純軍事面からの記事である。
ウクライナがNATO諸国最大の軍事力を持っていたとは驚きだが、それは「対ロシア戦争」の最前線になる(する)という目的でウクライナではなくNATOが構築した軍事力だろう。言うまでもないが、ウクライナは非NATO国である。つまり、非合法の軍事提携だ。
(以下引用)
rogerboyd.substack.com
ロジャー・ボイド著:22/05/2025
概要
Roger Boydのエッセイ「The Weakness of Western Militaries」は、現代の西側諸国(特にアメリカ、NATO諸国)の軍事力が、かつてのような圧倒的な優位性を失い、中国やロシア、イランなどの「非西側」諸国に対して劣勢になりつつある現実を多角的に論じています[1]。
主な論点
製造能力の逆転
- 第二次世界大戦時、日本政府はアメリカの圧倒的な製造力に敗北を予期していたが、現在はその製造力が中国に移り、中国は世界の製造能力の約1/3を占める「製造大国」となった[1]。
- アメリカの製造能力は16%程度とされるが、実際には中国のシェアがさらに大きく、アメリカは過大評価されている可能性が高い[1]。
- ロシアも欧州諸国を上回る製造力を見せており、イランも先進的なミサイルやドローンを自国生産できる体制を構築している[1]。
ウクライナ戦争で露呈した西側兵器の限界
- ウクライナ軍はNATO最大規模であり、最新の西側兵器と訓練を受けていたが、ロシア軍によって組織的に壊滅させられた[1]。
- レオパルト2やチャレンジャー2、エイブラムスなどの西側主力戦車は、重すぎて機動性に欠け、複雑すぎる構造や補給の脆弱さが露呈。FPVドローンや対戦車ミサイルに対し脆弱で、ロシア製戦車よりも戦場適応力が低い[1]。
- ウクライナ空軍は開戦初期に壊滅し、西側諸国も自国の航空機を前線投入することをためらっている[1]。
中国・ロシア・イランの軍事産業の台頭
- ロシアは砲弾やミサイル、ドローンなどの大量生産で西側を圧倒し、コスト面でも有利(例:砲弾はロシアで1発1000ドル、西側は4000ドル)[1]。
- 中国は艦船・潜水艦の大量建造や、先進的な戦闘機(J-10Cなど)を低コストで量産し、性能面でも西側に追いつきつつある[1]。
- 例としてインド・パキスタン戦争では、中国製J-10Cがフランス製ラファールMなどを撃墜し、世界の軍事関係者に衝撃を与えた[1]。
米軍の脆弱性と高コスト体質
- イエメンのフーシ派(アンサル・アッラー)との戦いで、米軍は高価なミサイルを大量消費しながらも実質的な戦果を挙げられず、艦船の損傷や自軍機の誤射撃墜など不手際が続出[1]。
- 米空母打撃群は、現代のドローンやミサイル、潜水艦の前では「高価な移動的」と化しつつある[1]。
筆者の結論
- 現代の西側軍事力は、実際には「同等の敵」との本格戦争を想定して設計されておらず、実戦での脆弱性がウクライナ戦争などで明らかになった[1]。
- 西側の軍事的虚勢はもはや通用せず、世界の多くの国が中国やロシアの兵器に注目し、武器調達や軍事協力の軸足を移しつつある[1]。
- 米国や欧州が軍事費を増やしても、構造的な製造力やコスト競争力の差は埋めがたく、「西側の軍事的優位」という神話は崩壊しつつある[1]。
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