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徽宗皇帝のブログ

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これも他人事ですか、そうですか
東電の幹部社員を今すぐに原発労働者の代わりに現場で働かせろ、と2チャンネル風に言いたくなるが、まあ、東電と最下層の下請け企業までの間に何重もの中抜きがあるというのは、前から聞いていた。で、直接の差配はヤクザがやるわけである。そこには人権も何もありはしない。日本国憲法の言う基本的人権の尊重など、最下層の人間にとってはおとぎ話である。日本とはそういう国なのだ。
原発に関するさまざまな事象を見れば、日本という国の実体が分かる。
官僚とヤクザと経済界とジャパンハンドラーズとマスコミによって国民の生き血が吸われている、ということである。
この原発労働者は、実はあなた自身なのである。生き血を直接的に吸われるか、間接的に吸われるか、というだけの違いなのだ。


(以下「阿修羅」より引用)



日当9000円――なぜ原発で働く人の賃金は安いのか(Business Media 誠)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110614-00000017-zdn_mkt-soci

原発で働く下請け労働者の賃金は、高くない。震災前、ハローワークに出ていた求人票には「日当9000~1万1000円」と書かれていた。被ばくの危険性が伴うのに、なぜ原発労働者の賃金は安いのだろうか。『週刊東洋経済』の現役記者が、その理由を明らかにした。

いまだ深刻な状態が続いている、東京電力の福島第1原発。放射線量の高い環境の中、電源復旧やがれき撤去などのために、東京電力の社員と下請け労働者による作業が続いている。

 事故後、ハローワークのWebサイトに「福島第1原発でのバイト募集」が掲載され、このように書かれていた。「原子力発電所の清掃、修復工事の補助」「防護服や保護具などをつけて一日3時間ほどの作業」「賃金は時給1万円(3日3万円)」――。

 では事故前にはどのくらいの賃金が支払われていたのだろうか。原発で働く労働者の取材を続ける『週刊東洋経済』の風間直樹記者が、何重にもわたる下請け構造を明らかにした。

※本記事は6月4日に開かれたシンポジウム「そこで働いているのは誰か――原発における被曝労働の実態」の講演内容をまとめたものです。

●下請け労働の構図

 東京電力の福島第1原発で事故が起きる前、地元のハローワークにはこのような求人が出ていた。「福島原発 仕事内容は原子力発電所内の定期検査・機械・電気・鍛冶溶接及び足場作業」と。日給は9000~1万1000円。原発の労働はさまざまな問題を抱えているのにも関わらず、賃金は決して高くない。むしろ「安い」と言っていいだろう。

 原発で働くにあたって、どういう条件が必要なのだろうか。求人欄を見てみると「学歴不問、年齢不問、応募資格不問、スキル経験不問」と、すべて「不問」と書かれている。まさに「身体ひとつで原発に来い」といった感じの内容だ。また事故後、他の原発の求人を見ても、内容はほとんど変わっていない。

 多くの関係者は「原発は下請け会社なしでは回らない」と語っている。原発において、電力会社の社員と下請け労働者の比率はどうなっているのだろう。2009年度のデータ(原子力安全・保安院)によると、日本の商業用原発の労働者のうち電力会社の社員は1万人弱なのに対し、下請け労働者は7万5000人。原発では、下請け労働者が圧倒的多数を占めている。福島第1原発でも、東電社員1100人ほどに対し、下請け労働者は9000人を超えていた。

●偽装請負が続いた理由

 下請け労働の構図を見てみると、まず東電の下に元請会社がある。この元請会社をみると東証一部上場の大企業が並んでいる。ただ実際に、原発に労働者を送り込んでいるのは、1次~8次の下請けの会社。求人票に掲載されている会社を調べてみると、ほとんどが社員数人の零細企業。原発で作業をする上で特殊な能力があるわけでなく、ごく普通の人たちが作業をしているのだ。

 さらに取材を進めていくと「なるほどな」と思うことがあった。そもそも電力会社というのは公共的な色が強いため、コンプライアンスにはうるさい……はず。なのに、東電の下には8次下請けまで存在していた。東電が行っていたことは偽装請負(契約上は業務請負であるのに、実際には人材派遣になっている状態)で、限りなく違法行為に近いのだ。

 なぜ東電は、こうした違法行為を行っていたのだろうか。地元には原発に人を送り込むだけの零細企業がたくさん存在している。こうした会社が、お互い仕事を投げ合い、地元にお金を流すスキームをつくりあげていたのだ。

 現在、公共事業の仕事が減っている。また、いわゆる“丸投げ”でお金を抜くことが難しくなっている。そうした環境の中で、電力会社は地元にお金を落としてくれる、数少ない“お得意様”になっているのだ。

 通常、原発作業の現場を取り仕切っているのは2次、3次下請けの正社員だ。2次下請けの正社員20代の男性に話を聞いたところ「原発では4次、5次以下の下請け労働者たちと働いている。特に定期検査のときには20~60代の労働者がたくさん来るが、彼らがどこの会社に属しているのか分からない」などと語っていた。4次、5次以下の下請け労働者の賃金を聞くと、ハローワークに書いてあった数字(9000~1万1000円)とほぼ同じだった。

 東電が行っていることは偽装請負に該当するわけだが、なぜこのことが問題視されなかったのだろうか。その理由の1つに、行政が摘発できなかったことが挙げられる。関係者に聞いたところ「労働基準監督署(労基署)が現場作業をしているところに入る場合、抜き打ち検査を行うのが当たり前だ」という。労基署の検査は厳しくて、突然やって来て、書類を確認し、労働者を集めて話を聞いたりする。なぜ抜き打ちをするかというと、会社が都合の悪いものを隠してしまうから。

 しかし原発の中は危険なので、予告監督せざるを得ない。管理者の指示に従いながら、検査しなければいけないのだ。このように“手入れ”がしにくい職場なので、長年、不正が隠されてきたのだ。

●原発で働いていた証明書がない

 現場で働く7次、8次下請けの労働者に話を聞くことができた。原発で働くに至った経緯を聞いたところ、ハローワークなどで申し込んだ人もいるが、地元の先輩や知り合いからの紹介という人が多い。

 ある男性は「地元の先輩から『誰でもできる即金の仕事だ』と紹介され、連れて行かれたのが原発だった」と話していた。この男性の場合、採用面接や健康診断もなく、安全教育は初日に見せられたビデオだけ。雇用契約書もなければ、社会保険も未加入……。考えてみれば、この男性は“原発で働いていた証明書がない”ことになるのだ。

 原発では、“労災申請ができない力”が強く働いている。建設業ではよくある話であるが、そこで働いている労働者が労災申請をすれば、発注者から2度と仕事が回ってこなくなる。ただ建設業であれば、数が多いので他の職場を当たることができる。

 しかし電力業界では発注者は東電のみ。東電ににらまれれば、その地域で働くことができなくなるかもしれない不安がある。なので他の産業に比べ、“労災申請ができない力”が強いのだ。原発ではずさんな管理が行われていたのにも関わらず、労災震災は2008年度までの32年間で48件しかない。

 1988年、関西電力の高浜原発で少年3人が、労働者平均の約5倍の被ばく量となる危険な作業を行わされていた。原発(管理区域内)では未成年者の労働が禁じられているが、少年は住民票を偽造され働かされていた。その少年を斡旋したのは、京都府内の暴力団員。少年たちは4次下請けで働いていたが、暴力団に3割ほどピンハネされていた。

 30年前と比べ、原発で働く労働者の賃金水準はあまり変わっていない。報道写真家の樋口健二氏によると「15年前、東電は1人7万円の日当を出していたが、ピンハネ率は8割を超えていた」という。なぜ賃金水準が変わらないかというと、下請け構造があるから。

 下請けというのは各段階でお金を抜いていく。たくさんある下請けの構造を変えない限り、原発で働く労働者の賃金は変わらないだろう。

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