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徽宗皇帝のブログ

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Be a Happy New Year!
今年最後の文章くらいは自前のものにするつもりだったが、「独りファシズム」氏が、日本の現状を見事に総括する文章を書いているので、それに代えることにする。
では、来年こそ日本国民の多くが目覚め、日本が少しでも良い方向に進むことを祈って、「来年は良いお年を」。


(以下引用)


Cry For The Nations 
2010/12/27 14:33つくづく、この国のイデオロギーというのは官僚ファシズムです。来年度の一般会計予算が公表されましたが、相変わらず役人とマスコミが結託し大本営さながらの垂れ流しをやっているわけで、こりゃもう完全な国家病理、日本の宿痾と言っていいでしょう。総予算96.7兆円とメディアはなんら検証性もなく斉一的な報道に終始していますが、そもそもこの数字には全く意味も根拠もありません。だいたい歳出の科目に公務員と特殊・公益・独行法人の人件費、維持費、補助金が記されないわけです。そりゃ税収が40兆円しかないのに、役人の給料と権益へ70兆円規模の金が投じられているなんてことは表沙汰にできないでしょ。

国債償還費が21.5兆円とかこれもふざけた話で、借換債を合算すれば実質の償還費は120兆円を超えます。公共事業費4.9兆円なんてのもあからさまな嘘です。なんせ、国土交通省の出先機関である地方整備局の維持・人件費だけでも毎年8兆円を超えています。全く報道されませんが、アメリカは貿易不均衡解消のため93年以降日本の公共事業費を年間50兆円ベースに堅持するよう厳命しており、来年度もおそらくこれに拮抗する予算枠となるでしょう。徳川幕府が外様大名の勢力を減衰すべく参勤交代を命じたようなもんで、属国が宗主国の脅威とならぬよう、自ら経済力を削ぐことをいまだに課せられているわけです。試算では道路、橋、ダムなど過剰体積した公共財のメンテナンスには今後40年間でさらに190兆円を要するとのことですから、国家が緩慢に自殺しているようなもんです。

こんな具合に推計260兆円規模とされる特別会計の内訳は事実上隠秘され、国民には収支報告すら行われないわけですから、日本の財政運営は旧ソ連となんら変わりがありません。また、これに随伴する報道機関は支配勢力と不可分の共謀関係にあり、既得権益を不可視とするプロパガンダ組織にすぎないということです。昨年の政権交代においては一気呵成にこれらの構造が瓦解せずとも、財政の一元化、財政投融資(郵貯、年金、簡保の不正流用)の廃止、天下り禁止、特殊・公益法人の統廃合など段階的に腐敗権益を縮減できれば最悪の状態は回避できると期待しました。が、支配勢力の抵抗ぶりはこれまで幾度もエントリーしたとおりの激烈なもので、縮減どころか真逆に拡大する始末ですからどうにもなりません。天下り役人の補助金が毎年12兆円規模であると繰り返してきましたが、ちなみにこの額はアジア通貨危機(というより通貨テロです)の際、欧米のファンドが一斉に引き上げたマネーに相当します。これによってタイ、韓国、インドネシアなどの通貨は最大60%以上も下落しダメージを被ったわけですが、12兆円とはこれら新興国の産業資本に匹敵するほど莫大な額であるということです。

要はもし連年にわたり12兆円もの資本を特殊・公益法人、系列企業群など非生産的部門ではなく、レアメタル等の鉱山、その他の各種資源やエネルギー開発、ITやハイテク企業など生産性の高い分野に対外投資しておけば、今現在どれだけのリターン、割引現在価値が得られていたか、ということです。おそらく高校から大学まで完全無償化、ベーシックインカム施行くらいの原資は確保でき、個人消費の低迷やデフレも地方の壊滅的疲弊も回避できていたでしょう。日本の対外純資産が240兆円規模で世界最大といわれていますが、殆どは米国債などの債券運用ですから多少の利回りが確保できても今年のような円高トレンドになれば為替損で簡単にぶっ飛ぶ程度のものです。

ちなみに日本が買い取った米国債200兆円分は預り証のみ付与され、ゲンブツの保管も自由決済も許認されていません。元本償還見込みのない事実上の永久国債をつかまされてるわけですから、いっそ日米安保を破棄し自前で核配備するほうが財政面でも国防面でも100倍マシです。いずれにしろ、税金、預貯金、年金、保険など国民資産を流用して編成する260兆円規模の国家予算が、社会資本投資という観点からすれば、全くリターンを生まない官製事業分野へ投下され完全に機能不全であるばかりか、実に累計1000兆円規模で毀損をし続けているわけです。つい先週、田原総一郎の「このような財政運営は後何年くらいが限界なのか?」という問いに対し、仙石官房長官が「2年くらいだ。」と答えたとのことですが、こうした喫緊の背景事情を斟酌してのことだったと思われます。

貧困が加速的に蔓延する中、ワープアやネットカフェ難民、これらに派生する悲惨なニュースを見聞きする度になんとも陰鬱な気分になります。自身も金に窮したことが、幾度もありました。つくづく貧困とは究極の暴力であり、家庭、家族関係、人間関係、教育や経験の機会、人格、尊厳、健康、挙句は生命にいたるまで完膚なまでに破壊するものです。「自己責任」という言葉を流布する偽政者がいましたが、これは元々米国系ファンドがもたらした投資用語であり、至純な日本語ではありません。「努力をしたものが報われる社会!」などと売国奴が煽っていましたが、成熟した社会人であれば努力と成果、成果と評価、評価と褒賞が必ずしもパラレルでないことくらい普通に達観しているでしょ。既述のとおり社会資本配分の腐敗によって特権階級化した保守層が富を寡占し暖衣飽食を貪る一方、中産階級は没落し塗炭の貧困にあえいでいるわけですから、自己責任だの自助努力が足りないだのとは、作為的に見当違いの言辞を弄しているだけのことです。

仙石が2年後と予見した財政破綻がどのように収斂するのか見当もつきませんが、いずれにしろ、公債償還のツケは全て国民個々人が背負うことになります。実際、来年度からは各種控除の廃止、増税とともに厚生年金の支給額引き下げが規定となりましたが、これには北爆の弾頭に米兵が綴った‘this is only the beginning!’のロゴが想起されます。年金引き下げの理由はデフレに連動してと騙っていますが、消費財が値下がりしているだけで公共料金、保険、医療費は逆に負担増となり多くの年金受給者は圧迫されているわけですから全くの詭弁です。にもかかわらず、公務員の共済年金については手付かずですから、早い話、為政者や役人にとって一般国民なんてのは馬鹿、すべからく衆愚を前提条件に貫徹した収奪をやらかしているということです。

「私は経済力をもっとも重要な美徳に数え、公共負債を恐るべき最大の危険とみなす。」とトーマス・ジェファーソンは箴言を遺しましたけれど、アメリカも戦争と富の不均衡、腐敗投機で崩壊寸前ですから先人に学ぶことなく自滅状態、日本と大して変わりはありませんね。

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