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徽宗皇帝のブログ

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「フェミニズムの敵」としての「普通の女性」たち
前回の記事の補足として問題の共同宣言についての記事を挙げておく。確かに、前回記事で批判されていた「女性の権利拡張ではなく、性的マイノリティに関する主張が8割くらいを占めている」感じである。「異性愛規範」が批判されているが、つまり異性を愛する人間は異常者である、悪である、ということかwww まあ、全体が詭弁と専門用語(というよりフェミニズム界隈のジャーゴン)駆使による韜晦の塊で論理性など無さそうだが、前回記事で批判は十分だろう。
本当に女性たちはこのような主張を「フェミニスト原則」として容認するのか? そうなると、女性の多くが「フェミニズムの敵」となるのではないかと思うのだが。

(以下引用)

共同声明「フェミニスト原則の再確認を呼びかける」



フェミニストグループや、女性の人権団体、LGBTIQ+とトランス主導の団体による共同声明、「フェミニスト原則の再確認を呼びかける」が起草されました。この共同声明の呼びかけ団体は次のとおりです。


性と生殖に関する健康と権利のためのアジア太平洋協会・Asia Pacific Alliance for Sexual and Reproductive Health and Rights
開発における女性の権利協会・AWID
アジア太平洋地域のトランスジェンダーのネットワーク組織・APTN
国際的なLGBT関連団体の連合体・ILGA World
国際的なセックスワーカーのネットワーク組織・NSWP
フェミニストの国際人権団体・CREA
オランダのLGBTIの権利擁護団体・COC Netherlands
フェミニストのレズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーの集団、平等のための多様な声と行動・Diverse Voices and Action (DIVA) for Equality
ジェンダーアイデンティティ、ジェンダー表現、性的特徴、身体の多様性の問題に関して影響を受けるコミュニティの人々のために取り組む国際組織・GATE
国際家族計画連盟・IPPF
性と生殖に関する権利協会・L’Associacio Drets Sexuals I Reproductius
LGBTIQ人権擁護のグローバル組織・Outright Action International
LGBTQIの権利のためのスウェーデン連合・RFSL – The Swedish Federation for LGBTQI Rights
南半球の若いフェミニスト主導の国境を超えたフェミニスト同盟・RESURJ
ヨーロッパと中央アジアのトランスコミュニティの組織・Transgender Europe (TGEU)
女性の人権のための緊急行動基金・Urgent Action Fund for Women’s Human Rights
ジェンダーの平等と少女や女性の健康と権利のためのアドボカシー団体・Women Deliver
ネットワーク組織、女性は共通の未来に取り組む・Women Engage for a Common Future


この声明は、フェミニストの核となる原則であると私たちが信じていることを再確認し、ジェンダー、性別、セクシュアリティの理解に関して多くのフェミニストが歴史的に選んだ立場を増幅する試みです。
以下の声明文をお読み頂き、ご賛同頂けましたら、個人としてでも、組織としてでも、賛同署名を末尾のリンク先からお願いします。そして、この共同声明を広く共有して下さい。



Image shows two puzzle-shaped figures
フェミニスト
原則の再確認を呼びかける

私たちは、正義、平等、解放を達成するため、私たちの多くのを抑圧し、排除し続けている家父長制の権力と闘い、それを解体しなければならないという共通の信念を強調するため、世界中からこの手紙の下に集まり共に署名した団体や個人です。


私たちは、いくつかの鍵になるフェミニストの原則は、性的指向、ジェンダー・アイデンティティ、ジェンダーの表現、性的特徴に関わる問題と、整合性があることを確約します。


私たちはフェミニスト運動において、トランスジェンダー、インターセックス、そしてノンバイナリーの人々が他の多くの人々と共にあるための居場所を強化し、守ります。


私たちは、人権は人と人とを区別するものではなく、その構造において普遍的で、分け隔てできず、奪うことができないものだという認識を強調します。


私たちは、どんなグループの人々の人権も、他のグループの人権の犠牲の上に成り立つものではない、ということを確約します。この共有する原則と価値観は、あらゆる場所の様々なフェミニスト運動を結びつけていることを確約します。


私たちの多くは西洋的な二元的ジェンダーと性別の構造が断固として基準である世界に生きています。その世界は、異性愛規範とともにあり、女性と、家父長制に適合せず(できず)脅威を感じているすべての人々への制度的な抑圧と構造的な差別へと導いています。


私たちが共有する闘いの前提は、これらの社会的な構造は、人種や階級、身分制度など、他のアイデンティのカテゴリーのように、不当な力構造を内包していると認知することです。


ジェンダー、性別、セクシュアリティ、そのほかのアイデンティの要素に基づいた差別の有害な影響は、抑圧されたグループや個人に、現実的な被害をもたらします。


​国際的人権の先例、条約機関や専門家、法学者を含む国連の人権機構は、社会的な構造としてのジェンダーを十分認識しています。


「性別」によって、私たちは特定の不変的な特性を持って生まれてくるという考えは、社会的に構築された有害なステレオタイプや、ジェンダー的な役割や規範が、総括的にジェンダーの不平等へと導くという認識により、却下されています。


歴史的にも、多くのフェミニストたちは、ジェンダーや性別、セクシュアリティの境界線を超えたすべての人たちの人権のために立ち上がることを選んできました。なぜなら、私たちの解放は、基本的にも本質的にも、お互いに結びついていることを理解しているからです。


フェミニストによる人権や社会的権利のための運動は、民主主義や基本的自由を脅かす脅威と闘い、そして人権や社会的正義、平等の原則のために、団結して立ち上がらなければなりません。


私たちのフェミニズムは、ジェンダー、性別、セクシュアリティの経験には均質性などなく、様々な人々がそれぞれのレベルの差別や抑圧、特権を経験していると認識することから生まれる力を確認します。


私たちはインターセクショナリティ、フェミニズム、そして、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス、ノンバイナリーの人々の権利について学び続け、理解を深める一方で、性差別、人種差別、植民地主義が内包するパターンを学ばないことを誓います。


​私たちは、トランスジェンダー、インターセックス、ノンバイナリーのすべての人々の人権を実現しない限り、ジェンダーの平等は達成されないと強く信じています。



フェミニストの原則の再確認:


人権の普遍性、差別をなくすこと、そして暴力からの解放

人権は、ジェンダー、性的指向、ジェンダー・アイデンティティ、ジェンダーの表現、性的特徴に関係なく、すべての人にとって固有のものです。


すべての人々には、奪うことができない権利と、自由を実現し行使する権利があり、どんな個人や機関にも他者の基本的人権を侵害する権利はありません。


どのグループの人々の人権の実現も、他のグループの権利の犠牲の上に成り立つものではありません。


身体的自主性、尊厳、作動性、アイデンティティの権利

すべての人が、自分自身の生活、身体、未来、そして暮らし、働く環境について、決定できる権利と力を持っています。 誰もが、特に健康や幸福に関係している場合は事前情報に基づく同意とともに、自由に決定できる権利を持っています。


それは、以下を認識することを意味します:

  1. 仕事としてのセックスワーク
  2. 安全で、アクセスしやすく、合法的な中絶は人権であり、誰もがリプロダクティブの意思決定において自主性を持たなければなりません。
  3. インターセックスの人々とトランスジェンダーの人々は、自分の身体と生活に関して、自分自身が決定者でなければなりません。
  4. アイデンティティの権利とは、自分の法的なジェンダーを自己決定できる自由があり、干渉されることなく自身のジェンダー・アイデンティティを自己決定することまで含んでいます。
  5. 同意する成人すべてがパートナーを選ぶ権利
  6. 性的指向、ジェンダー・アイデンティティ、ジェンダーの表現、性的特徴を変えようとする力を拒否する権利、そして尊厳を持ち、恐れることなく生きる権利
  7. 青少年の人権と尊厳は、身体的自立、セクシュアリティ、喜び、基本的自由に関わる問題について情報を得、独立した決定をしようとする、彼らの成長していく能力に、基づいていなければなりません。


拷問、非人間的な扱い、医学的虐待からの解放

特定の団体および特定の人々やグループへの、植民地的で家父長制的な医療化を却下します。 私たちは、非定型の身体や精神を「修正」する必要性、およびアイデンティティと表現が二元的な構造に準拠していない人々を「治療」する必要性を却下します。 私たちは、違いによる社会的不快感や、違いを消そうとする試みに対して、引き続き深く批判していきます。 つまり:

  1. インターセックスの乳児、子ども、大人は、十分な情報を与えられた上での同意なしに、医学的に不必要な手術や介入の対象に、決してされてはいけません。
  2. ジェンダーを肯定するための介入、サービス、または必要性は、それらを望んでいるトランスジェンダーの人々から取り上げるべきではありません。
  3. 誰もを受け入れ、思いやりのあるヘルスケアは、商品や特権ではなく人権です。どこからでもアクセスでき、受け入れられ、簡単に利用でき、無料でなければなりません


子どもの権利

すべての子どもには、あらゆる形態の暴力、怪我、虐待から解放される権利、自分の権利を理解する権利、尊厳、幸福、健康、発達が確保されるという権利があります。


それは以下のことを認識しています:

  1. インターセックスの子どもは、合意に基づかない強制的な手術や、身体に負担をかける治療から解放されなければなりません。
  2. LGBTIQの子どもや若者は、教育、医療、家庭環境において、社会的な汚名、差別、虐待に直面することから解放される権利があります。
  3. LGBTIQの子どもは、性的指向やジェンダー・アイデンティティを認識する権利があり、差別のない、敏感なサービスやサポートを受ける権利があります。
  4. すべての子どもが、人間としてのアイデンティティ、セクシュアリティの多様性を享受する学校教育、ジェンダーを変えることもできる包括的セクシュアリティの教育を受けられることが必要です。ジェンダーの社会的構成は、差別がなく、権利に基づいており、フェミニストであるべきです。
  5. LGBTIの家庭に生まれ、または育った子どもたちには、法的、社会的、その他の状況で、家族を認めさせる権利があります。


性別、ジェンダー、セクシュアリティは
社会的な構成要素です

フェミニストたちは、性別、ジェンダー、セクシュアリティは、構築されたアイデンティティのカテゴリーであるということを確立しました。人種、階級、身分制度など他のカテゴリーが、権力の不均衡を維持し、抑圧のシステムを永続させるために使われてきたのと同様に。人間は性別によって特定の不変の特性を持って生まれたという考えは、社会的に構築された有害なステレオタイプ、性別の役割、および規範が全体的な性別の不平等につながるという認識で、却下されました。


私たちは、あらゆる形態の差別、暴力、非人間的な扱い、そしてトランスジェンダーや性別、インターセックスの人々の非合法化に反対する、確固たる揺るぎない立場を取ります。


インターセクショナリティ

個人やグループは、人種、年齢、性別、ジェンダー、性的指向、ジェンダー・アイデンティティや表現、性別の特徴、その他の状況など、相互に結びつく社会的分類カテゴリーのどこに位置するかに基づいて、交差した抑圧の構造による、さまざまな度合いの差別や不利益に直面します


個人は、状況によって特権と権力をも持ち得ます。 社会的分類において、どのグループをも本質化したり、二元的概念を永続させたりしないために、このダイナミックスに注意を向け、認識することが不可欠です。 私たちは、ジェンダーの経験を含めて、一般的な人間の経験などないということを認識しています。


すべての地域、すべての団体、集合体、
機関、社会、経済、自然環境における
自己決定と解放

植民地主義に反対するフェミニストたちは、長い間、歴史的な(進行中のものもありますが)私たちの領土と私たちの身体への植民地支配を、却下してきました。

すべての人々は、
自分自身の将来を決定し、コミュニティの内外で政治的、社会的、文化的、経済的な意思決定に参加する権利を持っています。

私たちは、
歴史を通して、セクシュアリティ、ジェンダー、性表現についての、先住民の多様な理解を根絶やし、見えないものにしてきた、人種差別的、家父長的、シス異性愛規範の権力システムと闘います。 私たちは、特定の人々や特定のグループを病理化しようとする植民地的な試みを却下します。


不当な権力構造と闘う

フェミニストの権力分析は、バイナリーを超えたものです。 それは「男性」対「女性」、若者 対 年配者、世界の南 対 世界の北などについてではありません。


そこには現在進行中の、植民地思想、家父長制、人種差別、障害者差別、異性愛規範に基づく概念や思想への抵抗が不可欠となる国際人権法をも含む、法へのフェミニスト的批判も含まれます。


フェミニストの権力分析は、私たち自身や私たち自身の運動も含め、すべての不当な権力構造と抑圧のシステムを特定し、それと闘うことに基づいています。


私たち全員が自由になるまで、
私たちの誰も自由ではない。


英語の原文および署名はこちら
https://www.feministaffirmation.org/letter


日本語翻訳:ポポリ (popolino) @blueleafcinema


※7月13日14:18に以下の誤訳を訂正させて頂きました。訂正し、お詫びします。
(末尾から6行目のところ)
誤)挑戦的な概念やアイデアが必要とされる国際人権法
正)概念や思想への抵抗が不可欠となる国際人権法


 


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