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徽宗皇帝のブログ

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互いに戦うより悪と戦え
「村野瀬玲奈の秘書課広報室」より転載。
私は常々富の格差の拡大を批判しているのだが、富というものを自ら得ようという努力自体を否定しているわけではないのはもちろんだ。社会主義が怠け者の思想だとされるのは、そういう富の獲得の努力全体を否定しているかのように見られるからだが、全員が働くことを放棄したら全員が餓死するのは当然であり、そんな心配は無用である。
富の獲得の努力が競争という形で現れるのも、これも現世では「ある程度は」仕方がないことだろう。私は根っからの平和主義者だからどんな形の競争(競争とは文字通り「競い」「争う」ことだ。)も本当は嫌いなのである。スポーツも、他人がやるのを見る分にはいいが、自分がスポーツで勝ち負けを競うなどというのは大嫌いだ。負けるのも嫌いだが、勝つのだって嫌いだ。負けて不愉快なのは誰でも同じだろうから、自分が勝つことで他人を不愉快な気分にさせるのが好きなわけはない。
碁や将棋の勝ち負けも嫌いである。『3月のライオン』に描かれているようにストレスに悩み、胃痛に苦しみながら勝負の世界に生きる人生なんて羨ましくも何ともない。自分が水面上に浮かび上がり、息を吸い込むことは、他人を水面下に沈め、窒息させることだ、という勝負事の苦い真理をこの漫画はうまく描いている。もちろん、基本的にはそういう勝負事を肯定しているのだが。
私はそういう人間であるから、学校の運動部などで部員を殴り、自殺にまで追い込むような指導で好成績を残したところで、それで部員の屈辱や死が清められるとはまったく思わないし、そういう指導が認められている学校や運動部の在り方には嫌悪感しか持たない。
ドストエフスキーは、『カラマーゾフの兄弟』の中で、イヴァンに「罪無くして流された一滴の涙が償われない限り、ぼくはこの世への入場券を神にお返しする」と言わせている。その含みは、「罪無くして流された一滴の涙を償うことは、神にだってできない。だから僕はそんな世界を作った神という存在を認めない」ということだ。この世界を造った神という存在を仮定しての話であるが、それを度外視しても、この世界が悪に満ちていることは確かであり、そして問題なのは、その悪の存在を誰もが平気で認容していることだ。それは、小さな例で言えば学校での体罰であり、いじめである。いや、小さな例と言っては語弊がある。そうした悪の犠牲者にとってはそのような悪は「人生への入場券をお返しする」ほどの耐え難い苦しみなのである。
ここまで書いたことは、下記記事とは無関係に見えるだろうか。いや、そうではない。貧しい者、虐げられた者への同情の無い社会をあなたは選びたいのかどうかという話なのである。
もしかしたら日本はまだブラジルよりは豊かかもしれない。しかし、道義で判断すれば、日本政府はブラジル政府の足元にも及ばないだろう。さらにその下、地面の下数尺にあるのがアメリカという「戦争商売ヤクザ国家」である。さらにその下にはイスラエルという「押し込み強盗国家」もある。で、我が日本はこれらの国々とお友達、いや、彼らの手下なのである。世界から見て日本という国家に存在意義はあるのだろうか。はなはだ疑問である。



(以下引用)



ブラジル労働党政権の格差縮小政策に学ぶ
• ジャンル : 政治・経済
• スレッドテーマ : 生活保護
   

社会から貧困をなくさなければなりません。

ブラジルの取り組みを紹介した、希望を感じさせてくれる記事があります。記録して何度も読みたいと思います。
●しんぶん赤旗
ブラジル労働党政権10年
格差縮小 世界から注目
教育・医療重視 不平等克服さらに
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-01/2013010107_01_1.html
2013年1月1日(火)

 南米ブラジルで労働党が政権与党になってから1日で10年が経過しました。労働党政権は経済成長を図りながら貧困層支援の社会計画を進め、経済格差を大幅に縮小。その成果は国際的にも注目されています。労働党は今後も、教育や医療を重視した経済戦略に基づいて不平等の克服に努める意欲を示しています。(島田峰隆)

 ブラジルでは2003年発足のルラ政権が2期8年務めた後、11年に同政権の政策を引き継ぐルセフ政権が誕生。この間、貧困世帯向け家族手当、最低賃金の連続引き上げ、正規雇用の拡大、中小企業への融資の拡充など、貧困層を一貫して支援してきました。

 同国の研究機関は、格差を示すジニ係数(1に近づくほど格差が大きい)が14年には0・51程度にまで下がると予測。ルラ政権発足時には0・58を超えていました。

貧困撲滅が最優先

 世界銀行は昨年11月、過去10年間で中南米カリブ海地域の中間層が5割増え、「最も功績のある国」の一つとしてブラジルを挙げました。世銀の中南米担当主任エコノミスト、アウグスト・デラトレ氏は「中南米は格差が縮小している世界で唯一の地域だ」と強調。背景には「国民の急速な収入増と、最底辺の人々の購買力強化がある」と語りました。

 貧困撲滅を最優先公約とするルセフ政権は昨年、6歳までの子どもがいる世帯を対象にした支援を15歳まで拡充するなど新たな施策を相次いで発表しました。昨年12月には、今年1月から月額最低賃金を8・8%引き上げて678レアル(約2万8000円)にするとしました。労働党政権発足前の02年は200レアルでした。

 こうした施策が評価され、最新の世論調査によれば政権支持率は62%、ルセフ大統領自身の支持率は78%となっています。

成長の回復が課題

 課題になっているのは昨年鈍化した経済成長の回復です。政府は14年に同国で開かれるサッカー・ワールドカップ(W杯)と16年のオリンピックへ向けて港湾や道路などのインフラ整備を進めています。ただ世界経済危機の影響もあり、12年の実質経済成長率は1%程度の見込みです。

 昨年12月の労働党全国指導部会議が採択した決議は、教育の機会均等の保障や医療の充実などを通じて不平等をさらに克服するには「経済成長の加速が重要だ」と指摘。14年2月に開く党大会に向けて「世界経済危機のなかでも成長し変革を深化させる経済戦略を明確にする」ことを提起しています。
(転載ここまで)

ブラジル労働者党について、こちらで補足させていただきます。

●Wikipedia
労働者党 (ブラジル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E5%85%9A_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB)


さて、日本では、貧困と闘うのではなく、見当違いのものと戦っているという思いがつのります。別の言葉で言えば、日本では積極的に人工的に貧困者を生み出す非正規雇用の拡大や給与抑制や富の再分配の抑制などの仕組みを長年にわたってせっせと作ってきました。その結果、貧困者の犠牲の上に富裕層が高額所得を謳歌するという歪みが拡大してきました。貧困者を生み出したうえで、政治家やマスメディアが貧困者を叩くという「娯楽」まで日本人は発明する始末です。

こんな記事をもう6年近く前に書いたことを思い出しました。このタイトルは今でも気に入っています。

■貧困と闘わずにホームレスと戦う日本と、ホームレスを援助して貧困と闘うフランス。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-45.html
2007-02-06

生活保護叩きという暴力が横行する今の日本に当てはめたら、「貧困と闘わずに生活保護受給者と戦う日本と、ホームレスを援助して貧困と闘うフランス。」となるでしょう。







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