私はよく言うのだが、多くの人は共産主義とマルキシズムを混同しているし、中にはマルキシズムと社会主義を混同している人も相当にいる。だが、「共産主義=マルキシズム」でもないし、「社会主義=マルキシズム」でもない。特に後者に関しては、議会を通じて漸進的に社会の福利厚生を増加させていくというフェビアン主義という社会主義もあり、多くの政府の政策の中で庶民の福利厚生を豊かにする政策はフェビアン主義と言っていい。
だが、マルキシズムは社会主義や共産主義を「資本家とプロレタリア層の間の権力闘争である」とした。つまり、究極的には革命の肯定であり、「血で血を洗う暴力の肯定」である。資本家や、その下で働く「普通の労働者」がこの思想を肯定するはずがない。(念のために言えば、私は「資本論」のような長大で難解な本など1ページも読んだことはないし、一生読む気もない。その思想のエッセンスとして、私が上に書いたことはそれほど間違っていないと思う。)
もちろん、資本家が、労働者の労働の余剰価値を自分の手にするというのは幼児でも分かる理屈であり、それでもって資本主義や資本家が悪だ、という理屈は成り立たない。だから、「普通の社会人(たいていは企業の下で働いている)」はマルキシズムと混同されている「共産主義」や「社会主義」が嫌いなのである。あんなのはヤクザな、怠け者で無能な労働者の思想だ、となるわけである。つまり、マルキシズムのために「社会主義一般」や「共産主義一般」がとんでもない迷惑を蒙っているわけだ。
もうひとつ、マルキシズムの根本的欠点を言えば、その思想は「パイ(社会的な資産や資本)の配分」を問題にしたが「パイを大きくすること」やその方法はたぶんひとつも言っていないと思う。つまり、共産主義や社会主義を国家が採用した場合、その国家は経済的に繁栄するという、その機序については沈黙していると思う。つまり、詐欺思想である。実際、ソ連や中国やキューバのように社会主義を採用した国で経済的な繁栄をした国は無い。ソ連経済は初期を除いてまったく進歩せず、しまいに破綻したし、中国経済は社会主義政策を取っていた間はずっと停滞し、資本主義を取り入れることで現在の繁栄を導いた。キューバは革命時から今まで相変わらず貧国のままだろう。キューバが「ボロは着てても心の錦」を主張するとしても、他国にとってはあまり魅惑的な話ではない。
話が長くなるから、資本主義のもたらす悪についてはここでは詳しく述べない。簡単に言えば、「資本(家)の意思」が政治を動かし、国民から強欲な搾取を行い、ひいては他国をも搾取する、というものである。社会主義一般の欠点である「極貧層はほどほどに生活向上するが、社会全体としては全員が平等に少し貧乏になる」という欠点と違って、資本主義社会では極貧者は死に至るのである。それは現在の欧米や日本の姿を見れば明白だろう。おそらく、日本はこのまま行くと生活保護制度は廃止され、年金制度も失業保険制度も医療保険制度も廃止されるだろう。つまり、社会全体が弱肉強食のジャングル化するわけだ。それは(社会主義的思想を徹底的に排除した場合の)資本主義の当然の究極の姿なのである。社会全体の利益(福利厚生)より自分の利益を徹底的に優先させればそうなるのは理の当然だろう。
(参考)まあ、こういうのが究極の資本主義、新自由主義である。思わず嘔吐しそうな不快な顔の写真付きなので閲覧注意。
竹中平蔵「日本人は90まで働くことになる」”仕事せず定期昇給”そんな甘えは通用しない…額でなく脳に汗をかきなさい
日本人は90歳まで働く時代がくると思っております。英国のリンダ・グラットン教授が「2007年に日本で生まれた子どもが107歳まで生きる確率が50%もある」と言っています。そうなると80歳、90歳まで働く人というのは当然多くなってくるはずです。
そういった時代が訪れれば、色々の問題が社会に生じてきます。例えば、20歳前後から働き始めたとして、約70年間も一つの会社で働くなんてありえません。どこかで転職が必要になってきますし、当然リスキリング(学び直し)の必要性も高まります。また超少子高齢化の影響で、年金を受け取ることができる年齢もあがっていくでしょう。
だが、マルキシズムは社会主義や共産主義を「資本家とプロレタリア層の間の権力闘争である」とした。つまり、究極的には革命の肯定であり、「血で血を洗う暴力の肯定」である。資本家や、その下で働く「普通の労働者」がこの思想を肯定するはずがない。(念のために言えば、私は「資本論」のような長大で難解な本など1ページも読んだことはないし、一生読む気もない。その思想のエッセンスとして、私が上に書いたことはそれほど間違っていないと思う。)
もちろん、資本家が、労働者の労働の余剰価値を自分の手にするというのは幼児でも分かる理屈であり、それでもって資本主義や資本家が悪だ、という理屈は成り立たない。だから、「普通の社会人(たいていは企業の下で働いている)」はマルキシズムと混同されている「共産主義」や「社会主義」が嫌いなのである。あんなのはヤクザな、怠け者で無能な労働者の思想だ、となるわけである。つまり、マルキシズムのために「社会主義一般」や「共産主義一般」がとんでもない迷惑を蒙っているわけだ。
もうひとつ、マルキシズムの根本的欠点を言えば、その思想は「パイ(社会的な資産や資本)の配分」を問題にしたが「パイを大きくすること」やその方法はたぶんひとつも言っていないと思う。つまり、共産主義や社会主義を国家が採用した場合、その国家は経済的に繁栄するという、その機序については沈黙していると思う。つまり、詐欺思想である。実際、ソ連や中国やキューバのように社会主義を採用した国で経済的な繁栄をした国は無い。ソ連経済は初期を除いてまったく進歩せず、しまいに破綻したし、中国経済は社会主義政策を取っていた間はずっと停滞し、資本主義を取り入れることで現在の繁栄を導いた。キューバは革命時から今まで相変わらず貧国のままだろう。キューバが「ボロは着てても心の錦」を主張するとしても、他国にとってはあまり魅惑的な話ではない。
話が長くなるから、資本主義のもたらす悪についてはここでは詳しく述べない。簡単に言えば、「資本(家)の意思」が政治を動かし、国民から強欲な搾取を行い、ひいては他国をも搾取する、というものである。社会主義一般の欠点である「極貧層はほどほどに生活向上するが、社会全体としては全員が平等に少し貧乏になる」という欠点と違って、資本主義社会では極貧者は死に至るのである。それは現在の欧米や日本の姿を見れば明白だろう。おそらく、日本はこのまま行くと生活保護制度は廃止され、年金制度も失業保険制度も医療保険制度も廃止されるだろう。つまり、社会全体が弱肉強食のジャングル化するわけだ。それは(社会主義的思想を徹底的に排除した場合の)資本主義の当然の究極の姿なのである。社会全体の利益(福利厚生)より自分の利益を徹底的に優先させればそうなるのは理の当然だろう。
(参考)まあ、こういうのが究極の資本主義、新自由主義である。思わず嘔吐しそうな不快な顔の写真付きなので閲覧注意。
竹中平蔵「日本人は90まで働くことになる」”仕事せず定期昇給”そんな甘えは通用しない…額でなく脳に汗をかきなさい
日本人は90歳まで働く時代がくると思っております。英国のリンダ・グラットン教授が「2007年に日本で生まれた子どもが107歳まで生きる確率が50%もある」と言っています。そうなると80歳、90歳まで働く人というのは当然多くなってくるはずです。
そういった時代が訪れれば、色々の問題が社会に生じてきます。例えば、20歳前後から働き始めたとして、約70年間も一つの会社で働くなんてありえません。どこかで転職が必要になってきますし、当然リスキリング(学び直し)の必要性も高まります。また超少子高齢化の影響で、年金を受け取ることができる年齢もあがっていくでしょう。
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