(以下引用)
■ 新執行部 - 志位和夫は実権なき議長、不破哲三は完全引退
ここから日本共産党に具体的な提案をしたい。前回、政党交付金を受け取って財政基盤を固めよと進言した。その続きである。まず、執行部の新人事体制だが、田村智子(57)を委員長、辰巳孝太郎(46)を書記局長、山添拓(38)を政策委員長にする。一気に若返りさせ、田村智子が助さん格さんを両脇に配した布陣にする。田村智子委員長というのは誰も文句のない人選だろう。志位和夫(68)と比較すると政治家の能力識見の面でやや不安を感じるが、人格の面では信頼できるし納得できる。田村智子を皆で支えようという気運が起きるはずだ。志位和夫は議長に退き、常任幹部会のメンバーから外れる。オブザーバーとして臨時出席を認める。つまり、実権のない名目的な元首職(ドイツの大統領的な)に就き、マスコミや国会で活躍すればいい。党内では悪評が多いと聞くが、誠実な人柄と有能さで保守も含めた国民の間では評判がいい。
不破哲三(93)にはこの機に引退してもらう。鈴木元の提起と要求に従って、社会科学研究所も機関として廃止し、政治の権能を持たない純然たる図書館的な位置づけに改組するのが望ましい。93歳の超高齢なのだから、もう隠居してもいいだろう。管見では、不破哲三は現在も党の最高権力者であり、志位和夫に裏から指示を出していると推察される。奥の院から党の意思決定に関与している。3年前の中国敵視の改定綱領を書き上げたのは不破哲三に違いない。不破哲三の知識の蓄積がないと、あの改定綱領は執筆編集できない。さすがに往年の東大共産党エリート。理論的な力があるから、人脈を掌握しているから、民主集中制(軍隊組織)の原則があるから、それが可能なのだが、そろそろ引き際だろう。鈴木元や松竹伸幸はボロクソに悪罵するけれど、私の目からは日本で最も優秀な政治学者であり、尊敬に足る言葉を持った知識人だ。
■ 何をなすべきか ー 交付金を原資に公募で人材発掘を
順番に「何をなすべきか」を言おう。3月初に志位和夫が記者会見を開き、常任幹部会の決定として、政党交付金受け取りへの方針転換と上に挙げた新執行部の人事を発表する。自身の委員長辞任を言い、この間の党勢低迷と党批判騒動の混乱の責任をとる旨を表明する。記者会見は半日ぐらい時間をとって、全ての質問に答えて説明を尽くすことだ。志位和夫の能力なら可能で、説得的な場面を作ることができるだろう。後日、不破哲三の会見の場も用意していい。不破哲三の言葉も聞きたい。党首公選の要請については、今後の議論という方向でいいだろう。無論、松竹伸幸と鈴木元は除名は確定で、それに追随して党の右転換を謀った者たちも除名でいい。けじめは必要だ。除名しないと党のガバナンスが問われる。組織の規律が保てない。この点は会社経営と同じで曖昧な対応は許されない。断固たる処置と始末で新たな出発をするべきだ。
その次は、選挙候補者の公募に着手するべきである。政党交付金を受け取ると決めれば財政に余裕ができる。その資金計画を前提に、公募のプロジェクトを打つといい。これまでの「野党共闘」を清算し、右旋回の路線を止め、9条と25条を守る前衛としてのレゾンデートルを固めた上で、護憲革新政党の理念に共鳴する若い同志に結集を呼びかけ、政治家を志す有能な人材を発掘する作業に取り組むことだ。日本には、本当にその理念の実現に身を捧げようとする純粋で有能な青年はいないのか。マスコミやネットを見ていると、その姿はよく確認できない(ネオリベ右翼ばかり目につく)。だが、私は必ず発見できると信じたいし、本当にいなければ共産党だけでなく日本も終わりだ。非正規労働者の中に、学資ローン返済で喘ぐ者の中に、政治を諦め希望を失っている者の中に、必ずこの国の救世主となる誠実な若い逸材がいると思いたい。
もう一つ、重要な問題を提起したい。外交政策である。今回の松竹問題の焦点は日本共産党が日米安保容認に転換するかどうかだが、党の右旋回が「野党共闘」路線の採択と同時に始まった事実は、これまでの記事で指摘してきた。特に問題だったのは、3年前の中国叩きの綱領改定である。これには私は大いに落胆させられたが、この機会にぜひこの態度と方針を撤回して、元のスタンスに戻る図を求めたい。すなわち、9条の原則で中国とアメリカの中間に立つことであり、日本政府と中国政府の間を仲立ちして関係改善の役割を担うことである。今、日本でそれをする党が一つもない。どれもこれも中国敵視で凝り固まっていて、日本国民の中国憎悪をマキシマムに扇動する工作ばかり興じている。9条の立場に立って戦争回避の努力をする党がない。日本共産党自身が中国叩きの先兵になっていて、左翼を中国との戦争に駆り立てている。
■ レゾンデートルの価値 - 侵略戦争に反対した原点に還れ
恥ずかしく情けないとは思わないのか。醜い裏切りだという自責と煩悶はないのか。伊藤千代子と高橋とみ子は、侵略戦争に反対して命を落としたのではなかったのか。どの国に対する侵略戦争だったのだ。中国に対する侵略戦争ではなかったのか。今また中国に対する侵略戦争(台湾有事)が仕掛けられようとしていて、アメリカが主導して、アメリカの国益のために日本を中国と戦わせる大規模戦争が始まろうとしている。日本を台湾有事に引き込む旗を振ったのは安倍晋三だ。その戦争プログラムに日本共産党が率先して協同している。小林多喜二や野呂栄太郎にどういう顔向けができるのだろう。それとも、党は創立100年で党名変更して解散しますと、もう決定済みで水面下でアメリカに通告済みなのだろうか。本当なら、すぐに委員長が北京に飛び、日中共産党の会合を開き、戦争阻止・対立緩和に向けての協議をしないといけない。台北に飛んで国民党と協議すればいい。
私はずっとその行動を提案し勧告してきた。今、それをやれば、東アジア(中国・台湾・韓国・ベトナム・フィリピン)の人々からどれほど大きな注目と評価が日本共産党に集まるだろう。世界の中で存在感を発揮できるだろう。新しい執行部にはぜひその動きを期待する。対米自立と平和外交の路線に正しく戻ることだ。以上。この提案内容を3月中に即断実行すれば、日本共産党は松竹伸幸と鈴木元の造反策動を切り返すことができ、また、彼らと結託している佞悪な反共文化人およびマスコミの壊党工作を封殺することができるだろう。4月の統一地方選への悪影響も防ぐことができ、逆に、世論と有権者の支持を得て党勢に活力を与え、衆院選で反転攻勢に出る基礎を固めることができるだろう。改憲発議阻止のモメンタムを作り得るだろう。政治の勝負はスピードが肝要だ。時間を無駄にせず、素早く実行に移してもらいたい。
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