*私の持っている白鳳社の「名訳詩集」の中にはいい詩がたくさんあるが、その中には、文体が古すぎて、現代人には良さがわからないものもまたたくさんある。かつての名訳も、現代人には「訳の訳」が必要な時代になってきたということだろう。そこで、そうしたかつての訳を私が更に現代風に変えて訳してみる。原詩はもちろん読めないから、誤訳になる可能性も高いが、なに、名詩が少しでも多くの人の目に触れることの利益にくらべたら、ささいなことだ。私の訳が不満なら、誰でも訳し直せばよいだけである。
「町に雨が降るように」 (ポール・ヴェルレーヌ)
町に雨が降るように
俺の心にも雨が降る。
心の底ににじみ出る
この寂しさは何だろう。
大地に、家の屋根に降る
雨の音のひそかさよ。
寂しい心に響く
雨の音、雨の歌。
悲しみと愁いに満ちたこの心に
理由もなく雨が降る。
恨みの心があるわけじゃない、
嘆きの理由があるわけじゃない。
恋も憎しみもないのに
どうして俺の心が
こんなに苦しいのか
それがわからぬのが、俺には苦しいのだ。
「町に雨が降るように」 (ポール・ヴェルレーヌ)
町に雨が降るように
俺の心にも雨が降る。
心の底ににじみ出る
この寂しさは何だろう。
大地に、家の屋根に降る
雨の音のひそかさよ。
寂しい心に響く
雨の音、雨の歌。
悲しみと愁いに満ちたこの心に
理由もなく雨が降る。
恨みの心があるわけじゃない、
嘆きの理由があるわけじゃない。
恋も憎しみもないのに
どうして俺の心が
こんなに苦しいのか
それがわからぬのが、俺には苦しいのだ。
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