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徽宗皇帝のブログ

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これからの日本のグランドデザイン 本論(1)産業と経済 追加4
国民全員が公務員である、というのは社会主義の一種だろう。社会主義はすべて悪、と思っている人はここで読むのをやめればよい。まあ、そんなのは今どき、よほどの化石人間だけだと思う。
しかし、国民全員が公務員という社会体制は存続できるはずはない、と思っている人は多いと思う。だが、はたしてそうなのか。あるいは、公務員の割合が国民の8割くらいいる、という国家は存続不可能なのかどうか、また、そういう国家で国民は幸福か不幸かを考察したい。

旧ソ連は、ある意味では国民全員が公務員のようなものだったと思う。そして、その社会体制は崩壊した。したがって、社会主義国家は存続不可能であることが歴史的に実証された、とたいていの人は思っているだろう。私は、ソ連型国家が唯一の社会主義国家の形態だとは思わないし、その崩壊の理由は社会主義のせいではなく官僚主義のせいだと思っている。そして、官僚主義のもたらす悪は資本主義でも同様にある。ただ、社会主義(あるいは共産主義)では、労働へのインセンティブが失われるから、経済的に衰退していく(資本主義国家との対比の意味でだが)、という面があり、それがソ連の崩壊のもう一つの原因だっただろう。

さて、私の提案は、国民の6割くらいが公務員、あるいは準公務員になればいい、というものだ。

その対象となる職種は

1)政府機関、地方自治体職員
2)第一次産業従事者
3)教育機関従事者
4)保育園、養護施設、養老院従事者
5)医療機関従事者
6)伝統芸能、伝統技術保存者
7)警察、消防、自衛隊(これは災害救助隊に変更)

などだが、見落としは後で追加していけばいい。
1)と7)は現在でも公務員だが、公務員の範囲を大幅に広げろ、というのが私の意見だ。特に、2)の「第一次産業従事者」を公務員にしろ、という意見は暴論だとされるだろう。
だが、国民の食糧を供給し、健康と命を守る意味では、これは警察や消防や自衛隊以上に「公務」というのにふさわしい職種だと私は思っている。「食料防衛」という言葉があるくらいであり、第一次産業は全職種の中でもっとも国民の生命を預かっているのだ。カネがあればいつでも食料が手に入るわけではない。そもそもカネを中心とする資本主義自体が揺らいでいるのだ。
3)~5)も「公」的な仕事であり、「金儲け」を目的としてはいけないものだろう。6)はまあ、文化的保守主義者としての私の希望を書いただけで、取り下げてもいいし、ほかのを入れてもいい。

いずれにしても、「価値はあるが、カネ儲けには結び付きにくい」仕事はすべて公務員とする、という大方針でいくわけである。おそらく、出版業なども近いうちに6)に入るだろう
で、国民の大半がこうして公務員になれば、その原資はどうする、と思うだろうが、最初に書いたように、「公務員の給与は上下格差を少なくする」という方針なのだから、自動的に「給与の平準化」が起こり、原資は要らなくなる。つまり、私が前から言っている「社会主義と資本主義の幸福な結婚」がこうして生まれるのである。ついでに言えば、公務員の給与の2割くらいは日本国債(10年ものか20年もの)で払うことにすれば、給与カットにもなり(ただし、これは一種の「貯蓄」である)、「国家への責任感」も生まれるだろう。
税金のほとんどが公務員給与で消えても、これなら、国民のカネが国民に戻るだけである。もちろん、大金儲けをしたい人は「民間」の仕事に就けばいい。こちらは一律10%程度の所得税と法人税で十分だろう。


まあ、細部の掘り下げは別に考えればいい。今はただ、そういう提案をしておく。





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