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徽宗皇帝のブログ

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オバマは(議会と経済界を)うまく綱渡りしている?
「神州の泉」から転載。
「神州の泉」は一部有料記事だったと思うが、公開された部分は多分転載可なのだろうと思って転載するわけだ。
TPPについては、インドネシア会合にオバマ大統領が欠席したことで進展がストップしたようだが、あるいはこれはオバマ大統領の、経済界の指令に対する「ストライキ」なのではないか。
シリアへの軍事介入を、議会への諮問や、ロシアの仲介受け入れによってストップしたように、オバマ大統領は、意外としたたかな政治家のような気がする。(これは飯山一郎翁と同じ見方になるが)つまり、大統領になるには経済界の後押しが絶対的に必要であり、そのために過去のほとんどの大統領は経済界の意思に逆らえない、という宿命を持っていたのだが、オバマは経済界や軍産複合体に対し、「面従腹背」をしているという可能性がある、ということだ。オバマはただの操り人形ではない、という見方をすれば、TPPのインドネシア会合を欠席したことも納得できる。
まあ、これはオバマの過大評価かもしれないし、勘違いかもしれないが、「言葉」ではなく「行動」や「結果」を見れば、オバマは少なくともシリア問題ではうまく厄介な問題をすりぬけたと言える。そして、TPP会合欠席という事実は、オバマ自身はTPPに反対なのではないか、と推定できるのである。
案外、オバマは「yes we can!」詐欺で大統領になっただけの経済界傀儡大統領ではなく、一筋縄ではいかない、賢い大統領かもしれない。




(以下引用)




直近(ここ一か月くらい)の米国は異常だった。

米国政治に詳しい人には真相が分っているのだろうが、刻々と伝え聞くニュースだけでも、米国は1996年以来の政府機能の支障が生じていた。

与野党の不調和で、債務不履行に陥りかねなかった問題を巡り、深刻な対立を続けた議会は、土壇場で妥協案をまとめ、来年2月までの政府借金の上乗せが認められた。
どうやら一時的にデフォルトは回避されたようだ。

しかし、その国家本質が世界をまたにかけるユニラテラリズム(単独行動主義、一国主義)の巨大大国・米国である。
その世界の米国が政府機能の縮小を余儀なくされるという恥を世界に晒していたのである。

これを庶民感覚で分かりやすくとらえれば、米国の台所は文字通り“火の車”状態であるということである。
これに中国が欣喜雀躍(きんきじゃくやく)したことをみても分かるとおり、米国の面目は丸つぶれになっている。
シリア問題で面目をつぶした米国が、今度は国内政治で世界の信用を落としてしまったということになる。

米国は、面目どころではなく、担保のない状態で借金をせざるを得ない状態に陥っていて、いっときの債務上乗せという弥縫策(びほうさく)は取ったが、内実はもうあとがない足掻きに入っているように見える。
財政的には藁をもつかむ状態なのだろうか。

無残な廃都、デトロイトが象徴するように、実体経済が崩壊している米国の財政難突破口は、戦争経済に突き進むか、あるいは日本のような富裕な国から分捕るしか打つ手がない。
今の米国は政府機能のシュリンクが示すように、戦争経済を稼働したくても、その戦費さえも工面できない状況なのだと思う。
軍隊や警察組織に給料も満足に払えない状況が続いているという。

この状況下で、先ほどインドネシアで開かれていたTPPの交渉会合にオバマ米大統領が欠席した結果、インドネシア交渉はあまり進展しなかった。
中国国営の新華社通信はパリ支部(?)で、「TPPはなぜ突然声が小さくなったのか」という皮肉たっぷりの記事を流した。
TPPでつんぼ桟敷におかれていた中国は、米国主導のTPPを苦々しく思っていたので当然の反応だろう。

つまり何が言いたいのかと言えば、今、米国はTPPに対して国内問題のガタガタから、足踏み状態にあるということである。
なにしろ、TPPを仕切る大ボスが、身内のごたごたから交渉会合に出られなかったのである。

これではTPPの求心力が殺がれた状態になり、国際ヤクザの“胴元”の威信は消え去った。
恐ろしいヤクザ国家の元締めが欠席したことで、TPP参加各国からTPPに対する不満が噴出してきたようだ。

TPP全参加国12カ国のうち、米国を除く11カ国は、おそらくどの国も、賛成派、反対派の拮抗状態が同じような状況にあるのではないだろうか。

他の国も日本と同様に、反対派、慎重派、よく分からない派が圧倒的多数を占めているにもかかわらず、米国コーポラティズムと結託した各国政府の一部支配層が強権を発動し、反対派を抑え込んでいる状況にあると思われる。

これは国家と国民というレベルで見た場合、米国も全く同様な状況に置かれている。
だから、オバマ大統領が欠席したことに対し、参加各国から、とくにアジア各国からTPPに対する撤退機運が起きているのである。

反対派で意識が高い人々の間では、TPPが米国多国籍企業による強制管理貿易であることはよく知られているが、一般の人々の間でも、それがP4時代とは全く異なったものに変質していて、危険だという認識が広がっているようだ。

IWJのインタビューで元衆議院議員で国際政治学者の首藤 信彦(すとう のぶひこ)氏が言っていた。
マレーシアのマハティール元首相の演説に見られるように、今、アジアは「TPPはマレーシアのような小国を植民地化する米国の企てだ」と米国を痛烈に批判し、米国とともにTPPを推進する現在の日本は、東南アジアから「アジアの裏切り者」と強く批判されているのだと言っている。

今の日本は、TPPを米国の代わりに主導する役割を代行してしまっているというのだ。
だが、世界の流れは、TPPをなんとか回避しようという方向に変化している。この状況では、米国の議会すらTPPを批准しないだろうとも言われている。

このような趨勢の中、米国の腰巾着(こしぎんちゃく)に徹している今の日本は、悲劇的だという見方が出ているという。
この流れをよそに、安倍晋三首相は10月11日、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の関係閣僚会議で「日本が年内妥結へ向け主導的役割を果たしていくべきだと考えている」と述べたそうだ。

アジア諸国の空気が読めないどころか、対米追随に凝り固まった、狂気の倒錯心理としか言いようがない。
オバマ大統領が国内問題でTPPに及び腰になっているとき、あえて積極的に“年内妥結に向けて主導的役割を果たしていく”などと言っている。

これでは、TPPに警戒心を持って離脱したいアジア諸国の逆鱗に触れて当然だろう。

日本人が一番気を付けなければいけないのは、悪知恵と脅しを駆使した世界戦略のノウハウを持つ米国が、TPPをあきらめるなどということは絶対にないということだ。
未曾有の財政難にあえいでいる米国は、今、飢えた手負いの虎である。

これが、何でも言うことを聞く、飼い馴らされた金持ちの子羊(日本)を、なりふり構わず“喰い”に来ると考えないほうに無理がある。
今、政府が国民の目をあざむいて急速に展開している『国家戦略特区』は、虎の脅しに屈して、自分たち羊が喰われることも知らずに、急いで門を開いている状態なのである。

“特区”と称するペテン用語で、米国外資の引き込みのために規制緩和や制度改変を片っ端から行っている。
国民が気付かないうちに“特区”という限定エリアが、一気に都市展開、全国展開になり、国民生活は大破綻にいたる。

TPPはまだ先だと思っているうちに、実質的なTPPは激流のように進んでいる。

非常に危険だ。

今行われている『国家戦略特区』は政府による“大詐術”なのである。

オバマの逡巡(しゅんじゅん)とは無関係に、今、“実質TPP”は加速的に進んでいると見なさなければならない。

国家戦略特区構想を根底から叩き潰さなければ日本は終わりである。






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