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徽宗皇帝のブログ

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カダフィの戦略的誤り
リビアのカダフィ大佐が殺害され、リビア「(欧米製造による)革命」は終結したようだ。
前に書いたことだが、カダフィの過ちは、この「革命」が始まると同時にパリ、ロンドンへの爆撃を行わなかったことだ。
自国内での戦争ほど馬鹿げたものはない。いくら戦闘を行っても相手国の戦闘員を殺すだけで、相手国支配階級には何の痛痒も感じさせないだろう。戦闘員など、貧民階級の人間でしかないから、彼らにとってはただの消耗品であり、それが死ねば死ぬほど国家経済の上からはむしろ好都合である。だが、一国の首都には支配階級が住んでいる。まあ、本当はスイスやオーストリアに住んでいるかもしれないが、とりあえず、政治経済の中心は首都にある。そこを攻撃すれば、相手へのダメージになる。
喧嘩をするなら、有効な打撃を相手に与えなければ意味がない。
パリ、ロンドンを攻撃すれば、リビア「革命」の正体が世界中に明らかになり、リビアを支援する機運も生まれた可能性はあっただろう。そして、うまく行けば相手国内に厭戦気分を醸成し、「手打ち」に持っていくということもありえたと私は思っている。
自国内で逃げ回ったあげくカダフィは惨殺されたわけである。

(スロウ忍ブログ8月24日記事から転載。)



リビアにおけるクーデターの本質は、米英仏(米国右派)による侵略戦争である。CIA内部の政権交代が起こった此のタイミングで、米国右派の駒(プロレスの悪役)であったカダフィ大佐を切り捨てるという目的もあったと考えられる。

http://surouninja.seesaa.net/article/190036872.html

そして、今回のクーデターでは結果的に、中国やブラジル等のBRICS諸国が、リビアでの権益を欧米諸国に奪われるという懸念が発生している。リビアにおけるBRICS諸国の利権を奪うこともまた、米国右派の狙いの一つだったのだろう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110824-00000104-mai-cn

<リビア>中国、権益失う懸念 国連などへ協力要請

毎日新聞 8月24日(水)21時19分配信
 【北京・工藤哲】リビアのカダフィ政権後をにらみ、中国が国連や新興国への協力要請を強めている。中国企業はこれまでリビア国内における原油関連事業などに関与、融資活動も続けてきた。このため政権崩壊でこうした権益が損なわれ、欧米諸国に奪われることを懸念している。

 国営新華社通信によると、中国の楊潔※(ようけつち)外相は24日、ブラジルのパトリオタ外相と電話会談し、ブラジルなど5カ国(BRICS)が連携し、リビアへの人道支援を継続すべきだとの考えを示した。パトリオタ外相も中国との緊密な意思疎通を図る意向を示したという。

 また、楊外相は23日、潘基文(バン・キムン)国連事務総長と電話協議。国連が内戦後のリビアの体制作りで主導的な役割を果たすべきだと訴えた。

 背景には中国の危機感がある。長引く戦闘で、中国企業がリビア国内で進める計50の開発プロジェクト(総額約188億ドル)は停止状態にある。さらに反体制派の幹部は、民主化運動を支援しなかった中国などに対し、原油関連事業などからの排除を表明。中国は国連やブラジルなどの新興国と協力することで、中国の権益を守ろうとしている。

※は竹かんむりに褫のつくり


リビアでは今後も、国連(左派勢力)と米英仏(右派勢力)による苛烈な覇権争いが繰り広げられることになりそうである。


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