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徽宗皇帝のブログ

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トルコのロシア挑発行為は逆効果になるか
「櫻井ジャーナル」から転載。
「もし最高速度で飛んでいたなら4秒ほどで通りすぎてしまう」という部分が理解しにくいのだが、「もしトルコ政府の声明どおりの速度で飛んでいたなら4秒ほどで通りすぎてしまう」ということか。トルコ政府の声明は「非現実的なほど遅い速度」と外部からは見られているようだから、「最低速度で飛んでいても4秒ほどで通りすぎてしまう」とするべきではないか、と思うのだが。面倒だが、計算してみる。
1.88÷17=0.11km毎秒=398km毎時
で、トルコ政府の声明自体は間違いではないようだ。問題は、「なぜそんな遅い速度で飛ぶ必要があるのだ」ということなのだろうか。「もし最高速度で飛んでいたなら4秒ほどで通りすぎてしまう」と言われても、現実にはそうではないとされているのだから、こんな仮定に何の意味があるのか。「4秒ほどで通りすぎる程度の距離で領空侵犯とみなすのは大げさだ」ということか。だが、実際に17秒あったからこそ、撃墜もできたのではないか。(言うまでもなく、ロシアは「領空侵犯」自体を否定している。シリア領内で撃墜された、と言っているのである。だが、これは水掛け論にしかならないだろう。)
私はロシアを支持するものだが、「ひいきの引き倒し」になるような議論は慎むべきだろう、と思っている。そもそも、この問題は「わずか2キロメートル程度の領空侵犯」が本当に「撃墜に値するものか」という点にあるのではないか。下の記事にもあるように、


そのトルコの戦闘機も盛んにギリシャ領空を侵犯、2012年646回、13年636回、そして14年は2244回といった具合だ。ちなみに、スウェーデンは2011年から15年の間に領空を侵犯されたのは42回で、その大半はアメリカ機によるものだったという。


ということならば、このトルコによるロシア機撃墜は明らかな「過剰防衛」であり、防衛というよりは「挑発行為」である。

まあ、いずれにしてもISISをトルコが支援し、利を貪っていることがどんどん世界の目に明らかになっていっているようである。今回のロシア機撃墜事件も、かえってトルコが何をやっているのかを衆目にさらす結果になるのではないか。
最終的には欧米諸国とイスラエルが諸悪の根源だ、と世界全体が認識することになるだろう。全世界のマスコミがユダ金に支配されているから、そういう見方が表面には出て来ないだけである。



(以下引用)




2015.11.25
     
カテゴリ:カテゴリ未分類

 トルコ政府は自軍のF-16戦闘機が撃墜したロシア軍のSu-24について、トルコの領空へ向かっているので5分の間に南へ進路を変更するように緊急チャンネルで10回にわたって警告したが、ロシア軍機は1.36マイル(2.19キロメートル)の地点まで侵入、1.17マイル(1.88キロメートル)の距離を17秒にわたって飛行したので撃墜したとしている。


wikileaks/Su-24

 WikiLeaksなども指摘しているが、この数字が正しいならSu-24は時速398キロメートルで飛行していたことになる。この爆撃機の高空における最高速度は時速1654キロメートル。飛行速度はあまりにも遅く、非現実的だが、もし最高速度に近いスピードで飛んでいたなら、4秒ほどで通り過ぎてしまう。いずれにしろ、トルコ政府の主張は最初から破綻している。まるまるトルコの主張を受け入れても、シリア領内で撃墜されたとしか考えられない。そのトルコの戦闘機も盛んにギリシャ領空を侵犯、2012年646回、13年636回、そして14年は2244回といった具合だ。ちなみに、スウェーデンは2011年から15年の間に領空を侵犯されたのは42回で、その大半はアメリカ機によるものだったという。


Turkey/Greece

 しかも、ロシア政府はSu-24がトルコ領空を侵犯したとするトルコ側の主張を否定している。ロシア軍機はISを攻撃してから帰還する途中で、トルコとの国境から1キロメートルの地点を高度6000メートルで飛行、トルコにとって何ら脅威を与える状況ではなく、撃墜時にトルコのF-16はシリア領空を侵犯したとも説明した。

 Su-24が空爆していた理由は外部勢力のシリアへの侵略にある。内乱ではない。アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタールといった国々が傭兵、つまりアル・カイダ系のアル・ヌスラ/AQIやそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)を使って破壊と殺戮を繰り返しているのだ。ISと特に関係が深いのはトルコとイスラエルだと見られている。

 DIA(アメリカ軍の情報機関)が2012年8月に作成した文書によると、アメリカが使っている戦闘集団の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI。DIAによるとアル・ヌスラはAQIがシリアで活動するときに使う名称だ。

 ロシアのウラジミル・プーチン大統領もトルコが石油密輸に関係していることを指摘しているが、昨年10月2日にはジョー・バイデン米副大統領がハーバード大学で、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦がISへ資金や武器を提供していると語っている

 盗掘された石油を業者まで運んでいるのがトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の息子が所有するBMZ社だと言われ、トルコのジェイハンからタンカーでイスラエルへ輸送、そこで偽造書類を受け取ってEUで売りさばくという仕組みだという。その石油を売りさばいている会社として名前が挙がっているのは、アメリカの会社でカタールに大きな影響力を持っているエクソン・モービルやサウジアラビアのARAMCO。

 シリアの戦乱は外部勢力がバシャール・アル・アサド大統領を排除し、自分たちに都合の良い傀儡政権を樹立しようとしたことが原因で、問題を解決する最善の方法はそうした勢力が内政干渉をやめることだ。そうすれば「空爆」などは必要ないのだが、戦闘集団が送り込まれている状態で話し合い解決などは不可能である。資金源の盗掘石油の販売を止め、兵站ラインを断つことも有効だが、西側は石油の販売ルートや兵站ラインを守ってきた。

 アサド体制の打倒を目論んでいる外部勢力の中心にはネオコン/シオニストが存在している。本ブログでも繰り返し強調してきたが、そうしたプランは遅くとも1991年から始まっている。ネオコンの中枢グループに属しているポール・ウォルフォウィッツがシリア、イラン、イラクを5年で壊滅させると口にしていたのだ。1991年にはソ連が消滅、翌年の初めには世界制覇プロジェクトをネオコンはDPGの草案という形で描き出した。この草案がいわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」であり、日本の軍事政策の指針になってきたことは本ブログでも指摘してきた。。





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