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徽宗皇帝のブログ

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「世に倦む日々」氏の「人類の普遍的価値観と国際秩序」
「世に倦む日々」氏のNOTE記事の後半である。
内田樹への批判は、共感する部分もあるが、過剰批判であると思う。単なるネットブロガーが、マスコミの寵児に嫉妬しているようにも見えるww
それより私が問題にしたいのは、文中の

アメリカの軍事戦略と歩調を合わせた今回の国家安全保障戦略は、人類の普遍的価値観と国際秩序に挑戦する中国に対抗し、その挑戦をアメリカなどと一緒に退けることを目的としている。

という部分である。
この書き方だと、世に倦む氏は中国を「人類の普遍的価値観と国際秩序に挑戦する」存在だと見ていることになる。つまり、「世界(人類)の敵」だ、と見ていることになるが、私のその理解でいいだろうか? では「人類の普遍的価値観」と「国際秩序」とは何なのか。そもそも、人類に「普遍的価値観」があるのか? 少なくとも私はそういう質問をされたことが無いのに、その「普遍的価値観」を持っているとされているのだが、持っていないなら、私は「人類」ではないのだろうか。
その「普遍的価値観」が「自由主義」や「民主主義」なら、私は前者はかなり限定条件付きでしか認めていないし、後者は全世界的に実質的に機能していないと思っている。つまり、「民主主義」は存在せず、一部の人間が選挙やマスコミを操作して政治で我欲を満たしているのが事実だと考えている。
そういう、存在しない「民主主義」が標榜されているだけの「国際秩序」とは何なのか。明らかに、米国とアングロサクソン同盟による他国搾取と世界支配秩序である。それがそんなに有難いものなのか。しかも、その秩序とは平和でも何でもなく、戦争に継ぐ戦争なのである。その「秩序」の中で滅んだリビアやイラクを氏はどう思うのか。

(以下引用)


アメリカの軍事戦略と歩調を合わせた今回の国家安全保障戦略は、人類の普遍的価値観と国際秩序に挑戦する中国に対抗し、その挑戦をアメリカなどと一緒に退けることを目的としている。次の日米ガイドラインは、台湾有事に焦点を合わせた具体的な中身が列記されていることだろう。現在とこれから数年間の日本は、冷戦期の韓国とか南ベトナムと同じ国だ。世界は冷戦であったが、朝鮮半島とベトナムでは熱戦が展開され、国土が戦場になり、多くの死者を出した。アメリカは4年後を台湾有事本番だと予告している。台湾有事をめぐる情勢の主導権はアメリカが握っていて、外交が無力で無能な中国は何もできず、アメリカに翻弄されるままに戦争の回路に嵌まっている。世界大恐慌とかの偶然が起きないかぎり、アメリカの工程表どおり進むのは確実だ。


それにしても、左翼リベラルの等閑には呆れる。その代表格は内田樹だ。12月15日のツイートでこう言っている。



今政府は「戦争ができる国」に国家改造しているわけですけれど、これは「ほんとうに戦争をする気がある」からそうしているわけじゃなくて、「そのうち戦争になるぞ」と言っておくとふだんなら通るはずのない無理が通るという「成功体験」に味をしめたからじゃないですか。

いろいろな方が書いているように、本気で戦争準備するなら原発なんか稼働させるはずないし、食糧増産をはじめ戦略物資の備蓄を始めているはずだし「国民的和解と挙国一致」のための世論工作をしているはずです。でも、何もしてない。むしろその逆をしている。

本気で戦争をする気はないけれど「戦争になるぞ」と国民を脅しておいて「過去のすべての失政をチャラにする・行政府への全権委任を進める・改憲する・消費増税する・米国から兵器を大量購入してアメリカから『永代政権保証』をとりつける」などの懸案を一気に解決しようとしているのだと思います。



内田樹は、日本政府が本気で中国と戦争する意思を持っていないと確信しているらしい。一体、どういう認識をしているんだろう。呆れてものが言えない。これが「知の巨人」の現状認識なのか。これを読んで感じたことは、内田樹が、日本とアメリカとの関係について何も見えてないという事実だ。アメリカが、台湾有事(対中戦争)において自衛隊を主力に戦争を構想設計し、自衛隊の武力で中国軍を叩こうと動いていることを無視している点だ。日本政府の戦争への前のめりの態度は、政権自身の動機によるものではなく、アメリカの要請と強制に基づいている。だが、内田樹の視線はそこを全く見落として、3文書が日本の政権内で自己完結的に策定され発表されたもののように言っている。


画像

内田樹の中では、数年以内に中国と戦争を始めるという想定はなく、危機感や緊張感はないのだ。むしろそれを否定し、戦争などありませんからご心配は無用ですと、左翼リベラル方面に安心理論を説教している。内田樹が、どうしてこのような錯覚を起こしたのか不明だが、察して感じるところは、周囲から「知の巨人」と持ち上げられ、何を言っても左翼リベラル市場で商売繁盛となり、ウケそうな小噺を一寸ヒネって気儘に発していれば世間が持て囃してくれるだから、のぼせ上って現状が見えなくなっているのだろう。自分を中心に世の中が回っていて、自分が何か言えば、左翼の子分と衆愚がそのとおりだと頷き、左翼全体が自分と同じ認識や思考になるものだと思っている。左翼方面の一般知を形成できるものだと思っている。


そうした傲慢な態度が透けて見える。内田樹の周りでは、内田樹ビジネスで銭儲けする太鼓持ちの記者や学者たちが、「そうですね、先生、岸田が戦争なんてやるはずありませんよ、台湾有事なんて国民を操るための脅しに決まってます」と調子を合わせて座興を盛り上げ、戦争を本気で恐れている「左翼の愚衆」を嘲笑っているのだろう。


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