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徽宗皇帝のブログ

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グローバリズムは先進国の貧困化を招く
「マスコミに載らない海外記事」のポール・クレイグ・ロバーツの記事の一部を転載。
私はかなり前から、日本は鎖国すべきだ、と主張してきた。もちろん、完全鎖国などではない。経済的鎖国である。言い換えれば、グローバリズムという大波から国を守れ、という主張だ。その具体的方法については、私より頭のいい人、現実的知識のある人が考えてほしい。
なぜグローバリズムが日本に害悪をなすかという基本原理が下の記事から読み取れる。それはアメリカにとっても同じだからだ。大筋だけ言えば

1)グローバリズムは先進国の企業雇用を海外移転させる。
2)先進国の雇用減少はその国の労働者の給与を減少させる。
3)しかし、労働者の生活費用(物価)や税金は通常、高いまま維持される。
4)こうして先進国の国民の生活水準は低下し、貧困化していく。

ということである。
もちろん、労働者内部の戦いに勝ち抜いた少数者は高い給与で雇用され、「勝ち組」として安泰な(本当は決して安泰ではないが)地位を得るだろう。高学歴の家庭から高学歴の子供(勝ち組候補である)が再生産され、ピラミッド状の格差社会がこうしてできていく。もちろん、資産家の子弟は最初から競争の外にいて、安泰である。だが、大半の国民は過酷な競争社会の中で、お互いに食いあって生き残るしか道は無い。その道を拒否すれば貧困生活しか残らない。
これがグローバリズムが進む社会における先進国国民の運命である。
私は資本主義(自由競争社会)を完全に否定する者ではない。しかし、野放しの資本主義(新自由主義)は、一切の社会主義的福祉政策の欠如した「残酷な資本主義」になるしかないはずだ。そして、実際、ほとんどの先進国(資本主義が進展した国)ではそうなっているではないか。グローバリズムと新自由主義の先には「残酷な資本主義」しかない、ということだ。
ただし、公平を期すために言えば、後進国においては給与水準が上昇し、国民の生活水準も上がるだろう。だが、それよって、先進国における悲惨や不幸を捨てておくわけにはいかない。そこに、社会主義的福祉政策の必要性もあり、また企業の恣意的行動を抑止する政治的規制の必要性もあるのだが、政治の企業支配(訂正する。「企業による政治支配」である。もともと、そういう意図で書いたのだが、明らかに「政治による企業支配」と読まれてしまう。)が進む社会では、そうした政策や規制はなし崩しに取り払われていくのである。それが米国で、そして日本で起こっていることだ。


なお、雇用減少はIT化によっても起こっているが、それについてはここでは述べない。





(以下引用)



熟練雇用が外国に移転された場合、国内の熟練技能は消滅する。サプライ・チェーンも、熟練技術にまつわる仕事もそうなる。企業は閉鎖し、技能は失われる。海外移転されている職業を、大学で専攻しようとするだろうか。文化が消滅する。

だが雇用を取り戻すことを始めるのは可能ではあるまいか? おそらくそうは行くまい。先進国が、より安い労賃を享受したくて、技術とノウハウを海外の第三世界の国に移転してしまった後、先進国は一体どうやって雇用を取り戻せるだろう? 第三世界諸国の生活水準と生活のコストは、先進諸国より遥かに低い。第三世界諸国並みの賃金では、先進諸国の国民は、住宅ローンや、自動車ローン、学生ローン、医療費や食費を払えない。

先進国の賃金が低下しても、住宅ローンや、自動車、クレジット・カードや、学生ローン支払いが減るわけではない。アメリカ人は中国やインドやインドネシアの賃金では生きられない。技術とノウハウが外国に移転されてしまえば、関税保護が欠如している低賃金の国の方が有利だ。

アメリカが再生するには、アメリカ経済を高関税の壁で守らねばならず、アメリカ産業と製造業を再生させるには助成金を支給せねばなるまい。しかし多数の大企業が現在外国で製造しており、アメリカは無一文だ。過去5年間にわたって、政府は毎年1兆ドルをドブに捨てている。

雇用の海外移転で、アメリカの課税基盤が消滅した。雇用が外国に渡されてしまえば、その雇用のアメリカGDPへの貢献も、課税基盤もそうなるのだ。何百万もの雇用が海外に移転されてしまえば、アメリカのGDPも課税基盤も、政府の歳出水準を維持できなくなる。ある程度は、代替の雇用はあっても、ウエイトレスや、バーテンダー、小売り店員や病院用務員等、低賃金の国内サービス業だ。こうした雇用は、製造業の雇用や、ソフトウエア技術や情報技術の様に移転可能な専門サービスに匹敵する課税基盤や、消費者の購買力をもたらすわけではない。




*11月5日、一部誤表記訂正。




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