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この広告写真、何が問題か分かる?

この記事へのコメント数が膨大な数に上っていることから見ても、この記事は多くの関心を惹くことには成功しているようだ。記事内容自体は「欧米的価値観を日本人も身につけないとグローバル社会に乗り遅れるよ」みたいな、帰国子女的な、バナナ的(外が黄色く中が白い)な、植民地上級国民的な意見のように私には思えるのだが、それは植民地下級国民の「ひがみ」「やっかみ」か。
ところで、私も、「たぶん、この黒人の子が白人の子の『肘掛』にされている点かな」と一見して思ったのだが、これが黒人でなくて白人の子が『肘掛』にされていても不快感を持っただろう。両サイドの二人の子はアクロバチックなポーズだったり、体の柔らかさを見せていて「存在意義」があるのに、ただでかい子の『肘掛』にされるためにそこにいる、というのは侮辱ではないか。
まあ、アメリカ社会は「力があるものは威張っていい」という社会だから、体格問題はスルーされて、黒人差別が問題視されただけで、これが「でかい黒人が貧弱な白人の子を『肘掛』にしている構図」だったとしたら、より物議をかもしていただろう。あるいはその方が、社会的に有益な問題提起になっていたのではないか。
つまり、「白人が差別される側に回る」(白人が黒人の下になる)ことが、なぜこれほどの不快感を与えるのか、と白人層に考えさせるだろうからだ。そして、「黒人が差別される構図」をある意味、無意識的に「当然」と思っていた自分たちに気が付くだろうからだ。
コメントの3分の1くらいは、「この写真に差別を読み取るのは考え過ぎ、かえってそういう見方をする人間のほうが差別的」というものだったと私には思えたが、そういう人間は差別に鈍感すぎないか。
なお、「写真の子供たちの中にアジア人がいないのはアジア人差別ではないか」というコメントも案外数多くあったのだが、その一部は冗談にしても、それは行き過ぎだろう。べつに全人種を出す義理はない。ただ、出した以上は、構図などの持つ意味を作り手側はもっと真剣に考えるべきだと思う。まあ、この「炎上」は、むしろアメリカ社会の「良心」の部分と言えるかもしれない。


(以下引用)

この広告が、なぜ炎上したのかわかりますか

東洋経済オンライン 4月19日(火)6時0分配信

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 まず、この写真を見ていただきたい。これは米国のアパレルGapが子供服の宣伝のために作った広告だ。何か違和感を覚える人はいるだろうか。今月初旬、Gapは「不適切という抗議があった」として、この広告の出稿を中止した。

 日本人の目にはポーズをとる普通の子供たちにしか映らないが、いったい何が問題だったのか。

■ ネット上で論戦

 答えは黒人の子供の立ち位置である。白人の子供の腕の下にいるこの子だけが表情が暗く、いかにも白人の子に押さえつけられているように見える、という指摘がソーシャルメディア上で話題になったのだ。Gapは抗弁せず、「不愉快な思いをさせたのは申し訳ない」と差し止めを決定。これに対し、「たまたま、そういう位置だっただけで、差別的な意図はないはず」「大げさに考えすぎ」と多くの反対意見が寄せられ、ネット上で論戦が繰り広げられた。



 昨今、日本でも取りざたされる広告表現をめぐる炎上事案。日清のカップラーメンのCMをめぐる騒ぎの中でも、「明らかに行き過ぎ」という批判があった一方、ポジティブな評価をする人も少なくなかった。ネットでの特定の人物や企業への集中的な攻撃、批判、いわゆる「炎上」は日本だけに限った話ではない。Internet outrage(インターネット上での攻撃・怒り)事案は米国でも、日常的に起きており、「怒りのサイバーテロ」は世界に蔓延している。

 米オンラインメディアSlateが2014年に調べたところ、365日毎日必ず何らかの炎上事案が発生していた。日本同様、個人や企業幹部などの不適切発言・行為に対する批判が最も多いが、ちょっとした間違いを犯した人が激しい集中砲火を受け、職を失う、社会的信用を棄損するなど残酷な制裁を受けるケースも多い。

■ 強まる「言葉狩り」の傾向

 こうしたネット上の「言葉狩り」的な傾向は米国でも特に最近、顕著になっているが、その背景のひとつとして挙げられるのは、前回の記事でも触れた「ポリティカルコレクトネス」という大きな潮流だ。人種差別、女性差別などあらゆる差別的発言・行動も排除すべき、という考え方のことだが、行き過ぎたポリティカルコレクトネスが表現の自由を奪っていると、フラストレーションを感じる人も少なくない。

 報道やエンタテインメント業界の人たちは「境界」を越えないようつねにピリピリするようになった。中でもコメディアンの間では、かつては、許されていた風刺や皮肉に対する検閲や制限が厳しくなり、きわどい発言が「差別的」として非難されることに不満を覚える人も多い。まさに差別をなくそうとする「寛容」が「非寛容」に転じる皮肉が生まれている。

 欧米で特に「反」差別的スタンスを先鋭化させているのは、デジタルネイティブの若者層だ。オックスフォードやプリンストン、イエールといったエリート校で、大学に関わりのあった歴史的人物たち(セシル・ローズやウッドロー・ウィルソンなど)が「人種差別主義者だった」という理由から一部の学生が激しい抗議運動を展開。その銅像を撤去したり、名を冠した施設の名前を変えるように要求し、大学側と対立する騒ぎが相次いでいる。銅像といえば、日本でも、歩きながら本を読んでいる二宮金次郎像が、子供たちの教育上良くないと、座っている像に変えられたりしているが、どちらの事案にも「そこまで目くじら立てなくてもいいのでは」「世知辛い」と感じる向きの人もいるだろう。


 「差別的」とのラベルが貼られないようにという気遣いからさまざまな用語・慣行・慣習が姿を消したり、形を変えたりするケースも相次いでいる。

 たとえば、日本人にとって、一大行事であるクリスマス。しかし、これは本来、キリスト生誕を祝うキリスト教の祭り。米国ではこれを公式に祝うことはほかの宗教に対する差別である、という考えから、クリスマスソングを歌わない、クリスマスツリーではなくホリデーツリーと言う、などの配慮をする学校も増えている。企業の宣伝や報道などでも、「Merry Christmas」という言葉は使わず、「Happy Holidays」などと表現することが多くなった。

 また、男らしいとか女の子だから、といった言葉も気をつけて使わなければいけない。たとえば、子供向けのクリスマスプレゼントを選ぼうとすると、玩具店の売り場やインターネットのサイトでも「男の子向け」「女の子向け」と分けていたカテゴリー表示が消えている。

 男の子だからミニカーやブロック、女の子だからバービー人形といった区分は性差別にあたる、という考えからだ。「女の子らしくしなさい」などと言う発言も完全にアウトである。

■ ボストンで起きたこと

 日本的な感覚ではなかなか理解できない「炎上」事案はまだまだある。

 昨年夏、ボストンの美術館では、こんなこともあった。白人女性が扇子を持ち、赤い着物を着てポーズをとる有名なモネの絵画「ラジャポネーズ」の前で、本物の着物を客に着せて、楽しんでもらおうというイベントが開かれた。これに対し、アジア系米国人が「アジア人に対する性的フェチを助長する差別的行為」と抗議し、イベントは会期途中で中止されることになった。

 上記のように、世界中で世代、人種、文化、宗教などによって社会がクラスター化し、分断する中で、対立する価値観のぶつかり合いが顕在化。明らかにどちらか一方が絶対的に正しいとは言い切れないケースも多く、そこに無数の炎上の火種がくすぶっている。

 日本における「性差別」「人種差別」「宗教的な差別」に対する配慮やリテラシーは米国に比べて圧倒的に低いように感じる。日本のテレビには相変わらず「ブス」「ハゲ」「デブ」といったような「容姿差別」的言葉があふれているし、性差別的な表現はまだまだ多い。筆者の肌感覚で、米国と日本の炎上しやすいトピックスを比較してみた。


 共通項も多いが、特徴的な違いもある。米国で完全に「アウト」なのは「差別」でくくられるものだ。

 一方で、日本では、「格差」「ねたみ」「やっかみ」を根っこにした「不満」や「怒り」、結婚や子育てなどに関する価値観の相違等から起こる対立などが目立つ印象がある。

■ 「炎上」後の許容度もかなり違う

 グローバル化、デジタル化で、国境の壁が低くなっていく中で、米国的な物差しが日本にも波及していけば、さらにモノが言いにくくなっていくのかもしれない。一方で、「失敗」をすれば、その「恥」は一生背負い続けるべきと考えられる「恥の文化」日本と、例え「失敗」を犯しても、懺悔をし、悔い改めれば、許されるべきと考えられる「罪の文化」である米国では、「炎上」後の許容度もかなり異なる。

 そもそも欧米企業は不祥事においても、日本に比べ、謝り方も非常にあっさりしたものだし、一度、謝ればみそぎは済んだばかりに、あっけらかんとして、通常モードに戻ってしまう。立ち直りの早い米国企業にとっては、10年以上前に製造した加湿器の回収を呼び掛け、いまだ謝罪のCMを流す日本企業の律儀さなどにわかに信じがたい。

 極端にリスク回避志向の高い日本企業や日本人が、加速度的に増殖する地雷原を前に、足をすくめてしまうことにならないのか。非寛容化する世界を生き抜くためにも、ますます高度なコミュ力が求められる時代ということなのだろう。


岡本 純子






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