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業家の兄弟

「業家の兄弟」  2008年、1月20日起稿1月23日脱稿3月19日校了

*39年前の記憶によるドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」のダイジェスト翻案

「業(カルマ)家の兄弟」

第一章 憐
第二章 乱
第三章 論
第四章 誰が濫三郎を殺したか
第五章 宙に浮いた50円
第六章 私生児
第七章 論は乱れ、乱は論じる
第八章 裁判
第九章 カルマの終わる時


第一章 憐

 この話は、かなり前にある男から私が聞いた話だが、その男はあまり頭が良くない上に、記憶も不確かで、その為に事件の細部はほとんどぼやけてしまっており、全体が意味不明の、たちの悪い夢のようになってしまっているのだが、なぜか私には強い印象を残した。そこで、できるだけ全体の筋が通るように私が補足しながら、この物語を再構成してみることにする。自分が現場にいたわけでもないのに、時々、見てきたような情景描写をするのは、大目に見てほしい。だが、話を長くするのも嫌いだから、描写よりは説明の多い物語になるだろう。(第一章から第三章までは、会話一つなく、説明だけであるから、小説としてはほとんど欠陥商品だ。)
なお、話してくれたその男は、当時その村に住んでいて、この話に出てくる憐という人物と親しかった人間で、この事件の当時はまだ中学生くらいだったという。なかなか好奇心の強い人間で、当時としては珍しいその殺人事件や、渦中の人物に興味を持って、いろいろな人間から話を聞いて、その事件の全体を知ったものらしい。だが、空想的なところのある人間なので、勝手に自分で話を作った部分が多いような気がする。それにしても、その事件の渦中の人物が日本には珍しいタイプの変人が多いので、話がなかなか面白いように私には思われた。私自身は、その後この話の人物たちがどうなったか知りたいと思うくらいに興味を引かれたのだが、話し手は、それは知らないと言っていた。いずれも日本の社会の歴史に名を残すことは無かったようだ。考えてみれば、主要人物の一人は犯罪者として服役し、一人は発狂し、無事なのは一人だけだが、その人物も人柄はいいが虚弱な感じの人物だったらしいから、夭折したのかもしれない。そうだとしたら名が残っていないのも当然だろう。あるいは、(その話し手の性格からして)すべてが話し手の完全な作り話だとも考えられる。

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