罪」と呼んできた経緯を踏まえて、「共謀罪」と、カギカッコ付きで表記する)に警戒心を抱いている国民は、そんなに多くない。


 金田勝年法相の答弁のお粗末さにもかかわらず、「共謀罪」への懸念が大きな声になっていないのは、そもそもこの法案の危険性への認識が共有されていないからなのだろう。


 このことは認めなければならない。
 ということは、多くの国民は


 「『共謀罪』が一般国民を捜査対象としていない」


 という与党側の説明を鵜呑みにしているのだろうか。
 私は、必ずしもそう思っていない。


 いくらなんでも、わが国の一般市民は、こんな粗雑な説明をいきなり鵜呑みにするほどおめでたくはない。


 捜査側が、捜査したい対象を「一般国民ではない」と決めつけにかかるだけの話だという程度のことは、多くの国民はクールに認識しているはずだ。


 にもかかららず、多くの日本人は、自分にとって「共謀罪」は脅威にならないと考えている。
 どうしてそう思うことができるのだろうか。



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