忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

いよいよ米国は政府発行通貨に踏み切るか
米国の債務危機(デフォルト)回避について、漫画みたいな案が浮上している。漫画みたいな、というのはしかし、一般人にとっては、ということであり、実はこれはFRBによる経済支配から国家が脱却するステップになりうる画期的な手段なのである。
昨年12月末でFRBの通貨発行権期限が切れるという話の真偽や、それがどうなったのかという話がいっこうに伝わってこないのだが、FRBに通貨発行権をこのまま持たせておくわけにはいかない、というのはロン・ポールなどが大統領選(予備選)などを通じてアピールしてきたために、おそらくかなり一般人にも浸透しているのだろう。
そのFRB支配からの脱却の最初のステップに、「政府発行1兆ドル貨幣」はなるわけだ。政府が貨幣を発行すれば通貨発行利得(シニョリッジ)をFRBつまりユダ金は失うわけだから、この案が実現されるかどうかは彼らにとっては死活問題だろう。
だが、政府発行の1兆ドル貨幣は、もちろん、虚空から1兆ドルが出てくるわけだから、ドルへの大きな信頼低下も起こることになる。つまり、通貨とは、実は何の裏付けもない存在であり、ただそれを発行する中央銀行やその背後の政府が、無闇に通貨を発行はしないだろう、という前提のもとで社会に「何となく」流通していたのだ、という事実が改めて人々に認識され、それはドルへの不信、貨幣価値の低下になるわけだ。こうなると、世界的なドル暴落になるわけだが、これまではドルを刷るだけで世界からあらゆる物を買って裕福に暮らしていたアメリカも、これからは国内経済を中心に、自らの労働で生活していくというまともな暮らしに戻るよい契機になるだろう。
つまり、私はFRBからの通貨発行権奪回のファーストステップとして、この「1兆ドル貨幣」発行に大賛成である。
なお、日本の債務についてこれとまったく同じ解決案を「崖っぷち社長」がかつて自分のツィートの中で述べていた。その先見の明に改めて驚く。

*下記記事中の政府発行通貨を「中央銀行に預ける」云々は形式的なものにすぎないだろう。肝心なのは、「政府が通貨を発行する」という新たな事態の出現なのである。



(以下「ブルームバーグ」より引用)


1兆ドル硬貨案まで浮上-米債務上限引き上げをめぐる論争で
  1月8日(ブルームバーグ):16兆4000億ドル(約1430兆円)の連邦債務上限 引き上げをめぐるオバマ米大統領と議会共和党の攻防が正念場に近づく中、さまざまな代案が示されており、1兆ドル硬貨を鋳造する案や憲法修正条項を行使する案まで論議されている。
これまでのところオバマ政権はこうした議論には加わっていない。
米政府が債務支払いのための資金を十分に確保できるよう財務省が額面1兆ドルのプラチナ硬貨を鋳造して連邦準備制度に預けるというアイデアを推し進めているのは、ナドラー下院議員(民主、ニューヨーク州)とノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授。これに対し、ウォールデン下院議員(共和、オレゴン州)は7日、そうした動きを阻止する法案を提出する考えを表明した。
1995年制定の記念硬貨に関する改正法は、財務長官が適切と判断する量と種類のプラチナ硬貨を鋳造・発行できるとしている。1兆ドル硬貨を提唱する人たちは、これを根拠に政府はいかなる額面のプラチナ硬貨でも発行できると主張している。
財務省のアンダーソン報道官は7日、この提案についてコメントを控えた。
クルーグマン教授は7日、ニューヨーク・タイムズ紙のブログに「共和党が米国をデフォルト(債務不履行)に追いやろうとするなら」オバマ大統領は1兆ドル硬貨を鋳造する意思を持つべきだと記した。
憲法修正第14条は、米国の公共負債の有効性が「問われてはならない」としている。この修正条項の行使によって債務上限に縛られることを回避するといった構想について、カーニー大統領報道官は12月6日、記者団に対し、「第14条が大統領に債務上限を無視する権限を与えているとは考えていない」と言明した。
原題:Showdown on Debt Limit Spurring Debate on Trillion-DollarCoin(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Washington Ian Katz ikatz2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/01/09 16:11 JST



(引用2「東京新聞」記事より)


「財政の崖」第2幕 米大統領に奥の手 1兆ドル硬貨発行 債務の制約回避

2013年1月8日 朝刊
 【ワシントン=久留信一】オバマ米大統領が政府借り入れの法定上限(債務上限)をめぐる議会との交渉を回避する手段として、一兆ドル(約八十八兆円)のプラチナ硬貨発行を検討しているとの見方が広がっている。債務上限を、政府との財政赤字削減の交渉材料に利用しようとする野党共和党の動きを封じる狙いがある。
 記念硬貨発行を想定した連邦法の規定では、プラチナ硬貨は財務長官がデザインや額面を決定できる。政府が一兆ドル硬貨二枚を鋳造し、中央銀行の連邦準備制度理事会(FRB)に預ければ、二兆ドル分の歳出を決済することが可能だ。
 交渉回避の秘策として米紙ワシントン・ポストが提案。金融政策を担うFRBの権限を侵すとの指摘もあるが、財政運営を“人質”にした政治ゲームに批判的な国内世論は、硬貨発行を後押ししているようだ。
 二〇一一年夏には債務上限に対する共和党の強硬姿勢で、米国が債務不履行(デフォルト)の危機に直面。米国債が格下げに追い込まれたことがあり、経済専門家も「法的には問題ない」と支持する意見が増えている。
 大統領は昨年、政府が債務上限を自動的に引き上げられるようにする制度変更を議会に提案。五日のラジオ演説では「ツケを払うことで妥協するつもりはない」とあらためて強調し、「議会が上限引き上げを拒否すれば、世界経済は破滅の危機に陥る。危険なゲームを繰り返す余裕などない」と語った。



(追記)かの天才・苫米地英人も一兆ドル硬貨発行に肯定的だ。だが、これまで政府発行通貨を強行した米大統領はほとんど(すべてか?)暗殺されてきた歴史にも注意を促している。詳しくはドクター苫米地ブログ参照。
もしかしたら日本で一番頭がいいかもしれない人物である苫米地英人と、この中学生頭脳の私が同意見である、というのもなかなか面白い。これこそデカルトの言う「良識は(本来)万人に等しく与えられている」の実例か。


(以下引用)



2013年01月09日16:00



オバマ大統領、1兆ドル硬貨を二枚発行、オバマ大統領を少し見直した。やり切るなら命がけだ。


「財政の崖」第2幕 米大統領に奥の手 1兆ドル硬貨発行 債務の制約回避

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013010802000088.html

引用

(徽宗注:上記東京新聞記事とダブるので、省略)

引用終わり

とある。硬貨を米財務省が発行してきた事実はアメリカ史を読む一つの鍵だ。金本位の時代のかつてのアメリカ大統領達はアメリカで豊富に採れる銀貨を発行して、世界の金を支配するヨーロッパの銀行家に対抗しては、暗殺されてきた歴史がある。

オバマ大統領はそれを1兆ドルプラチナ硬貨二枚でやろうとしている。ただ、かつての大統領達のように、FRBを通さずではなく、FRBに硬貨を一度預けるという工夫付きでだ。FRBを敵に回さない配慮だ。もちろん、FRBの通貨発行権を侵す前例は作らせないFRBが拒否する可能性が高いが、命がけとも言えるオバマ大統領の一手だ。この出来事の背景を知るには、アメリカの通貨発行権の歴史を知る必要がある。

(以下略)






拍手

PR

コメント

1. 無題

私もオバマ大統領を見直しました(だとしたらだけど)、FRBを拒否する人は消されているので、本当に命がけですね。こういう前向きな対応を応援します。
コメントを書く