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徽宗皇帝のブログ

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リビア騒乱分析
「阿修羅」投稿記事から転載。なかなかいい分析だと思う。
一般市民が武器を持てるわけがない。したがって、民衆による武力革命は、現代ではほぼ不可能である。にも関わらず、時の政権が武力鎮圧せざるを得なくなる事態は、軍隊や警察の一部が「革命軍」の中核をなしているからだろう。ということは、外部勢力(世界支配層)のハンドリングがある、と見るのが正解ではないだろうか。
もちろん、政府が国民に対して殺戮行為をしているという事態は、あってはならないことであり、今のカダフィは権力亡者にすぎない。今なら、この政府は打倒されて当然だろう。しかし、この事態以前にリビアに革命が起こる妥当性があったかというと、はなはだ疑問である。政治的自由が無い、というだけなら、ほとんどの先進国、特にアメリカなどはその最たるものである。ではアメリカで民衆蜂起は起こったか? 起こりそうな気配はあるか?
この「革命」がどのようなものかは、革命後の政権の内容で判明するだろう。


(以下引用)


リビア情勢の不思議
http://www.asyura2.com/10/kokusai5/msg/466.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 2 月 23 日 05:52:36: 9XFNe/BiX575U


リビア情勢の不思議

 リビア情勢は明らかにただの市民革命ではない。リビアの失業率が30%だと言う報道があるが、その情報もとはCIAで、リビア国内の報道機関の数値では20%そこそこだ。リビアは北部アフリカでは最も豊かな国で、教育や医療の無償化もかなりの程度まで進んでいた。

ウィキペディアの「リビア」よりの引用:
教育
6歳から15歳までの初等教育と前期中等教育が無償の義務教育期間となっており、その後3年間の後期中等教育を経て高等教育への道が開ける。義務教育に限らず、国公立の学校の学費は無償である。2003年の15歳以上の人口の識字率は82.6% である[2]。
主な高等教育機関としてはガル・ユーニス大学(1955年)やアル・ファテフ大学(1957年)などが挙げられる。
以上引用終わり。


http://twitter.com/shamilsh より引用:
リビアはアフリカで最も裕福な国といってもいい。国民一人当たりGDPはエジプトの8倍。教育は大学まで無料。医療も住居も無料。それでも、失業率は30パーセント。政治的自由は皆無。リビアの革命は奇矯な革命思想の押しつけと不自由への不満の爆発かな? 1:27 PM Feb 19th TweetDeckから
以上引用終わり。

上のツイッターは常岡浩介という結構有名なジャーナリストという戦場カメラマンの方のもの。

 今回、かなり大規模に政府側は抑え込みにかかっていて、武力も使っている。しかし、それでも抑え込みがなかなかできないのは、明らかに市民革命ではない、組織的な力が働いている。

 people's power と言うのは、例えばフィリピンではたびたび言われていて、それによる政権交代も起こったが、実質的な支配構造は全く変わらなかった。

 一般市民が単に生活不満から反体制活動をするというのはほとんど効果がない。反体制運動をしているのは元々古くからある政党が母体になったり、宗教組織が母体になっている。こういったもの以外はほぼ確実に外国勢力により作られた傀儡団体だ。

 もう一つ疑問がある。それは、NHKが特に目立つのだが、リビアの状況を「民主化」の運動だと評価することだ。リビアの場合、一般市民の不満はほぼ政治的自由だけであるはずで、そういったことを全く報道しないで単に「民主化」が進んでいると評価するのは余りに不自然だ。

 第二次世界大戦時と比べて、現在は高度に貨幣経済が発達しているから、日常生活の中で、一般市民が富がどこからどこへ移動しているのかを実感する機会があまりない。その典型が日本であり、銀行の信用創造によって、上は政治家から官僚、マスコミ関係者から下は一般市民に至るまで、今の生活がただただ過去の富の食いつぶしであることを実感していない。そして、企業活動によって実質的に新たに生み出された富はどんどん海外へ吸い出されている。こういった隠された富の移動は一般市民にはとても分かりにくいもので、サブプライムローン組込証券を使ったアメリカ資本家階級による世界の富の横取りは、各国政府や世界中のマスコミを巻き込み、その正体を隠すことにほぼ成功している。

 つまり、毛沢東やホーチミン、チェ・ゲバラの時代は資本家による搾取が露骨で一般市民はその意味を理解しやすかった。キューバでつい最近までカストロ政権が維持できたのは、アメリカを隣国として持ち、アメリカによる富の吸出しの記憶を一般市民が記憶していたからだろう。毛沢東やホーチミン、チェ・ゲバラはそういった一般市民の搾取された記憶・体験を組織化することによって、彼らのある意味苛烈な独裁政権を維持できた。特にホーチミンによるベトナム戦争でのベトナム一般市民やベトコン戦士の犠牲の大きさは瞠目に値するもので、なぜあれだけの犠牲を市民が引き受けたのか、それをどうやってホーチミンがやれたのか、ただただ驚くしかない。

 リビアをはじめとした中東諸国の一般市民が、一見民主化されたアメリカやロシアそして日本社会が実質的にどれほど階層化された社会か、それを理解しているようには見えない。確かに言論の自由は一見確保されているのがアメリカや日本だが、実質的には世論コントロールがカダフィ政権下のリビア以上に徹底していることに気が付いてはいないだろう。

 リビアでは軍や警察の一部がカダフィ体制からの離反を始めていると言う。しかし、軍や警察はカダフィ体制下でかなり優遇されていたはずだ。彼らが実質的に生活に不満を持っていたはずがない。多分、かなり巨額なわいろによって買収され、裏切りを勧められていたはずだ。

 もしリビアで市民革命が成功するなら、サウジアラビアでも同様な動きが出るだろう。そうして、絶対政権が崩壊するが、その後の政体が外見だけ民主化され、実質は苛烈な資本主義になるのではないかと危惧している。

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<362>>  

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コメント
01. 2011年2月23日 07:33:22: ibwFfuuFfU
見事な分析だ。座布団30枚!!
特に

第二次世界大戦時と比べて、現在は高度に貨幣経済が発達しているから、日常生活の中で、一般市民が富がどこからどこへ移動しているのかを実感する機会があまりない。その典型が日本であり、銀行の信用創造によって、上は政治家から官僚、マスコミ関係者から下は一般市民に至るまで、今の生活がただただ過去の富の食いつぶしであることを実感していない。そして、企業活動によって実質的に新たに生み出された富はどんどん海外へ吸い出されている。こういった隠された富の移動は一般市民にはとても分かりにくいもので、サブプライムローン組込証券を使ったアメリカ資本家階級による世界の富の横取りは、各国政府や世界中のマスコミを巻き込み、その正体を隠すことにほぼ成功している。
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は100%同感


02. 2011年2月23日 18:04:18: nQ8OSXt9vw
01に同じ。

03. 2011年2月24日 08:29:37: sX4qbYDmU2
人民を殺戮しているのは、傭兵。
【カイロ伊藤智永、イムサード(リビア北東部)和田浩明】事実上の内戦状態との見方もあるリビアでは、カダフィ政権が雇ったとみられるアフリカ諸国の外国兵が、東部の町で市民を容赦なく殺害、襲撃したとの証言が相次いでいる。独裁政権の冷酷な仕打ちが、市民の怒りを増幅した上、国軍の離反も招いたようだ。(毎日新聞)

また、CIAの仕業か?


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